アトリビューション特別対談:株式会社朝日広告社酒井克明 ×アタラCOO有園雄一

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特別対談です!今回は、株式会社朝日広告社インタラクティブメディアのプランニング部門をリードする酒井克明さんに広告代理店としてのアトリビューションマネジメント見方や取り組み方を色々と伺っていきます。

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広告代理店から見た「アトリビューションマネジメント」

有園:本日は、朝日広告社の酒井さんをお迎えして、いろいろとお話をお伺いしていきたいと思います。まず、自己紹介をお願いいたします。

酒井:私は元々、ネットワークエンジニア出身です。その後はネット専業広告代理店でリスティング広告のビッドツールを作っていました。

有園:専業広告代理店に行かれたのはいつごろですか?

酒井:2005年から2006年頃で、1年半ぐらいいました。その後、ネットベンチャーで事業開発に携わったり、広告主側にもいき、リアルも含めマーケティングの責任者として仕事をしました。朝日広告社に入ったきっかけは共通の知人の紹介です。ネット広告やデジタル系はキャリアとしてベースがありますが、ネットだけの限界も感じており、縁があって朝日広告社に入りました。

有園:エンジニアとネット広告代理店を経て広告主側に移った際に、マーケティング全体を把握するようになったということですね。

酒井:ネット専業広告代理店にいたときも、ツールはツールで、分析後にどうするかという課題意識が自分の中にあり、次第にコンサルの領域に入っていきました。朝日広告社に入りたての頃は、コンサルチームを作り、分析を軸にしながらお客様の課題を解決していました。ただ、テクノロジーのベースをスキルとして持っているというのは総合広告代理店の中でも異色の経歴じゃないでしょうか。幸いにもこのキャリアがあったからこそ今の自分に活きているとも確信しています。ラッキーですよね。「持ってる」んでしょうね(笑)

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有園:朝日広告社に入ったのはいつですか?

酒井:2008年です。

有園:今はどのような業務をやっているんですか?

酒井:インタラクティブメディアのプランニング部署を率いています。朝日広告社のインタラクティブ領域はマーケティング、クリエイティブ、コンサルを一つにしたソリューション系の部署とメディアプランニング部署の二部体制になっていて、私はメディアプランニングの部署を統括しています。私自身のキャリアからするとよく、メディアプランニングじゃなくてソリューション側でしょ?なんて言われることもありますが(笑)

有園:アトリビューションにはどのように関わっているのですか?

酒井:昨今、ネット広告においてはメディアプランニングもCPAといった見方だけでは難しくなってきており、ディスプレイ広告等も含めて、全体のプランニングをどうするかという課題にぶつかり、アトリビューションに触れるようになりました。

有園:アトリビューションに取り組み始めたのはいつ頃ですか?

酒井:2010年に、メディアマインドさんとアドビさんと弊社の三社でアトリビューションマネジメントの評価テストを開始しました。当時テストを開始しますと言ったプレスリリースも出しているのですが、その頃からです。

有園:その結果をAttribution.jpに寄稿していただいたわけですね。

酒井:評価テストの結果を出せる範囲で寄稿させていただきました。

有園:アトリビューションマネジメントの評価テスト結果をリリースするまでに時間がかかったと思いますが、やるに至ったきっかけはなんですか?

酒井:きっかけは、御社の杉原さんにアトリビューションマネジメントのことを教えていただいたからです。最初は「なんだそれは?」という感じだったのですが、アトリビューションのことを調べていくうちに「これは、お客様の課題を解決できるのでは?」と考えるようになりました。当初は、リリースを出すことまでは考えていませんでしたが、当時国内では業界でまったく事例もありませんでしたし、せっかくだから出してみようということになりました。良い結果が出るかどうか分かりませんでしたので、リリースを出すのは不安でもあったのですが。まあ、いっとけみたいな、ある意味追い込む意味でもリリースを出しました。

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有園:弊社でもお客様のアトリビューションマネジメントをやるときは、よい結果が出るかどうか不安になることがあります。

酒井:確実に結果が出るとは言いきれないですからね。

有園:分析結果によっては良い提案がでないこともあります。現状維持が一番いいパターンもありますよね。

酒井:感覚値ではありますが、クリックベースでの最適化しかしていないお客様は結果が出やすいです。これまで見ていなかったデータに目を向けて改善すれば、それなりに結果は出ると思います。

