アトリビューション分析

アトリビューション分析

用語: アトリビューション分析
英語: attribution analysis

直接的にコンバージョン等の成果に繋がった流入元や広告だけではなく、コンバージョンパスデータに含まれるタッチポイントを分析し、それぞれへ貢献度を割り振る取り組みのこと。アトリビューション・マネジメントを行う上での根拠となるデータを導き出すための一連の分析作業のこと。

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参考URL:http://www.attribution.jp/000220.html

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アトリビューション・マネジメント

用語: アトリビューション・マネジメント
英語: attribution management

アトリビューション分析を行った結果、各チャネルやキャンペーン、広告などの貢献度に応じて予算配分の変更やポートフォリオの組み替えを行うこと。アトリビューションの実践のこと。

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参考URL:
http://www.attribution.jp/000242.html
http://www.attribution.jp/000225.html

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アトリビューション・スコア

用語: アトリビューション・スコア
英語: attribution score

コンバージョンパスデータに含まれる各タッチポイントごとのコンバージョンへの貢献度を点数化(スコアリング)したもの。アトリビューション分析を行う上で、貢献度を可視化するために必要な要素。

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関連語:アトリビューションCPA
参考URL:http://www.attribution.jp/000241-2.html

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アトリビューション特別対談:アトリビューション分析にはベイジアンネットワークが最適だ!ALBERT上村崇様・安達章浩様×アタラ有園

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有園:今回は、株式会社ALBERTの代表取締役社長である上村崇さんと、執行役員でありデータ分析部部長の安達章浩さんを迎え、アトリビューションとDMPについて伺います。

上村崇さんの経歴

上村:ALBERTは2005年7月に設立しました。前身は、代表取締役会長の山川義介が2000年に創業したインタースコープという、マーケティングリサーチやデータマイニングを手がけていた会社です。私はそこで2001年から学生インターンとして、データマイニングやマーケティングレポートの作成、テキストマイニングシステムの開発などをしていました。

有園:そうだったんですね。

上村:当時は、データを集計・分析したレポートのパワーポイントが納品物でした。しかし当時から、レポーティングに留まらず、分析技術を活用したマーケティングソリューションを提供することで、クライアントの企業価値を直接的に向上するビジネスができるのではないかという思いがあり、2005年にインタースコープからも出資を受け設立したのが、ALBERTです。創業当初は、レコメンデーションの専門企業という事業コンセプトで、レコメンドエンジンを搭載したメディア運営とレコメンドエンジンの提供を、主たる事業としていました。

有園:最初から山川さんが会長で、上村さんが社長だったんですか?

上村:はい。当時、山川はインタースコープとALBERTの会長を兼務していましたので。

有園:2005年にALBERTを創業されたとき、上村さんはおいくつでしたか?

上村:25歳です。

有園:創業当初の従業員は何名でしたか?

上村:3人です。創業後1ヶ月くらいは、インタースコープのオフィスを間借りしていました。

有園:今は何名ですか?

上村:50名くらいです。

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムとの関係

有園:デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社とは、どのような関係になるのですか?

上村:デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムとは、2011年に資本業務提携を締結しました。これまで、弊社はCRM領域を得意としてきましたが、ビッグデータを扱う以上はアド領域の最適化エンジンも取り組む必要があると考え、実は一度もお会いしたことがなかったのですが、同社CTOの徳久さんにツイッターで話しかけたんですよ。

有園:ツイッターで?

上村:日曜日の午前中って、タイムラインが静かになるんです。そのタイミングで話しかければ目に留まるのではないかと思って(笑)「うちの最適化ソリューションで、アド領域でこういうことがやりたいんです」って話しかけたのがきっかけです。

有園:上村さんは、結構したたかなんですね(笑)

上村:いやいや、したたかって(笑)

有園:仕掛けたわけですね。

上村:(笑)

有園:御社を知ったのは、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムさんのリリースで「どこか分析の会社と提携したんだな」と思ったのが2011年でした。ALBERT、山川さん、上村さんという名前をリリースで目にして以来「何をやっているんだろう」と注目していました。御社は2011年以降、CRM領域から広告領域まで手掛けるようになったわけですが、現在、アトリビューション分析はオフラインと呼ばれるマス広告まで入ってきていますか?

