アトリビューション特別対談: 電通からのMBOで、いま注目のイグニッションワンが語る! – イグニッションワンジャパン代表取締役 松本英人氏xアタラ有園

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電通からのMBOで、いま注目のイグニッションワンが語る! デジタルメディアのバイイング最適化とマーケティング自動化ツールを統合した「デジタルマーケティングスイート(DMS)」が実現するアトリビューション分析の自動化
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出会いはサンフランシスコ

有園:本日は、株式会社イグニッションワンジャパンの代表取締役、松本英人さんにお話を伺います。さっそくですが、松本さんが代表に就任したのはいつからですか?

松本:イグニッションワンジャパンの松本です。代表には2012年11月に就任しました。2008年に入札管理ツールのサーチイグナイトが立ち上がった際、創業メンバーとしてジョインしました。

有園:最初は何人でスタートしたのですか?

松本:2人です。すぐに3人目が入り、しばらくは4人でした。

有園:インターネット広告業界に入ったきっかけはなんですか?何年くらい、この業界にいるのですか?

松本:業界歴は、12年から13年くらいです。大学卒業後にサンフランシスコでホテルマンを目指していたのですが、求人広告を見ていたら検索のディレクトリをつくる会社が日本語のできるメンバーを探していて。90年代後半のドットコムバブルと呼ばれていた頃のことです。結果的に「チャレンジしてみよう!」ということになりまして。そこで有園さんにお会いしたんですよね(笑)

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LookSmartの同僚時代

有園:そうでしたね(笑)実は、LookSmart(ルックスマート)という会社で松本さんとは同僚でした。90年代後半にサンフランシスコで一緒に仕事をしていたのです。

松本:懐かしいですね。

有園:LookSmart(ルックスマート)では、日本のマイクロソフトネットワーク向けのインターネットディレクトリをつくっていましたね。

松本:当時、有園さんにライティングを徹底的に鍛えられたことを覚えています。その後、LookSmart(ルックスマート)が日本に上陸するのと一緒に日本へ帰国し、ずっと検索に携わってきました。

有園:ライティング?当時は、ウェブサイトのレビューを書くことが仕事だったんですよね。LookSmart(ルックスマート)の後はどうしたんですか?

ジェイ・リスティングの立ち上げに参加

松本:ジェイ・リスティングの立ち上げに参加し、1年たたずにライブドアに買収されてグループに入り、ライブドアが検索を強化する時期だったのでディレクトリをつくったりしていました。

イグニッションワンに入社したきっかけ

有園:イグニッションワンに移るきっかけはなんですか?

松本:イグニッションワンの前身はサーチイグナイトという会社で、入札管理ツールを開発している会社でした。アメリカのジョージア州アトランタ市で立ち上がった会社です。サーチイグナイトの親会社がイノベーションインタラクティブで、イノベーションインタラクティブが2005年にライブドアに買収されました。当時、私はライブドアにいたのですが、サーチイグナイトをジェイ・リスティングの中で内製しようという動きがありました。その後、縁があってサーチイグナイトを法人化して、ライブドアとは独立した形で会社を立ち上げることになったときにジョインしました。

有園:それが2008年ですか?

松本:2008年の2月です。

資本関係

有園:そのとき、ライブドアの資本は入っていたのですか?

松本:入っていません。

有園:引き続き、イノベーションインタラクティブはイグニッションワンの親会社ということですか?

松本:直接の親会社です。イノベーションインタラクティブが電通ホールディングスUSAにM&Aされたのが2010年の2月で、そのタイミングで電通グループに入りました。

有園:電通ホールディングスUSAの子会社がイノベーションインタラクティブで、イノベーションインタラクティブの子会社がイグニッションワンということですね?

松本:そうです。

サーチイグナイトからイグニッションワンへ

有園:サーチイグナイトがイグニッションワンに名前が変わったのはいつですか?

松本:2011年の4月11日です。

有園:まだ2年くらいなんですね。

松本:はい。そして、今年7月の事になりますがイグニッションワンの経営陣が主導するかたちでMBOを実施し、電通グループ100%子会社の枠を離れて、より独立性を持った事業体として新しいスタートを切ったところです(詳しくは、こちらのリリース)。

共通キーワードは「検索」

有園:90年代に出会ってから、その後もお互いに検索に携わってきたわけですね。

松本:そうですね。ずっと、検索エンジンや検索キーワードに縁がありました。

入札管理ツール戦国時代

有園:イグニッションワンは評判が良いと聞いているので、その理由やアトリビューションについて伺いたいと思います。サーチイグナイトとして営業をはじめたのが2008年ということですが、その頃の日本は入札管理ツールを導入する企業が多かったのですか?