有園:ビュースルーの見える化はインパクトが大きいと感じているわけですね。

酒井:一般的に、クリックは1%もありません。その1%にばかり目を奪われて残りの99%を切り捨てるのではなく、99%を生かすことが重要です。クリックする人はモチベーションが高いわけで、まったくクリックしない興味のない人をいかに振り向かせることができるか。ここが勝負だと思います。クリックしていない人のデータを、今までは無視してきたわけですが、もったいなくないですか。99%以上の人を無視しているんですよ。この部分に目を向ければ、クリックしたかしないかではなく、「誰に」「何を」「どこで」「どうやって」が見えてくると思っています。これってマーケティングの基礎じゃないですか。当たり前の部分にようやく目が向けられるようになったということかなと。悪いものを削るのは簡単ですが、悪いものを良くしていかないと。

有園:アトリビューションの話をすると、どうしてもコンバージョンにフォーカスしがちです。コンバージョンを重視したい気持ちは分かります。でも、本当はコンバージョン以前、クリック以前の99%の人たちをどう振り向かせるかが重要ですね。そのデータを分析しなければ、そもそもコンバージョンを飛躍的に増加できないということを世の中の方々に理解していただきたいですね。

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酒井:そうですね。ユーザーの気持ちを振り向かせることが、結果的にコンバージョンの母数を増やすことになると思います。クリックした人だけではなく、クリックしなかった人をいかに振り向かせるか。それを考えるべきです。アトリビューションは究極は「ユーザー育成」だと思っています。ユーザーのモチベーションを育成して、振り向かせ、顧客化させる。お客様に儲かっていただかないと私たち代理店も儲からないので。

有園:なによりも、広告主に儲かっていただくことが広告代理店の利益になる。そのような意識を持って仕事をしている広告代理店の方は、実際にはあまり多くないかもしれないですね。

酒井:そうかもしれませんね。広告代理店は、広告枠の代理業ではなく「代理人」であるべきと考えています。弊社は、特にその点を、大事にしています。

有園:媒体社の代理人ではなく、広告主の代理人ということでしょうか。

酒井:いえ、媒体社も広告主も、御社のようなパートナーさんも、弊社も、そしてユーザーも、みんながハッピーになるのが理想です。難しいですけどね。

有園:いい話ですね。アトリビューションに取り組む広告代理店が増えているようですが、総合広告代理店の御社には、どのような独自性があるのですか?

酒井:現在、データを可視化できるのがデジタル領域だけなので、今後はマスメディアやオフラインのデータを含んだアトリビューションの取り組みが重要だと考えています。また、専業広告代理店さんはどちらかといえば、獲得よりのクリエイティブワークは得意ですが、総合との違いは、ターゲットのインサイトから考えた、ターゲットを振り向かせるクリエイティブが総合広告代理店は得意だということです。総合広告代理店のクリエイターは、昔からやっていることなので当たり前のことですが。

有園:総合広告代理店として御社の独自性は、マス広告を含めたアトリビューションに取り組んでいけることと、クリエイティブの作り方が違うということですね。クロージングだけではなく、興味のない人をいかに振り向かせるかに長けているということですね。

酒井:そうですね。そこが広告の面白いところですし、本質だと思っています。

有園:ひとつずつお伺いします。まず、マス広告を含めたアトリビューションについては展望などありますか?

酒井:昨年、朝日広告社ではアトリビューションダッシュボードというものをリリースしました。アタラさんにもご協力いただきながらリリースいたしましたが、このダッシュボード上でマス広告も可視化できるように取り組んでいます。ただ、マス広告でユーザーの行動をデジタルのようにコンバージョンパスデータとしてデータ化するのは不可能に近いです。まずは、今できることから手をつけています。マスメディアも含め、どのように貢献しているのか。どのメディアをどれだけ投下すればどの程度効果がでるのか。ダッシュボードを使って、そういった部分を可視化できるように取り組んでいます。現状デジタルデータにおいてはAPIを介して自動的にダッシュボード内にデータが蓄積できるように作ってあります。将来的にはマスメディアのデータ蓄積も自動化したり、量的データだけでない、クリエイティブのような質的データの蓄積、DSPのようなプラットフォームとの連携等の進化も視野に入れています。今後、この取り組みが弊社の独自性にもなると思います。

有園:アトリビューションダッシュボードは、一般の広告主が使えるASP型サービスですか?