上村:ほとんどの場合、マス広告まで含めて分析しています。ずっとCRM領域の、今で言うところのデータマネジメント領域をやってきました。大量データを解析して、マルチチャネルにおけるパーソナライゼーションを実現する、システムの提供をビジネスにしてきました。さらに2009年には、アフィリエイト領域でレコメンデーションバナーをパーソナライズドして出す「アフィレコ」というサービスを開始しました。

いまでこそ、リターゲティングレコメンデーションバナーのCriteo(クリテオ)さんが参入されてメジャーな考え方になっていますが、当時はまだ、そのようなサービスはありませんでした。サービスを始めた直後から「アフィレコ」は、通常のバナーに比べるとクリック率が5倍から10倍出ていました。リターゲティングした上でのレコメンデーションバナーは効果が高いことに気付き、広く世に出すために、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムさんに声をかけたという経緯です。

「ADreco」と「アフィレコ」の違い

有園:そうでしたか。御社には「ADreco」というサービスもありますが、それと「アフィレコ」の違いを教えてください。

上村:「アフィレコ」スタート当時のビジネスモデルは、アフィリエイトだったので「アフィレコ」でしたが、CPMまたはCPC課金へのモデル転換で「ADreco」になりました。アフィリエイトはメディアに大量に貼ってもらえないと収益化が難しいので、今はモデルチェンジして「ADreco」を提供しています。

有園:「ADreco」は御社のレコメンド型DSPでしょうか?

上村:配信面も自動最適化する仕組みであるため、レコメンドバナー専用のDSPと呼んでいます。「ADreco」にしてもプライベートDMPにしても、最近「ビッグデータ」がトレンドワードになったことで、急にスポットライトを浴びるようになりました。現在のメインビジネスとしては、CRMと広告の両方の領域を含めたプライベート・DMPとして「smarticA!DMP」を展開しています。

smarticA!DMP

有園:事業の柱は「smarticA!DMP」領域と他にはありますか?

上村:弊社のたいていのビジネスが「smarticA!DMP」領域に入っていて、データマイニングエンジンだったりキャンペーンマネジメントシステムであったり、広告配信の最適化だったりします。付随して安達の部署は、各ソリューションを提供するにあたり、あるいは分析単体で依頼をいただき、クライアントのデータを預かって分析する専門の部署です。

有園:「smarticA!DMP」の各ソリューションで分析が必要なので、分析業務が発生し、広告の最適化でアトリビューションの業務が発生しているわけですね。

上村:そうです。

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ベイジアンネットワークとは?

有園:会社概要をおおむね理解したところで、アトリビューションの話を伺います。ALBERTさんでは主にベイジアンネットワークを使って分析しているそうですが、私自身はグーグルに勤めていた頃から「ベイジアン」という言葉を耳にしていました。「グーグルの検索エンジンは最適化の部分でベイジアンが走っているらしい」とか、いろいろなところで「ベイジアン」という名前は聞くものの、アトリビューションに関してベイジアンネットワークのどんなところが良いのか、実はよく分かっていません。対談という名を借りて勉強させていただこうと思ってやってきました(笑)

安達章浩さんの経歴

安達:私がALBERTに参加したのは、2013年2月です。前職では20年以上、分析業務の会社を経営していました。主に広告代理店がクライアントで、分析業務を委託されていました。広告の分析業務だけでなく、ERPが流行っていた時代は全社的なリソース配分の分析業務なども行なっていました。その前は、日本国内のコンサルティングファームに勤めていました。そこはIBMと近い関係にあったのですが、当時のIBMは、汎用機と言われる巨大コンピュータの製造・販売が主流でした。

有園:メインフレームと呼ばれる、企業の基幹業務などに利用される、大規模なコンピュータのことですね。

安達:例えば3090とか。

有園:COBOL(コボル)やFORTRAN(フォートラン)とか。

安達:そこのリソースをクライントに使ってもらうために、汎用機で動かす統計解析パッケージが米国のIBMで開発されました。SASの前身ともいうべき言語で、ASという統計解析パッケージです。CPUをたくさん食うので、たくさん3090が売れるのではないかというIBMの戦略があり、このパッケージをIBMと共同で販売していたのですが、その際「ASという仕組みを使うと、こういう分析ができますよ」とクライアントに提案するための分析業務を請け負うという、特殊なコンサルティングをやっていました。そこに6年以上在籍しましたが、その前は日産自動車のマーケティング担当として、商品開発をしていました。主にスカイラインを担当していました。

有園:日産自動車が、新卒で入った会社ということですか?