松本:入札管理ツールの認知度が高く、企業も導入の意欲があり、競争の激しい時代でした。海外系ツールも参入していたのが2008年、2009年頃のことです。カタログ化ではないですが、スペックで比較され、ポートフォリオ型?ルールベース?という二択や、ホワイトボックス?ブラックボックス?という話もよく出ました。

ホワイトボックスとブラックボックス

有園:ホワイトボックスは最適化のロジックが分かりやすいという意味で、ブラックボックスは分からないという意味ですね。

松本:事前に根拠が分かりづらいこともあり、広告主に根拠を問われることも多かったです。ただ、我々は当時から透明性を重視し、明確にしていました。事前にどのような入札をするのかチェックできたので、広告主が納得した上でオンにするようにしていました。シミュレーションが出せたので、それも喜ばれていました。

淘汰された今

有園:私の知る限り、2005年ごろから2009年ぐらいの間に入札管理ツールがたくさん登場し、2013年のいまは、ある程度淘汰されたように思います。生き残っている入札管理ツールは、それぞれ特徴が際立っていますね。最近のイグニッションワンの動きを見ていると「もしかしたら入札管理ツールとは呼ばないでほしいのかな?」と思ったりするのですが、そのあたりはいかがですか?

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入札管理ツールと呼ばないで

松本:そのとおりですね。2011年にイグニッションワンとブランド名を変えて、もう一度市場にアピールしたのは、まさにその点です。「サーチ」と社名に入れているとおり 検索畑からスタートしてはいますが、サーチだけでは手狭になってきました。会社名としても実態を表していないのでは?という考えもありました。2009年頃には、イノベーションインタラクティブがネットマイニングというベルギーを拠点としたアクセス解析の技術をもちつつ、行動分析のスコアリング技術に長けた会社をグループ化しました。この会社は、ネットマイニングの技術を応用してサイトに訪問したユーザーの行動を分析し、興味のある商品や購入意向をスコア化する技術をもっており、サイト内を最適化できるようになりました。それを一時、平行して販売していました。

サイト内行動の最適化

有園:サイト内行動の最適化ですか?

松本:サイト内の行動を分析して、一番スコアが高まった最適なタイミングでインタラクションを仕掛けられるのが一番の売りです。あるスコアに達した特定のユーザーへのみクリエイティブを表示したり、LPを最適化したり、コンテンツを差し替えたり、CRMと連動してメール本文をカスタマイズしたり。そうした施策をおこなえるツールと二本柱で販売していました。

有園:ネットマイニングは、サイト内の行動を分析して、その履歴に基づいてスコアをクッキーにつけて、クリエイティブの出し分けができるんですね。旅行系サイトの場合「イタリア旅行に興味がある」というスコアを用意しておいて、そのスコアがたとえば200に達した人には動的にイタリア旅行のクリエイティブ、バナーなどが表示されたり、動的にサイトのコンテンツを差し替えたりできるということですね。

松本:ヨーロッパでは、自動車系メーカーにも導入していただいています。検討期間が長い、最終的にオフラインで購入に至るサービスなどと親和性が高いです。来店したときに使えるクーポンを掲示し、印刷して来店を促すなど、オフラインとの連係に強いツールです。その技術をいよいよ応用していこうということになりまして、サーチだけでなくネットマイニングの技術も統合し、リブランニングしました。

有園:イグニッションワンは、サーチイグナイトとネットマイニングを足したものと考えればいいですか?

松本:はいそうです。

有園:具体的には何ができるんですか?

イグニッションワンでできること

松本:サーチに関しては、ポイントソリューションと呼んでいる、サーチイグナイト時代に培ったものがあります。ポイントソリューションとは、特定のチャネルやジャンルにおいて専門性をもったツールという意味です。バナー広告の配信システムは、ディスプレイというチャネルがあり、2012年から広く出ているDSPのチャネル、ポイントソリューションとしてのDSPがあります。そして、サイト内の最適化というソリューションではネットマイニングがあります。それらのチャネルを横断的にまたいで、すべての機能を統合したもの、広告の統合管理プラットフォームと、スコアやアルゴリズムを使った最適化ツール、この2つが組み合わさったものがイグニッションワンです。

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DSP機能を搭載

有園:サーチイグナイト時代はディスプレイをやっておらず、2011年にネットマイニングがグループ化してイグニッションワンになったということですが、DSPの機能がイグニッションワンについたのはいつですか?