酒井:残念ながら現状では違います。今後、オープンにするかは検討中です。

有園:期待を集めているようなので、ゆくゆくはリリースしたいですね。

酒井:単なるダッシュボードだけにはするつもりはないので、いろいろな可能性を秘めています。ご期待ください。

有園:マス広告に関しては、ダッシュボードを中心に進めているということですが、もうひとつの要素であるクリエイティブは、どのような取り組みをされているのですか?

酒井:弊社独自のやり方かもしれませんが、例えば、メディアマインドを使った場合、広告の接触データが全部でますよね?それを細分化するとき、メディアのパスパターンを追いかけるだけではダメと考えています。クリエイティブのパスパターンも追うべきです。クリエイティブのパスパターンは、初回接触とコンバージョンに利いたパターンを重視しています。

有園:なるほど。

酒井:要は、初回向けと刈り取り向けの比率を出して、どのクリエイティブが初回向けで、どのクリエイティブが刈り取り向けかを算出します。この比率を指数化しておりまして、弊社ではアトリビューション・レイショ(Attribution Ratio)と呼んでいます。そのようにしてクリエイティブが整理できたら、モチベーションの高いユーザーには刈り取り向けのクリエイティブを割り当て、まったく興味のないユーザーには初回向けのクリエイティブを割り当てます。そして初回向けと、刈取り向けをユーザーに対して一つのシナリオに統合して配信する。弊社ではこの取り組みをシナリオ配信と呼んだりしています。シナリオというのは、ユーザーのモチベーションを育てるための配信の仕方で、決して配信条件を細かくしていくということではありません。条件を細かくしすぎても結果がよく分からなくなることの方が多いです。つまり、一言で言うとユーザーの気持ちの導線を見つけるということです。もっとも気持ちを動かしやすい、気持ちの導線パターン。気持ちの導線が見つかればシナリオ数は少なくして、シンプルに実施する方が結果がでやすいですし、検証もしやすいと思います。メディアのパスパターンだけではダメでクリエイティブのパスパターンを見る必要があると言ったのは、気持ちの導線設計が重要だと考えているからです。その結果、ユーザー育成ができ、母数が増えていきます。

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有園:それはコンバージョンの母数ですか?

酒井:そうです。ある程度の期間をおけば増えることが分かっています。なぜなら、もともと、モチベージョンが低い人に対してアプローチをしているので、モチベーションをクリエイティブコントロールによって徐々に上げていくからです。

有園:なるほど。その期間は30日から60日くらいとかですか?

酒井:弊社でおこなった人材会社の事例ですと、約一ヵ月後というデータが出ています。実は、それをやる前からインプレッションのコンバージョンデータと、自然検索のコンバージョンデータの波を照らし合わせたら、波のずれがちょうど一ヶ月でした。それによって検討期間はおよそ一ヶ月だろうと予測でき、その一ヶ月間にどれだけモチベーションを上げる広告に接触させられるかがキーポイントだと考えるようになりました。

有園:アドネットワークで配信した場合、自然検索の山が出てくるのは分かっていると。そして、御社のアトリビューション・レイショ(Attribution Ratio)を使って、初回、ラストとカテゴライズするわけですね。ちなみに、中間のクリエイティブは?

酒井:あります。両方に利くものも用意します。

有園:なるほど。そうやって、よりよい流れを作っていくんですね。

酒井:それをやれば一か月の間にユーザーに適切にアプローチし、モチベーションを徐々に高めることで、一か月後にコンバージョンしてくれる流れは作れると思っています。

有園:とても面白い話ですね。

酒井:実際は切り替えのタイミングもテストしていまして、何回目で初回向けから刈り取り向けに切り替えたらいいのか。これに関してはテストをして、フリークエンシーだけでなく、切り替えてからコンバージョンまでの日数を追っています。一回しか初回向けのクリエイティブをあてずに切り替えた場合の日数は、やはり長いです。しかし、初回向けを何回かあててモチベーションを上げてから切り替えた場合、コンバージョンまでの日数は短くなります。ある程度短期間で集中的に配信すればよりコンバージョンしやすくなるということですね。

有園:初回向きのクリエイティブは何回ぐらいあてるのが理想ですか?