安達:そうです。

有園:そこでマーケティングと商品開発、しかもスカイラインって、メインどころですね。

安達:市場調査をして、次期型の仕様や価格を決めるといったことを6年くらいやっていました。統計解析などに日産自動車勤務時代から関わり、コンサルティング会社では、統計解析パッケージを売りつつバージョンアップといったことにも携わった後に独立し、長らく広告業務の分析などをやっていました。「そろそろ仕事を辞めようかな」と思っていたときにALBERTを知り「面白そうな会社だな」と思って参画するに至りました。

有園:重厚な経歴ですね。マーケティング寄りの分析畑で、長く活躍されてきたわけですね。30年以上になりますか?

安達:そのくらいになりますね。

有園:新卒で入った頃は、日産自動車といえども一人に一台パソコンがない時代ですよね?

安達:部署に一台でした。

有園:おそらく、その後のコンサルティング会社の時代も、クライアント-サーバ型のマシンで分析していて、サーバから分析結果の返事が戻ってくるのに……。

安達:一昼夜かかった時代ですね。

有園:そのような状態だから、分析にもすごく時間がかかったと思います。僕も大学院で、IBMの統計解析ソフトウェアのSPSSとかをかじっていました。クライアントマシーンにSPSSを入れていて、パチッとやるとガーッと回っていましたが、それでもすごい時間がかかっていました。

安達:SPSSの日本国内での初利用者は、勤めていたコンサルティング会社でした。

共分散構造分析、構造方程式モデリング、ベイジアンネットワーク

有園:本日は、統計解析の歴史とともにいろいろ伺っておりますが、オフライン、オンラインとアトリビューション分析をするなかで、オフラインの分析では主に、共分散構造分析(covariance structural analysis)や構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling、通称SEM)というものを使って構造の分析をするわけですが、ベイジアンネットワークとは何が違うのでしょうか?

安達:仰るようにマス広告の分析をする場合は、もちろんSEM(構造方程式モデリング)を使ったりもします。必ずしもどれかの手法が最適ということではなく、案件によって使い分けています。さらにALBERTには、独自に開発した状態空間モデルのようなものがあり、それを使うことのほうが多いです。クライアントにとって、そちらのほうが分かりやすいので。のちほど詳しく説明しますね。

有園:お願いします。

安達:話を戻します。ベイジアンネットワークを導入した経緯は、ALBERTに入ったときに上村から「これをやりたいんです」と1枚の企画書を見せられまして。そこには4大マス広告が書いてありました。さらにリスティング広告があり、DSPがあり、そこから何らかのブラックボックスを通ってコンバージョンしている。「このブラックボックスの中身を解明する手法を、すぐに開発してほしい」といきなりオーダーをもらいました。

有園:なるほど。

安達:方法論として、一つは重回帰分析があります。マス広告を含め、全ての広告を全部パラレルに評価する、構造ではなく足し算で評価していく方法です。もう一つはSEM(構造方程式モデリング)です。SEMは、重回帰分析の発展形であるという考えがあります。ただ、SEMは、自分である程度、構造を特定しなければならない。これは、分析者のノウハウにかかる部分が非常に大きいわけです。さらに、広告のことをよく知っていたり、広告を出している企業の業種業態にも詳しかったりする必要もあります。つまり「この業界では、こういう風にモノやサービスが売れている」ということをよく理解している人であれば、その構造を作ることができるのですが、全ての業種に精通できるわけではない。

そこで、SEMを使うのは厳しいと思い、人のノウハウに頼らずに解析できる方法があれば、クライアントにとってもメリットがあると考えて、マルコフモデルかベイジアンネットワークを使うことを考えました。有園さんが執筆されたアトリビューション本を拝読し、アトリビューションスコアの付け方を勉強させていただきましたよ。

有園:原始的な(笑)

安達:いえいえ。有園さんの提唱されるモデル、つまり、均等配分モデルは、ある意味非常に優れています。ファーストとラストを重視するとか、U字型に評価するとか、均等に評価するとかありますが、最終的には、均等配分モデルに落ち着くんだと思います。あるいは、U字型ですね。

有園:最終的にはですね。

マルコフモデルとは?