松本:本格的に稼働し始めたのは、2012年からです。

有園:その機能はネットマイニングでもっていた機能ではなく、DSPを開発して、イグニッションワンに組み込んだ。つまり、サーチイグナイト、ネットマイニング、DSP機能の3つがついたものをトータルでサービスしてくれるということですか?

松本:そうです。かつての技術はスコアにつかわれ、ディスプレイもユーザー単位でコンバージョンしやすい人に絞った形で買い付けできるのもDSPの中でも特徴的な機能だと思います。

ポイントソリューションとは?

有園:ポイントソリューションとスコアは同じことですか?

松本:ポイントソリューションはサーチの管理ツール、もしくはDSP単体で販売しているプラットフォームを指しています。

有園:サーチというポイント、DSPというポイント、という意味でしたか。あとは、サイト内行動分析のポイントということですね。それを御社でポイントソリューションと呼んでいて、スコアとは関係ないんですね。それぞれの3つのポイント、ソリューションを組み合わせているということですね。話しが変わりますが、行動履歴をもとにスコアをつけていくとは、具体的にどのようなことですか?

松本:スコアの技術のもとになっている、自動学習のアルゴリズムが裏で動いています。広くつかっている要素は3つあります。まずはページの遷移です。どのページをどのくらい見ているのか。それをネットマイニングの技術を使い、タグ経由で取得しています。滞在時間、ページの遷移の情報が把握できます。項目は100くらいあり、ブラウザの情報や流入経路も管理されています。訪問頻度と最後に来てからの経過時間も取り込んでいます。

有園:フリークエンシーとリーセンシーと呼ばれるものですね。一週間に何回きているか、頻度はどのくらいか、最近いつ訪問したかなどですね。

スコアとは?

松本:スコアの概念は、実店舗を例にサイト訪問を考えると分かりやすくなります。靴屋の場合、見るだけで買わない、冷やかしに来る人がいる一方で、何回も通って自分の足に合ったスニーカーを探している人、購入を検討する人がいます。気の利いた店員であれば「この前もきたな」と覚えておいて、お客様がスニーカーを手に取って数秒経ってから「サイズはいかがですか?」と声をかけるでしょう。適切なタイミングで声をかけ、適切な流れでクロージングまでもっていくのが優秀な販売員だと思います。それと似たようなロジックを、ECサイトなどでも取り入れるべきだと考えています。購入意向が高まっている方をスコア化し、スコアに応じて適切なアプローチをするという技術です。

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有園:それは、ネットマイニングの技術ですか?

松本:そうです。

有園:スコア化する際、DSPの反応も見ているのですか?バナー広告を配信して、反応が良くて、サイトでの行動も良いというような要素も入っているのですか?

松本:ユーザーに対して、どのくらい広告を表示したかという数字はもっています。反応せず、再訪までに時間がかかるケースは、再度訪問するときスコアは割り引かれ、スコアは下がった状態で取り直します。そうした意味では、スコアリングに加味されます。

有園:自然検索経由でバナー広告には反応していないなど、外部から流入してくる情報が加味されてスコアがつくわけですね。

松本:スコアはリアルタイムに変わります。昨日までは商品Aに興味をもっていたユーザーが、明日には別の商品に興味がうつっているケースもリアルタイムに対応できます。RTBの入札の場合は特に重要な部分なのでご好評いただいています。

スコアを使ってできること

有園:スコアを使って広告主にはどういうソリューションが提供されるのですか?サイト内が動的に変わる以外に何かありますか?

松本:さきほどのポップインでインタラクションを仕掛ける場合、オンサイト最適化と呼んでいるサービスがあります。もう一つは、DSPを使ったバナーのアドエクスチェンジ経由でユーザーが掲載面のページに訪れたとき、DSPを介してバナー広告を表示できます。これを「スマートリマーケティング」と呼んでいます。スコアを加味した精度の高いリターゲティングができます。

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リターゲティングの方法

有園:一般的にリターゲティングというと、サイト内に「イタリア旅行のページに来た人にリターゲティングします」「フランス旅行にきた人にリターゲティングします」とタグを入れますが、こうした設定をするんですか?

