【イベント報告】MediaMind Insight概要レポート

MediaMind Insightセッション骨子
広告主企業を対象にした「MediaMind Insight(メディアマインドインサイト)」というクローズドイベントがこの夏(2012年7月12日)、豊洲のCAFE;HAUS で開催された。55社のブランド広告主が招待され、MediaMind Technologies社のソリューションやプロダクトロードマップの紹介、さらにパネルディスカッションなどが行われた。このイベントで紹介されたMediaMind Tehnologies社の方向性は、今後のアトリビューションマネジメントやアドテクノロジーの進む方向を示唆するもので、すでにイベントから2ヶ月以上が経っているものの、多くのマーケッターや業界関係者に有益な情報であるため、要旨を簡潔に報告したい。

MediaMind Insightは、第三者配信アドサーバーのMediaMind Technologies社が企画し、そのパートナー企業の協力も得て開催したイベントだ。Wasabi Rabbit社、電通レイザーフィッシュ社、朝日広告社の3社が登壇し、各分野の最新情報や事例を紹介した。「第三者配信とは」「高い効果を誇るリッチメディア広告とは」「アトリビューションマネジメントとは」といった疑問に応えるセッションを各社が行い、その後パネルディスカッションと進められた。会場では、MediaMind Insightの運営スタッフ全員が、黒地に第三者配信と書いたポロシャツを着てテキパキと動き回り、広告主企業を中心にほとんどの出席者がセミナー終了後の懇親会にも参加し、有益な情報交換が夜遅くまで活発に行われた。

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第一部は「MediaMind のプロダクト ロードマップのご紹介」と題してMediaMind Technologies社 Japan Country Manager 布施一樹氏がMediaMind プラットフォームの今後のロードマップを紹介。MediaMind のキャンペーン管理プラットフォームがアトリビューション分析、クリエイティブおよび予算の最適化などを実現し、デジタルキャンペーンを進化させることが説明された。とくに、新たに導入される「Visual Analytics(ビジュアルアナリティクス)」「Visibility&Verification(ビジビリティ&ベリフィケーション)*」「One Tag(ワン・タグ)」「Advanced Attribution(アドバンスアトリビューション)」の4つの機能に焦点を当てた解説がなされた。

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「Visual Analytics(ビジュアルアナリティクス)」は分析系のインフラを拡張することによって提供できるようになる機能で、よりタイムリーな分析を行うためにデータを即時に反映させることが可能になる。これにより、マーケティングのPDCAサイクルをよりスピーディに回していくことができる。また、本格的なクロスチャネル・トラッキングがサポートされるようになるのも魅力だ。これまで、ディスプレイ広告、リッチメディア/動画広告、リスティング広告をトラッキングすることができたが、それらに加えて、Eメール、アフィリエイト、ソーシャル、自然検索のトラッキングにも対応するようになる。ほぼすべてのオンラインチャネルのトラッキングがMediaMindプラットフォームだけで実現でき、より包括的にクロスチャネルのコンバージョンパスデータを取得できるため、これまで難しかったクロスチャネルのROIの把握をより正確に行うことができる。

「Visibility&Verification(ビジビリティ&ベリフィケーション)*」は、ビジブル・インプレッション、アド閲覧のパーセンテージ、アド閲覧の時間などのビジビリティ関連のレポート機能と、配信先コンテンツの適正を判断するベリフィケーション機能だ。とくに、ベリフィケーション機能は、これまで課題となっていた不適切なコンテンツを含む配信先への配信をブロックすることができ、ブランド・セーフティを高めたキャンペーンマネージメントを実現できるので注目に値する。

「One Tag(ワン・タグ)」では、リターゲティング・タグとコンバージョン・タグの統合やサードパーティのタグを100個まで追加して一元管理することが可能となり、煩雑になりがちなタグ・マネージメントの業務効率化に役立つ機能である。これは、多くの広告主が導入したいソリューションの一つだ。

「Advanced Attribution(アドバンスアトリビューション)」は、米国Encore社との提携により提供されるサービスだ。ディスプレイ広告、リスティング広告、自然検索、Eメール、アフィリエイトなどのキャンペーンデータを一元的に管理し、サイト訪問者のコンバージョンに至るまでの全アクションを記録し、アトリビューション分析を実施することができる。アトリビューション・モデルの設定も柔軟に行うことができ、インプレッション頻度や接触タイミング別などでもレポートを簡単に作成することができるため、あらゆる広告主のROI向上に寄与するものだ。

第二部は「リッチメディア広告 最前線」と題してWasabi Rabbit社 代表取締役 Puneet Talwar 氏がアメリカでの事例を中心に、高い効果を誇るリッチメディア広告の最前線を紹介。

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Wasabi Rabbit社は、ニューヨークに本社を置くクリエイティブエージェンシーで、インドに制作スタジオを構え、優れた開発力と高いクリエイティビティをモットーとしている。デジタルキャンペーン全般を手がけるが、特にリッチメディア広告を得意とし、アメリカでは約2万件の実績がある。詳細なユーザインサイトのリサーチに基づきターゲットユーザのセグメンテーションを実施、そのセグメント別に最適なクリエイティブやメッセージの開発を丁寧に行うことと、データに基づいたオプティマイゼーションによって劇的に効果を改善している事例がいくつも紹介された。そのなかには、6〜7倍もCTRが上昇したものもあり、クリエイティブの重要性やリッチメディア広告の効果の高さを印象づけた。もちろん、ここで紹介されたキャンペーン事例のすべてがMediaMindプラットフォームを活用したものである。