安達:マルコフモデルを研究したときに思ったのは、最終的には均等配分モデルにどうしても近づくという結論でした。マルコフモデルは、パスを全部切り出して、パスに出てくるアトリビューションポイントを全部足しあげて、頻度計算をして確率に落とすというものです。そこに人間の思いを入れない限り、全部同じウェイトで計算されます。そうなると、最終的に収束するのは均等配分モデルかU字型に近い。

有園:U字型なんだ。

安達:ラストのクリックが若干ウェイトは高く、真ん中が落ちていくパターンに最近は落ち着くことが多く、だったら最初から均等配分モデルでやればよいではないかということになるわけです。

有園:私が「均等配分モデルでやればよい」と書いていますからね(笑)あんまり悩む必要はないよと。

安達:有園さんが仰っている均等配分モデルが良いというのは、パスに全部均等にウェイトをかける点だと思います。人によってパスの長さが違うので、2回でコンバージョンした人には2回のタッチポイントに、合計1だとしたら0.5ずつ割り当てて高く評価する。5回でコンバージョンした人には0.2ずつ割り当てる。これは合理的な考え方ですね。

有園:私が考えたわけではないんですけどね(笑)

安達:アメリカの方では、そのように考えられていたんでしょうか(笑)なので、マルコフで面倒くさい分析をしなくても、均等配分でやるという手もあります。

有園:一般のマーケターがマルコフとかはできないので、そういう人たちがやるレベルであれば十分だろうという発想です。

安達:こういう研究を経て、より良いモデルはないかということで、ベイジアンネットワークでいこうと思ったのです。過去に、ベイジアンネットワークを使って、意思決定の構造がどうなっているかを考えたことがあります。ある会社が役員会で、今後の経営戦略上、何を最大のポイントにするかをまとめることになり、人それぞれ意見が違うし、時間を経るごとに構造は変わっていくので、これを上手く分析して欲しいという依頼がありました。そこで、経営課題として挙げていることを取締役全員にアンケートをとって、それぞれに点数をつけ、その行列を作っていただいたんです。

有園:よく、コンサルティングファームがやることですね(笑)

安達:そうです(笑)それを単純集計しただけでは面白くないので、1回目は「みなさんの考え方はこうでした」と構造図にして、何か月かアクションプランを試し、その後どうなったかを見てみましょうということになりました。

有園:まず、役員にアンケートをとって、そのときに何の要素が何に影響を与えているか、それぞれ10個ぐらい挙げて点数をつけてもらったわけですね。

安達:そうです。関係性に点数をつけてもらいました。

有園:「営業の数が足りないのではないか」、そうではなく「営業は知識が足りないんだ」、あるいは「商品がマーケットにあってない」といったポイントですね。

安達:「宣伝広告費が足りない」とか「研究開発費が足りない」とか。

有園:例えば、10人の役員が出してきたスコアに応じて構造化していく。

安達:それぞれの関係を得点化していきます。広告宣伝費が足りないことが、どこに影響を及ぼすのか。マス目が縦と横に同じ課題を並べておいて、ここからここにどういう影響を与えているのかを得点化します。

事前確率、事後確率

有園:ここは僕も勉強が足りないところですが、その時点で、そのアンケートをもとに、構造化したものの出てくるスコアを事前確率って呼んでいますよね?

安達:はい。

有園:そのあと何かしらアクションがあって、営業の人数を増やすとか、そのあとに同じアンケートをとって変わったかどうかをスコアで図る。それを事後確率と呼んでいますよね。

安達:はい、そうです。そうすると、事後確率に至るまでのアクションが、どこでどれだけ効いたかを数量化できます。「あなたの会社では、ここをいじると、こういう風に結果が変わります」という予測モデルができます。これによって、どこにウェイトを置くべきかという最適配分ができるようになります。この考え方は、広告にも適用できます。さきほどの経営課題は、広告で言えば各媒体、もっと細かく言えば各クリエイティブに相当します。

有園:そういう意味では、変数と言ってもよいんでしょうか?経営課題の要素が全部変数だし、それは広告のクリエイティブだったり投下量だったり媒体だったりという変数に値する。

安達:同じように考えれば、広告においても、人間の目では見えないブラックボックスになっている部分が、構造として見えてきます。相互間の影響まで解析できるのであれば、そのウェイトに応じてアトリビューションすることができるということです。数社とテストトライアル的な取り組みを行なってみたところ、ベイジアンネットワークで綺麗に分析できることが分かりました。