松本:はい。

有園:スコアが高いという条件が加味されて配信されるわけですね。スコアの高さでクリエイティブは調整できるんですか?スコアが100までの人には海外旅行という抽象的なクリエイティブを、200までの人はイタリア旅行という具体的なクリエイティブをというように。

松本:キャンペーンをそれぞれのシナリオに基づいて設計することで、実現できます。

有園:とてもよいですね。

松本:設計の自由度は高いです。ユーザーとスコアに応じて、シナリオ別に設計できます。DSPはゴールさえ入れれば後はお任せというソリューションも多いですが、我々はカスタマイズ可能な運用型の設計です。

有園:リターゲティングでDSPを設定する軸は、リターゲティングのタグを広告主のどのページにはるか、イタリア旅行に興味がある人のスコアが高いか低いか、それ以外は入札金額といった軸があると思いますが、この3つくらいですか。

松本:あとは再訪から何日経過しているかですね。再訪期間のターゲットです。昨日、来た人だけをターゲットにすることができます。時間帯別もできます。

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CRMとの連携

有園:さきほどCRMと連携する話がでましたが、ここ一か月で10万円以上購入している人のみをターゲットにすることもできるんですか?

松本:お客様がお持ちのデータベースと連携する必要がありますが、オンサイト用のクッキーIDと簡易IDを紐づけることで、ある程度できます。

有園:実施している広告主はいますか?

松本:カスタマイズが必要ですが、ワールドワイドではニーズがあります。

有園:日本国内では?

松本:そこまで大がかりな取り組みはまだありません。

有園:これから出てきそうですね。楽しみです。

松本:訪問した結果の情報はお持ちだと思いまが、どういう経路で購入に至ったかは見えてこない部分です。だから、コンバージョンを底上げする施策として、我々のサービスを使っていただけたらと思います。タグを入れるだけで、インタラクティブなアクションは自動的に学習していき、手離れがよくて楽です。ユーザーを想定する必要がありません。AとBとCというサイトを訪れ、何秒滞在した人を、どういうクラスターにするといった仮説でつくる必要がなく、そこは自動的に統計でならして考えていきます。一度いれてしまえば自動学習で最適なタイミングとスコアを導き出すので、あとはお任せで回していただければと思います。商品Aを買ったお客様が、二番目に興味があった商品Bの存在は、結果論としてなかなか見えてきません。でも、会員IDと紐づけると把握できるようになります。把握できれば、レコメンドで「商品Bをいかがですか?」とマーケティングできるようになります。

行動履歴に基づいて施策を変える

有園:いまの話だと、商品Aを買ったけれど、行動履歴を分析してみると、その過程で商品Bが二番目の候補であった可能性が分かるのと。商品Bを勧めれば買ってくれるかもしれないというわけですね。クロスセルを仕掛けるためにレコメンデーションをDSPでバナー広告を配信してもいいし、サイト内で何かしら動的にメッセージを出してもいいわけですね。

松本:いまの時点では、DSPをリアルタイムに反映することはできないのですが、データはもっています。二番目に興味のあった商品にカスタマイズしたメールを配信したり、画像に差し替えたポップインを出したりはできますね。

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有園:行動履歴に基づいてサイト内のコンテンツを差し替えられるし、バナー広告も対応できるということですね。サーチはどうですか?リスティング広告とか。

リスティング広告をスコアの技術で最適化

松本:リスティング広告でもスコアの技術を加味して最適化できるように進めています。現時点では、サイトを訪問したユーザーが、キーワードAを踏んで滞在していた場合、どのページをどのくらい滞在していたか、興味があった商品ジャンルがどれであったかを、キーワード単位で取得できます。それを見ながら、ビックキーワードで入られた方が、サイト内のどのページに最も興味をもっていたかが分かるので、それに応じてクリエイティブを変えるなどもできるようになります。ブランディングが目的の広告主に有効な指標だと思います。ブランド系のビックキーワードが実際にどこで一番滞在につながっているのかを把握することで、入札が適切であったかを判断できます。コンバージョンだけでなく、エンゲージメントの指標をもつことでリスティング広告の入札にも活かせるようになります。