酒井:このお客様の場合は、一ヶ月のうちに初回向けを6回あてて切り換えるのが一番良いというデータがでています。良いというのは、よりユーザーがCVするまでの期間を短くできるという意味です。広告主によって多少違いはありますが、それを上手く見つけていただければと思います。

有園:運用するものですよね。

酒井:そうです。勝ちパターンが見つかれば、逆算もできます。必要なCV数に対して必要なインプレッションはどれだけかということが逆算できるようになります。

有園:バナー広告の配信について、通常配信で最初はやるけれど、途中からリターゲティングに変えるイメージですね。通常配信で母数を稼いで、その後リターゲティングのクリエイティブをあてていく。実は、私も最近その辺の組み合わせを気にしています。通常、配信を6回あてると一度くらいサイトにきてくれますか?

酒井:クリックしないパターンが多いですからね。ただ、サーチで来る人もいるので、何かしら効果はあると思います。リターゲティングと違うのは、クリックしていないので、広告主のサイトに来ていない人においてもリターゲティングのようにクリエイティブを変えられます。

有園:そして、クロージングのクリエイティブをあてていくと。ちなみに、何回くらいあてればいいですか?

酒井:明確な数字はまだまだこれからですが、広告主ごとに適切な回数を模索しています。

有園:アトリビューションに関わって解ってきたことや見えてきたことがあると思いますが、その辺はどのようにお考えですか?

酒井:弊社がやっているアトリビューションは、ユーザーをいかに振り向かせてモチベーションを育成するかがやはり大切だと思っています。クリックだけで判断するのでなく、クリックしなかった人をどのように振り向かせるか、それが成果として出せるという部分が見えてきました。

有園:アトリビューション前後で、数字として見えてきていると。

酒井:広告主にもよるので一概には言えませんが、これまでの経験でいうと、アトリビューションを実施することで必ず結果が出ると思います。

有園:アトリビューションを実施して、お客様の反応はいかがですか?

酒井:良いです。媒体間のユーザーの重複データが見えるだけでも価値はあると理解いただけています。全体的に良い評価をいただいています。
有園:素晴らしいですね。

酒井:ただ、コストがかかるので、全ての広告配信を第三社配信に乗せられない場合があります。特に、アドネットワークですと配信量が非常に多く、配信量によっては莫大なコストがかかります。まずは、的を絞ってやりましょうというパターンからのスタートになってしまいます。絞れば絞るほどパスデータの精度は落ちるので、成功確率も減ります。本当は全部を乗せたいのですが、スタートとしてはスモールスタートですね。ただ、徐々に広がってはいる印象です。

有園:一番大事なのはお客様が満足することだと思いますが、そこが出来ているという理解でよろしいでしょうか?

酒井:はい。間違いなくご満足いただけていると思います。

■アトリビューションの課題

有園:アトリビューションの課題についてどのようにお考えですか?

酒井:やはり、データの量が多いので分析に時間がかかってしまうことですね。分析ではなく改善アクションを起こさなくては意味がありませんし、スピードが最優先されるので、極力シンプルにやらざるをえない状況です。PDCAサイクルをいかに短くするかには課題を感じています。季節要因が大きく影響するケースでは、前月の分析が翌月には使えなかったりしますので、分析に時間がかかってしまうと理想的なサイクルで回すのが難しくなりますね。

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有園:季節要因が影響する商材は、3月が需要期だと4月、5月は差し替えですもんね。

酒井:現状では、まだまだ人の力でやっている部分が大きく、分析をどれだけシステマティックに、シンプルにできるかは課題ですね。現状では、アトリビューションについての考え方も浸透しきっていないので標準がありません。つまり答えがないんですよね。ゼロからやらなくてはいけないので、大変です。

有園:今後は、ツール化も検討するのですか?

酒井:そうですね。ある程度、システマティックにしないとPDCAは回らないですからね。あとは、媒体社でも第三者配信を実施する場合、発注量を求められるなどの敷居もまだまだあります。それも実施の際には課題になりますね。

有園:ところで、業界でアトリビューションの流れは変わってきていると感じていらっしゃいますか?

酒井:最近、広告主からの依頼でアトリビューションマネジメントだけのコンペがありました。今までは一度もなかったので、これは業界としてもアトリビューションマネジメントの必要性が浸透し始めた兆しだと感じました。

有園:依頼内容はどのようなものですか?