有園:見えてきたわけですね。

安達:そこで商品化しようということになって始めたのが弊社のアトリビューション分析です。

有園:そうすると、安達さんが入社されたのは2013年の2月ですから、2013年からの取り組みなんですね。

ALBERTのアトリビューション分析サービス

上村:アトリビューションに応用して商品化したのは2013年からです。リリースを発表したのが2013年6月ですね。

2013年6月25日
ベイジアンネットワークを用いたアトリビューション分析サービス開始
~アトリビューションスコアを数理モデルで定量化、
広告予算の最適配分も把握可能~
http://www.albert2005.co.jp/release/archives/201306/25_110018.html

ベイジアンネットワークは、「構造が分からないものの構造を明らかにしよう」というトライなので、そこが非常に良いと思っています。もちろん世の中にはいろいろな手法がありますが、例えば、ボルツマンウェイトを使って物理法則に準じるとか、金融工学でもブラック-ショールズとかがあります。

有園:ノーベル経済学賞をとったブラック-ショールズですね。

上村:あれも、金融の動きが物理運動と同じである、幾何ブラウン運動と同じ動きをするはずだという仮説によるものです。

有園:はい。

上村:自然物理の中で起こる現象が、金融にも広告にも当てはまるといったアプローチが、これまであったと思うのですが、実はそうではなくて、そもそも構造が分からないものは構造を明らかにした上で、その構造間の確率をはかるというアプローチのほうが、外れは少ないと考えています。もし、ターゲットがその運動と同じ行動をとっていなかったら大きく外れてしまうけれど、構造自体を探りに行くのがベイジアンネットワークなので、そこが弊社のポリシーというか方針にマッチしている手法だなと思うんです。

ロング・ターム・キャピタル・マネジメントの破綻

有園:なるほど。ちょっと余談ですが、ブラック-ショールズは、ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(Long Term Capital Management)という会社をつくって、1990年代後半に破綻したじゃないですか。

安達:それは、モデルのせいだと我々は読んでいますが(笑)

有園:そうですか(笑)それでいうと、ある意味、当たらなかったわけですよね。ノーベル経済学賞をとったものの、マーケットの動きは読めなかった。そこが読めていたら儲かっていたと思いますが、最後は破綻してしまった。

上村:幾何ブラウン運動という運動法則と、金融の動きは同じではなかったということですね。

有園:まぁそういうことですね(笑)

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ベイジアンネットワークだったらブラックマンデーは避けられた?

上村:当時いろいろ批判や擁護もあったそうですが、そこをベイジアンネットワークでやっていたら、ブラックマンデーは避けられたのではないかという説もあります。

有園:あるんですか?

上村:あります。避けられたとは明言できないかもしれませんが、ベイジアンネットワークであれば、少なくとも金融マーケットは冷静に株価の動きを見ていただろうという学者さんもいます。

有園:それは知りませんでした。面白いですね。リーマンショック以降、金融業界のエンジニアが広告業界に入ってきて、DSPをやったり仕組みを作ったりしてきました。金融と広告の取引市場の類似性とかもあると思っているので、いまの話は僕の中でヒットしています。もともと、リスティング広告の入札制も株価の入札と変わらないんじゃないかと実は思っていて、類似性を強く感じています。その中で、ベイジアンネットワークだったら、ロング・ターム・キャピタル・マネジメントも破綻しなかったのではないかということですね。

上村:例えば、統計学で著名な元東大教授(その後上智、現聖学院大学大学院教授)の松原望先生が、まさに「ロング・ターム・キャピタル・マネジメント破綻」(http://www.qmss.jp/prob/finance/6-ltcm.htm)というテーマで、そのように書かれていらっしゃいます。金融の動きは物理行動とマッチしなかった。構造自体を探りにいくベイジアンネットワークだったら、結果は違っていたのではないかと言われています。

ベイジアンネットワークって何?

有園:ベイジアンネットワークの理解を深めたいのですが、因果関係の構造を知らなくても使えるという点で、ベイジアンネットワークが優れているとのことですが、今の広告分析では、最初に誰かが数字を与えなければなりませんよね?

安達:ベイジアンネットワークは、2種類に大きく分かれます。動的なベイジアンネットワーク、つまり機械学習的なモデルのベイジアンネットワークと、現状の構造を解析させる静的なベイジアンネットワークです。今はどちらかというと「広告をこういう風に出しました」という結果系データをいただき、その中の構造を解析していく静的なベイジアンネットワークです。当然、今後は動的なものも考えています。スタティックな分析では、現状あるデータそのものから構造をダイレクトに書きだすことができます。

有園:いわゆる、確率推論というものですか?