有園:たとえば、トヨタ、ホンダ、日産、マツダといった自動車メーカーや、ソニー、パナソニックなどの家電メーカーだと、商品を個別に紹介するページを設けています。トヨタだと、お客様は「トヨタ」というキーワードを入れているし「トヨタ 自動車」と入れたり「プリウス」「カローラ」など車種名を入れたりすることもあるでしょう。それらのキーワードで入ってきたユーザーに対してランディングページが決められていますが、キーワードごとに滞在時間の長さや遷移ページ数の多さ、どのキーワードで入ってきたときに、どのページをよく見ているのかが分かるので、その情報を使って入札や広告のクリエイティブを修正することに反映できるというわけですね。

松本:いかがですか?

有園:けっこう良いですね。

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松本:ヨーロッパの事例では、ブランド系企業がサイトで情報提供してオフラインに誘導する設計で、エンゲージメントを見て効果を発揮しました。いままで見えていなかったインサイトを発見できるのが大きいです。

デジタルマーケティングスイートとは?

有園:御社もデジタルマーケティングスイートという言葉をつかっていますが、ネットマイニング、サーチイグナイト、DSPの機能をまとめて、デジタルマーケティングスイートといっているのでしょうか?

松本:バーティカルな機能を単体で使うことはもったいないので、すべてのチャネルの管理を一つのプラットフォームですることで、同じモノサシで評価すべきだろうという発想があります。アトリビューションでも重要なキーですが、アトリビューションを加味して最終的に適切な評価をするための、統合管理プラットフォームに位置付けています。そのなかで、デジタルマーケティングスイートはしっくりくるネーミングです。2011年以降は管理画面の中にもデジタルマーケティングスイートという言葉が出てきますし、デジタルマーケティングスイート.comというドメインもイグニッションワンがもって情報サイトを運営しています。

有園:御社の考え方だと、デジタルマーケティングスイートを実現するには効果測定が中心にあるのでしょうか?

松本:そのとおりです。

アトリビューション分析もできる

有園:イグニッションワンの中でアトリビューション分析結果がレポートとして出てくるのでしょうか?

松本:柔軟に設定可能です。ラストクリック評価ではなくファーストクリック寄りの評価が正しいのか、均等配分のモデルが正しいのか、評価をどのような軸で持つかを決めていただき、それに合せて各チャネルの効果測定も自動的に反映されます。求めていく各チャネル間の予算配分も、チャネルの貢献度を評価した上で決めて、バーティカルで回すべきところの最適化、それぞれアトリビューションを加味された最適化を、恒常的にかけてゴールを達成するのが我々の目指すところです。

有園:イグニッションワンを使うと、サーチ、自然検索やリスティング広告がとれて、ディスプレイもDSPという形でとれて、サイト内の行動履歴がスコア化されて、アトリビューションのモデルも選べて、それらを加味したレポートが出てきて、なおかつ設定さえしていればアトリビューション分析結果がリスティング広告の入札価格やクリエイティブに自動的に反映されるという理解でよいですか?

松本:データとしてはすべてそろいますが、レポートは管理画面上で細かい部分までは見られません。近々レポート画面の刷新を予定していますが、まずはカスタムレポートとしてお出しすることになります。その中でレコメンデーションとして全チャネルの可視化、貢献度の分析、最適なモデルをレコメンドし、アドバイスさせていただきます。

有園:ある程度の期間に基づいてアトリビューション分析し、予算のリアロケーションするレコメンドはするけれど、実施するかの判断や設定は広告主や代理店がするわけですね。リアルタイムに自動で設定の変更が行われるわけではないということですね。

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松本:レコメンド後の実施は簡単にできます。

有園:勝手に変えられたら困る代理店も多いでしょうしね。御社以外のDSPデータもとれるんですか?

DFA、メディアマインドと連携

松本:DFA、メディアマインドと連携が実装済みです。第三者配信のアドサーバーを介してデータの取り組みは可能です。

有園:アフィリエイトや純広告も第三者配信経由でとれるわけですね。

松本:ポストクリック計測が主流ではありますが、第三者配信が可能な場合は、ビュースルー計測も可能です。

有園:第三者配信に対応しているバナーであればビュースルーのトラッキングもできるし、ヤフーのブランドパネルなどもクリックトラッキングで取得できる。メールも、HTML形式メールであればトラッキングできるということですね。

松本:テキスト形式メールでもリンクを入れていただければ取得できます。

フェイスブック広告も計測できる

有園:開封を計りたいときはHTML形式メールでしたね。イグニッションワンを入れると、オンラインのマーケティング施策については、タグがはれる限り計測できるわけですね。フェイスブック広告はどうですか?