第三部は「MediaMindが実現するアトリビューションマネジメント最前線」と題して朝日広告社 iコミュニケーション局 局長補佐 菅恭一氏がアトリビューションマネジメント領域の最先端の事例と、第三者配信の活用方法について紹介。朝日広告社では2010年より業界に先駆けて第三者配信を活用したアトリビューションマネジメントに取り組んでいる。広告業界では注目されなかったビューも含めたメディア貢献度の評価、クリエイティブパスの分析に基づいた顧客育成シナリオの設計、コミュニケーションプランニングに、総合広告会社ならではの視点で取り組み、複数の広告主で高い成果を上げている。

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朝日広告社のアトリビューションマネジメントで特筆すべきは、広告をクリックした人だけではなく、広告をクリックしなかった人も対象にしている点だ。バナー広告のCTRが低下しているのはインターネット広告業界全体の課題のひとつであり、広告をクリックした人は1%にも満たないような現状がある。そのため、広告をクリックした人だけを対象にしてコンバージョン効率を上げるための策を施しても母数に限界があり、広告主の期待する成果をあげるのが難しくなっている。そのような背景から、広告をクリックしなかった99%の人を効果的に掘り起こすことを主眼にして、顧客育成シナリオの開発やコミュニケーションプランニングを行っているのだ。この朝日広告社の取り組みは、広告本来の役割である生活者の態度変容にフォーカスをおいたもので、アトリビューションマネジメントのあるべき姿の一例だと考えられる。

第四部は「事例に学ぶ第三者配信活用法」と題し、電通レイザーフィッシュ社 アカウント本部 本部長 田中準也氏が第三者配信の活用事例を紹介。

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米国ナンバー1のデジタルエージェンシーであるレイザーフィッシュ社のクライアントで、第三者配信を活用していない企業はほぼないとのこと。先行している欧米に比べ、日本ではまだまだフル活用できていないのが現状。電通レイザーフィッシュ社が4年前から取り組んでいる成果の一部が公開され、第三者配信を既に実施している企業や導入検討中の企業に参考となるポイントが多数あった。たとえば、シナリオ配信とリターゲティングを活用し、商品Aを購入しなかったユーザへは商品Bを見せたり、売れたユーザには広告を配信しないようにコントロールするなど、ユーザの状況に応じて配信やクリエイティブを最適化する手法。あるいは、在庫が無くなると、配信量を抑制したり、時間帯別配信機能によって時間ごとに見せるクリエイティブを変更するなど、きめ細やかで高度な配信が可能なMediaMindの機能をフル活用することで、効果を高めている事例を中心に紹介された。

パネルディスカッション
そして、最後にパネルディスカッション。モデレーターをMediaMind Technologies社 Senior SalesManager 渡邉桂子氏が務め、パネリストに電通レイザーフィッシュ社 田中準也氏、朝日広告社 菅恭一氏、MediaCom (GroupM Japan)社 デジタル ディレクター 石橋啓次氏が登壇した。

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まずは、「なぜ、日本は第三者配信で遅れをとっているのか」をテーマに、MediaCom (GroupM Japan)社 石橋氏が、グラフを表示しながら現在の指標を解説。これを受けて、朝日広告社 菅氏、電通レイザーフィッシュ 田中氏の両氏が見解を述べた。次に、「第三者配信への第一歩を踏み出したきっかけ」をテーマに、各社の取り組みや目的を解説。第三者配信によるデジタルキャンペーンをうまく運用していくためには、広告主と代理店の協力体制が不可欠であると述べた。

第三者配信の導入は、今後のデジタルマーケティングにおいて必須であるというメッセージが、このパネルディスカッション全体のテーマだった。その理由としては、「戦略的、かつ、一元的な測定タグの設定と管理が可能となること」「配信チャネルを横断したグローバルリーチとフリークエンシーが測定可能になること」「より正確なROIの把握とアトリビューションマネジメントを実現できること」などが各パネラーから挙がった。

懇親会(ガーデン BBQ & ビュッフェスタイル)
セミナー終了後は会場を移しての懇親会。隣接するバーベキュー会場にて開催された。懇親会の会場では運営スタッフがお肉を焼き、盛り上げ役として活躍していた。
懇親会に参加した多くの広告主が熱心にディスカッションをする姿がみられ、各社の現状と課題などを共有し、相互に新たな発見をするなど有意義な場となっていた。なかには、MediaMindとそれ以外の第三者配信アドサーバーの長所・短所や料金についての情報、および、各広告代理店のサポート内容についての意見交換を率直におこなっている広告主もいた。

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このイベントによって、多くの広告主が第三者配信アドサーバーの理解を深めることができ、今後のマーケティング活動の参考になる情報を得ることができたようだ。

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* MediaMind のもつ Visibility 関連機能については、当セミナー実施後、Viewability という IAB (Interactive Advertising Bureau)が策定した業界標準に倣った名称に変更されました。当レポートではセミナー当時の名称で記載しております。

メディアマインド・テクノロジーズ株式会社
http://jp.mediamind.com/

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【アトリくんの視点】
今後ますます重要になる第三者配信プラットフォームを活用したキャンペーン管理やデータ分析。MediaMindプラットフォームに特化したイベントで、今後企業のデジタルマーケティングをプランニングする上で有益な情報が満載でした。またこういった場でプラットフォームの進化や新しい成功事例などを共有いただけると勉強になります!MediaMindの皆さん、お疲れさまでした。

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