安達:イメージとしては。

有園:例えば、AからBまたはCに行きますという話で、100人いて、AからBに行った人が50人いた場合、そこに2分の1の確率が入ってくるということですか?

安達:2分の1という確率は用いず、情報量規準に基づいて、その関係性を決めているのが特徴です。普通は、AからBに50人行くと2分の1と格付けしますが、情報量規準は、単純に確率を割り振るわけではありません。AとBの起こりやすさは、本当に他のものに対して優位なのかというところを規準にしています。純粋に確率ではなく、他のものも同じように起こるけれど、その中でこの関係は特別なものなのかを計る。

有園:それって、サイコロを振ったら1の目が出る確率は6分の1ですよね。大数の法則で、200回くらい振れば6分の1に限りなく近づくという話があります。10回振ってみたら、1が5回出たとします。もしかすると、このサイコロは1が出やすいのではないか、1が出る確率は6分の1より高いのではないかと考える発想だと思いますが、AからBへの行きやすさを、100人だったら単純に50人ずつにするのではないとしたら、行きやすさみたいなものを何で判断するんですか?

情報量規準はログを使う

安達:情報量規準はログを使います。

有園:何のログですか?

安達:数学でいうロガリズムです。従いまして、線形の関係ではありません。非線形の関係です。あるところで急激に落ちて漸近線に近づくというモデルです。例えば、ここの間は非常に有意で、こっちに行くと有意ではないという判定の仕方をします。線形に物がつながっていると仮定するのではなく、非線形でかつ複雑な形につながっていると仮定します。

図1. 情報量の価値変化イメージ

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起こりやすいものにはペナルティをつけます。起こりにくいものが起こっているかを判定する。100人中98人がするようなことよりは、100人中1人がしていることの方が非常に価値のあることだと判断します。

有園:現時点では、オンラインのコンバージョンパスデータの話となると、第三者配信エンジンのi-EffectやMediaMind(メディアマインド)などから経路のデータを持ってきて、その経路と媒体費といったデータで分析していくのでしょうか?

安達:CPAを出すことは最後に行ないます。ベイジアンネットワークはそのためのスコアを出すためのものです。

有園:経路のデータ上で、このような考え方を使ってやっていると思って間違いありませんか?

安達:これは、有園さんが仰っているアトリビューションスコアの決め方と同じだと思います。

図2.アトリビューション分析におけるベイジアンネットワーク

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ベイジアンネットワークでウェイトを出した上で全体の数値として用いて、それぞれに値を割り振り、最終的にアトリビューションスコアを出しています。

有園:腑に落ちました。

安達:ここに均等モデルとの違いがあります。ある人は「絶対にファーストクリックが有効だ」と言い、ある人は「絶対にラストクリックでしょう」と言うこともあり、意見もぶつかってしまうので、スコアを数理的に決めるために使っています。

有園:ベイジアンネットワークを使ってアトリビューションスコアを付与していく、算出していく際に、複数のモデルを試すという発想はありますか?

データの切り方は何度もトライアル

安達:そうですね。データの切り方は何度もトライアルします。

有園:データの切り方とは?

安達:例えば、コンバージョンに時間が影響を与えていることがあります。インプレッションが、何日前に出ているかを一つの変数にすると、この何日前をどういう切り方にするかということです。

有園:データの変数としての持たせ方というか、そういう意味での切り方ですね。

安達:そうです。ある企業では、時間よりは回数、つまりバナー広告のフリークエンシーを見ていて、そういう風にデータを持たせた方が良いという結論に至っています。この場合は、回数を変数にしています。他の業種では先ほどのように「何日前に見せたものが効果はあった」といった持たせ方をしていたりします。

有園:データの切り方を考える際、バックテストは入ってくるのでしょうか?過去のデータを参照して、付けたスコアと媒体費で計算してみると合っている、合っていないが分かり、合っていなければ切り方を変えていくということをやっているわけですね。

安達:最終的には、全ログデータを使って計算するわけですが、最初にデータの持たせ方を決めるときは、サンプリングして、モデルを作って、適合性を計って、良いものを選んでいきます。

有園:だいぶ腑に落ちてきました。オフラインのアトリビューションについても伺えますか。

オフラインのアトリビューション

上村:テレビ、新聞、雑誌、ラジオにネットが加わり、一体どのアプローチがどれだけ企業価値を高めているのかを知りたいという要望が最近非常に多く、広告代理店経由であったり、クライアントから直接であったり、4マスも含めたアトリビューション分析の相談は、とても増えています。