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松本:できます。計測用リンクをいれればフェイスブック経由の導線も計測できます。

有園:計測用リンクは広告ではないフェイスブックのニュースフィードにも入れられるのですか?

松本:広告の一貫としてのフィードであればサポートしています。イグニッションワンからAPI経由で計測できます。さきほどのメルマガのような感覚ではっていただき外部に飛ばすときは計測できます。

計測できないもの

有園:計測できないものはありますか?

松本:スマートフォンのアプリです。

有園:御社のDSPはスマートフォンでも対応しているのですか?

松本:課題があり未対応です。

マーケットの様子

有園:御社から見た競合はどこですか?

松本:サーチはマリーン、ソーシャル領域でも展開されているKenshoo、デジタルマーケティングスイートだとアドビなどが方向性の似ているプレイヤーだと思います。

有園:日本での営業状況はどうですか?

松本:サーチはもちろんのこと、ディスプレイの部分が伸びています。直接の問い合わせも多いです。

有園:利用している広告主やアカウント数はどのくらいですか?

松本:現状200前後くらいです。

有園:資本関係のお話にも関連して、先日のMBOによって電通グループの100%子会社から離れられたわけですが、日本の広告代理店の人や業界の人たちは、イグニッションワンは電通しか取り扱えないようなイメージがありましたが、直接取引もできるんですね?

電通しか取り扱えない?

松本:電通・関連グループの皆さんとは引き続き良好なパートナー関係を築いていく方向に変わりはありませんが、MBO実施の背景には中立なポジションで広くサービス展開をしていきたいという思いが原動力になっているところがありますので、直接取引はもちろん、今までお取引のなかった代理店様とも積極的にお付き合いしていきたいと考えています。

有園:電通以外の広告代理店とも取引できるんですか?

松本:できます。そこは柔軟です。

有園:最後に伺います。イグニッションワンの開発の方向性やロードマップはいかがですか?

ディスプレイ版のポートフォリオ最適化

松本:バーティカルな話ですと、各分野の機能開発は1年先まで予定が埋まっています。DSPの配信、買い付けに関する「ディスプレイ版のポートフォリオ最適化機能」の実装を急いでいます。数か月以内に実現する予定です。ダイナミッククリエイティブにも力を入れていて、既に国内でも提供を開始しています。同時にユーザーの興味関心の高い商品を動的に表示する「レコメンダー」の機能もブラッシュアップをかけています。

有園:なるほど。

サーチとディスプレイを一緒に最適化

松本:あとは、今後、サーチとディスプレイの予算配分をできるかぎりオートパイロットというか、モデリングが終わって出てきた結果に対して、最適なお題を自動的に回す、サーチとディスプレイの配分も包括した最適化がおこなえる。このような状況に、現状サーチは出来ているんですが、ここにディスプレイが乗っかって、最終的にはサーチとディスプレイが一緒の最適化できるようにしたいですね。お題を一個入れればすべてが回るような。それが現状のゴールですね。

有園:いまの話を分かりやすく言うと、「お題」というのはCPAを1000円以下で回すとかそういうものですか?

松本:もしくは、投下する予算を入れて、それに対するリターンがどれだけ入ってくるかとうところの、目標値を設定するということです。

有園:そのとき普通、1000万円予算があったら500万円をリスティング広告、500万円をDSPというみたいに設定を人間がやって、その範囲で動いていくわけです。しかし、リスティング広告とDSPを統合した目標を設定し、1000万円という予算の中で効果が高ければDSPの予算が700万円になって、リスティング広告が300万円になるみたいなことを、リアルタイムに自動でやってくれるわけですか?

松本:そうです。

有園:裏でアトリビューション分析が回るのですか?

松本:そのとおりですね。現状、それに近いことを裏側でやっていますが、インターフェース側に反映させていくのがゴールの一つです。

分析から実行までを自動化

有園:データを一か月とか取得して、モデルを決めて、御社側で分析した結果、推奨モデルを導き出してくれて、そのモデルからリアロケーションしてレコメンデーションするという話が出ましたが、レコメンデーションを実行に移すということを自動でやろうとしているという理解でよろしいですか?

