アトリビューションでより効率的に需要を喚起できるのはなぜか?(2/2)

アトリビューションがコンバージョン増加につながる理由
それでは前置きはこれくらいにして、アトリビューションによってより効率的に需要を喚起できるようになり、コンバージョン性向を高めることができ、その結果として、コンバージョンが増加する理由を解説する。

これまでいくつか書いた投稿(http://www.attribution.jp/000069.html など)では、初回〜中間〜ラストと3つに流入経路をわけて説明してきたが、ここでは、ラストとそれ以外(初回と中間)の2つにわけてみる。すると、コンバージョンに至るパターンは以下のように4つあることになる。

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ここで、「無料」とは自然検索経由やブックマーク経由などの有料広告以外の流入元からの来訪を表している。「有料」とはバナー広告やリスティング広告、アフィリエイトなどの有料施策からの来訪を表している。

パターン1は、無料 → 無料 → コンバージョンとなるケース。パターン2は、無料 → 有料 → コンバージョン、パターン3は、有料 → 有料 → コンバージョン、パターン4は、有料 → 無料 → コンバージョンとなるケースだ。この4つの組み合せのいずれかにすべての流入経路が分類できることになる。

さて、パターン1であるが、これは流入元がすべて無料のケースであるため、出稿金額を増やしたりするなどのコントロールができない。ここを操作してコンバージョンを増加させる施策をおこなうのは難しい。
パターン2は、ラストだけが有料になっているケースだ。これはコンバージョンの直前の流入元だけを分析対象にしているラストクリックCPAの分析で、効率化を済ませているべきケースになる。つまり、これまでのやり方で効率化できるパターンだ。
そうすると、パターン3とパターン4はこれまでのラストクリックCPAでは効率化できないケースであることが分かるだろう。パターン3は、ラスト以外も有料の流入元が影響している訳だ。そのため、ラスト以外で発生しているコストも加味しなければ、費用対効果を効率化できない。
パターン4は、ラストは無料であるが、初回や中間などで有料の広告が貢献しているケースである。これは、これまでのラストクリックベースの分析では広告のコンバージョンとしては算入されていなかったものである。アトリビューション分析によって初めて広告の効果として見える化されたものだと言ってもよい。

このパターン3とパターン4は、アトリビューション分析を導入しなければ、費用対効果を効率化できない領域である。この領域に分類されるケースが相当数あるために、アトリビューション分析によってコンバージョン数を増加できる可能性がでてくるといってもよい。
とくに、パターン4は、ラストは自然検索などの無料の流入元になっているため、コスト効率がよい。初回や中間での有料の接触、つまり、広告への接触を、CPAが見合う金額で発生できれば、このパターン4を効率よく増やしてコンバージョン数を圧倒的に増加できるのだ。
近年、アドネットワークの普及により、コスト効率よくバナー広告を出稿できるようになってきた。そのため、このパターン4のケースを意図的に増やせるようにプランニングすることも可能だ。アトリビューション分析によって、コンバージョンを増加できる可能性が高まるのは、このような理由が存在しているためである。

さらに、サイトカタリストなどのツールでは、コンバージョンが発生しなかった流入経路も分析できる。そうすると、以下のように追加で4つのコンバージョンが発生していないパターンもわかる。

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この赤枠で囲んだパターン5〜8のケースも、アトリビューション分析をしなければみえていなかった。これまでは、なんとなくコンバージョンに影響しているかもしれないので、とりあえず出稿していたバナー広告やリスティング広告のビッグワードがあるかもしれない。それが、コンバージョンへの役割を担っているかどうか判断できるようになる。
もちろん、認知などを獲得するのに役立っているはずで、広告としての効果がまったくないということではないはずだ。しかし、30日などのクッキーの有効期間内でコンバージョンが発生していなければ、ツール上ではコンバージョンなしと判断される。
これらを思い切って出稿停止にして、パターン4でコンバージョンへの役割を担っている流入元に予算をスライドすることもできる。これは、媒体という単位でも、枠という単位でも、クリエイティブという単位でも、実施しようと思えば可能になる。
これが、アトリビューション分析とアトリビューションマネージメントによってより効率的に需要を喚起し、より効率的にコンバージョン性向を高め、その結果、コンバージョンの増加につながる理由である。ムダを省き、効率のよいところにお金を回せるということだ。

ある意味で、「アトリビューションとは態度変容をマネージメントするものだ」と表現した方がいいかもしれない。需要喚起し、コンバージョン性向を高めるというのは態度変容を引き起こすということだ。
流入経路を分析することで、これをより効率的におこなう方法を探す。そう考えると、ラストクリックだけを分析して効率的に刈り取る方法を探していた過去のアプローチと比較すれば、アトリビューションは態度変容をマネージメントするのが目的だと言っていいかもしれない。

アタラ合同会社
COO
有園 雄一(Yuichi Arizono)
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【アトリくんの視点】
「アトリビューションとは態度変容をマネージメントするものだ」という部分の考え方がキーですね。今後もアトリビューションにおいて議論されていくポイントでしょう。

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