酒井:課題はどこも一緒ですが、お客様は行き詰っています。施策を打ち尽くしています。特に刈取型のネット広告ばかりをやってらっしゃる広告主さんは改善できる施策に頭打ち感があるんでしょうね。だからこそ新しいやり方へのニーズがあると思います。

有園:弊社にもそのようなご相談は増えています。

酒井:有難い話ですが、人的な対応だけでは、対応しきれるかは不安な部分も正直ありますね。ただ、ここをやっていかないと本来の意味で「代理人」にはなれないと思っています。最近ではADテクノロジーが持てはやされていますし、配信方法も自動化が主流だと思います。弊社もADテクノロジーの分野は積極的に取り組んでいます。ただ、テクノロジーはテクノロジー。素晴らしい面もありますが、それが主になってはいけないと思っています。結局は人の気持ちを動かすために広告をやるわけですし、人の気持ちはテクノロジーだけでは動きません。テクノロジーをうまく使った上で、最後は人の気持ちと真正面から向き合うこと。それに尽きるんじゃないでしょうか。

有園:最後にメッセージをお願いします。

酒井:興味のない人をいかに振り向かせるか。振り向かせたことを可視化できるか。可視化した後に、繰り返し実行し続けられるか。ここが重要だと考えています。デジタル領域は数字が見えすぎるからこそ、数字絶対主義になりがちですが、可視化というのは数字だけを見るのではなく、数字をうまく使って全体を見渡せるようにしていくということです。本当にまだまだやることはたくさんありますね。そうゆう意味では、たくさんの同業さんと競争してアトリビューションのノウハウをお互いに深め、アトリビューションが業界全体のスタンダードになるようにしていきたいですね。競争がないと良くなりませんから。

有園:私が知る限り、売り上げ上位のインターネット専業代理店はアトリビューションを始めているという情報が入ってきています。

酒井:総合も、専業も関係なく、我々広告代理店は「代理人」です。広告主の、媒体社の、パートナーの、ユーザーの、代理人として業界全体でアトリビューションの良い事例を作っていきたいですね。アトリビューションマネジメントは本当に手間暇かかりますので、現状では広告主さんも一部の広告主さんだけが実践できていると思います。なぜならインフラ面での費用だけでなく、社内のスタッフが必要になりますし、複数の代理店とお付き合いしている場合は、それらをプロデュースしていかなくてはいけません。プロデュースできる人材や組織が広告主さん側にあるケースの方が少ないので、そういう意味では代理店が「代理人」、パートナーとしてそういった広告主さんのお手伝いしていくべきだと考えます。あとはできれば媒体社さん側からもアトリビューションの取り組み事例が出てくればいいですよね。もちろん弊社も媒体社さんの「代理人」としてお手伝いします!

有園:ところで、リッチメディアを使うお客様はアトリビューション分析にのせていますか?

酒井:まだですが、リッチメディアも当然今後やっていかなくてはいけないですよね。スタティックな広告よりも訴求力が違いますから、ユーザーを振り向かせやすいはずです。

有園:実は、私は、リッチメディアのビュースルー効果にも興味がありまして、そこを一緒にできる代理店を探しています。その辺は、酒井さんに期待してもいいですか?

酒井:ぜひぜひ。リッチメディアも一つの手段にすぎませんが、クリックしたかしないかの議論より、ユーザーの気持ちが動いたか、動かすための手段として有効か、その部分で取り組んでいきたいと思います。

有園:他にありますか?

酒井:モバイルとやスマートフォンなどデバイスをまたいだ場合のアトリビューションもやりたいですね。技術的にはまだまだできないこともありますが、できることから少しづつ、でもスピーディに。朝日広告社は総合広告代理店でありながら、ネット専業広告代理店のような一面もあります。まだまだ決して大きな会社ではないですが、大きくないからこそスピードとチャレンジは大事にしています。

有園:とても楽しみですね。本日は、どうもありがとうございました。

酒井:ありがとうございました。

聞き役: 有園 雄一(Yuichi Arizono)
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【アトリくんの視点】早くからアトリビューションに取り組んでおられる朝日広告社さん。99%の人をどう振り向かせるかという考え方は基本ですが見落としがちですよね!Attribution Ratio、気持ちの導線パターンという考え方はすばらしいですし、MediaMindのシーケンス配信もこのロジックがあればさらに活きますね。今後の発展に期待です。アトリビューションについてはシナリオ設計力、クリエイティブが広告代理店さんの大きな強みになるんでしょうね。酒井さん、貴重なお話をありがとうございました!

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