松本:はい。そこは理想形としてあります。

有園:今年中には実装してくるのでしょうか?

松本:今年中には頑張りたいですね。年内の大きいところとしては、管理画面の予算進捗のアラート機能の強化はもちろんしますし、アトリビューションのパスのレポートですとか、ビジュアルとして管理画面上で確認できるようにします。

有園:アトリビューションのパスのレポートというのは、コンバージョン経路のレポートということですね?

松本:はい。そのとおりです。

有園:ある程度、パターン化して見やすくしていくわけですね。それ、難しいんですよね。

松本:どうですか?

有園:御社くらい技術があればできると思います。

松本:いろいろな組み合わせのパターンがあって、それをある程度グループ化して、例えばディスプレイが前半強い傾向にあるとかを視覚化できるようにしたいですね。

動画の対応

有園:ちなみに、動画の対応はどうですか?

松本:動画のDSPの話もありまして、いま検証中ではありますが、進化も早い分野なので対応予定です。あとは在庫との兼ね合いで、どのくらい立ち上がってくるかが決まりますね。

有園:在庫というのは、動画の在庫のことですか?

松本:そうです。

有園:オーディエンスやリターゲティングのロジックで、動画が配信できるようになると効果が高そうですね。

松本:はい。

データマネージメントプラットフォーム

有園:今年のトレンドである、データマネージメントプラットフォームについても伺います。御社はCRMデータと連携できるそうですが、それってちょっとしたプライベートDMPに近い形になってくると思います。サイト内の動線がとれていて、そのクッキーIDと会員IDを紐づけて、CRMと連携するのが一つのプライベートDMPの形です。そうすると、御社のDSPの買い付けはBlueKai(ブルーカイ)などとも連携しているのですか?

松本:ケースとしては試しています。プライベートDMPにも注目していまして、方向性としてはそちらにも動いています。重要なのはファーストパーティデータ、サイト内のデータ、もしくはサイトですでにとられている会員のデータを、さらに活用しようとすることです。サードパーティのデータはボリュームがあるので、それをマージすることによってターゲティングの範囲が広がると思います。でも、それに対して入札のロジックをどう紐づけるかが課題になってきます。サイト内で取得したデータをブラッシュアップして、それに紐づけて、お客様が持っているデータを、まずは活用できるようにするのが先かなと思っています。「第三者のデータを連携しないの?」と聞かれることがありますが、まずはファーストパーティの部分でもっとできることがあると考えています。あとは、入札のロジックはブラッシュしやすいところなので、そこを研ぎ澄ましていくことがファーストステップかなと感じています。

有園:そうはいっても、DMPを日本で導入している企業はほとんどないですからね。いわゆる、第三者のサードパーティとしてのデータとかいう意味では、まだこれからということですね。

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松本:ディスプレイも盛り上がってきていますし、リスティング広告とディスプレイがようやく同じくらいの予算規模で取り組まれるようになりました。両輪で回して最適化をおこなえる時代にきているので、我々もビジネスチャンスだと思っています。機能も営業も強化します。アドテク大好きで新しいうねりの中に飛び込んでチャレンジしたい仲間を募集しています。

アドテク大好きでチャレンジしたい仲間を募集中

有園:絶賛採用中ですね。いまは何名くらい、いらっしゃるのですか?

松本:6名です。

有園:何名くらいにしたいのですか?

松本:ビジネスが盛り上がっていけば、倍にはしたいですね。

有園:けっこう売れているので人が足りなくなってきたわけですね。良いことですね。今後も御社の動向に注目しています。ありがとうございました。

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(END)

【イグニッションワンジャパンの概要資料ダウンロード】
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【アトリくんの視点】統合管理プラットフォームは、統合環境であるがゆえのメリットを活かしつつ、統合環境をさらに拡大するスピードを担保するために、内部で実装する機能部分と、外部ツールやデータとの連携部分の絶妙なバランスが重要だと思いますが、イグニッションワンはとてもいいバランスで進化している印象です。統合管理プラットフォームの最大の強みの一つは測定環境の一元化であるわけで、アトリビューションによる可視化も大きな部分ですね。定点観測しつつ、高速にPDCAを回して運用するユーザー企業の出現も先の話ではなさそうですね。松本さん、ありがとうございました!

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