有園:増えていますね。

安達:4マスも含めて、広告費のアロケーションを最適化していきましょうという話ですが、特に我々は、販売量が何によって決まっているのかという、要因分解の方法論についてノウハウがあります。マス広告の場合、ネット広告と違って、どこのエリアに何日にどれくらい露出したかという限られたデータしかありません。ですから、構造自体を特定することが非常に難しくなります。ここの特定に、データ自体を要因とする時系列解析の手法を用いているのが特徴です。

季節効果や曜日効果といった、販売に与えるいろいろな効果を把握する技術があり、シミュレーションモデルがあります。どんなモデルを使っているかというと、状態空間モデルに近いのですが、Y軸の販売量を時系列解析することによって得られる長期トレンドや季節指数に加えて、広告効果、その他の効果と誤差などに分解して把握しています。さらに広告効果は、マスとWebとプロモーションなどに分解されるはずです。仮にクライアントが店舗とECサイトの2つのチャネルを持っている場合、販売量は実店舗の販売量プラスECサイトの販売量になります。それぞれを先ほどのモデルで分解するといったやり方です。

図3.販売データの分解例と広告残存効果期間

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有園:これは、ベイジアンネットワークでやっているわけではないということですか?

広告を打つ前、打った後

安達:ベイジアンネットワークを使っている場合もあります。マスとWebとプロモーションが単純に分かれていない場合も多くあります。単純に結合されているわけではないので、マス広告を打つと店頭に来る人が増えてプロモーション効果が変わってきたり、手元にチラシがあると、それを見てネットで買ったりする人もいるでしょう。このように、それぞれの相互間の影響を解明するときに、ベイジアンネットワークを使って予測モデルを作っていきます。

例えば、ある業界は商品が土日に集中して売れることが分かったとします。この曜日効果を抜いてスムージングをかけたものが、この青い線です。スムージングをかけた販売量と実際の販売量の差が、広告効果と商品力によるだろうと推定できます。次に、商品力をここから差し引きます。商品力の推定の仕方は、広告を打たなくなった時期は、商品力だけで売れているはずですし、発売した直後は、商品力が圧倒的に高いはずですから、その2点をポイントとして曲線を推定していきます。

広告の残存効果

有園:広告の残存効果は加味していくのですか?

安達:次のところです。ここが、先ほどの商品力を抜いたところです。この場合、テレビだけで見ていますが、どれだけ広告を打ったかというGRPと差の部分との関係を見ていきます。広告を打ったり打たなかったりしていますが、最後の一番右の部分、ここまでが広告は効いていたことが分かります。あとは効かなくなっています。このような形で広告効果を判定していきます。

図4.限界GRPの推定

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有園:ここでいう限界GRPというのは、どこから出ているんですか?

安達:一番広告を少なく打って、かつ一番売れている日が上限ポイントになります。逆に下限は、ここらへんまで広告を出さないと、この販売量は確保できませんよという最低販売量です。

広告弾力性

有園:GRPの投下に対して、販売量がどれだけ変化するかという形での限界という意味ですね。広告弾力性のことですよね?

安達:まさしく、日別の広告弾力性です。

有園:それをGRPなので、限界GRPと呼んでいるわけですね。

安達:そうです。下限と上限を決める曲線を式に入れています。

有園:そういうことでしたか。僕は経済学をやっていたので、価格弾力性、広告弾力性の方が分かりやすいので。

安達:確かに、弾力性の方が言葉としては合っています。

有園:分かりました。

安達:ここに、Webとチラシそれぞれを加えたモデルもあります。こんな形で、状態空間モデルとベイジアンネットワークを組み合わせたモデルを、マス広告のアトリビューション分析には使っています。

有園:先ほどの状態空間モデルで、線形ではないだろうと思われるものに対してベイジアンネットワークをあてて式を作っていくということですね。いまは何社くらい、ベイジアンネットワークで分析したり、アトリビューション分析をオンライン、オフラインでやっていたりするんですか?

上村:マスまで含めてやっているのは5社くらいですかね。マス広告の分析をやっていて、かつ、アトリビューション分析までというと、かなり先進的な企業ですね。

安達:先進的というか、広告費を大量に投下している企業ですね。現状、我々がデータを預かって分析すると、ある程度人的コストがかかってしまうので、データをDMPに取り込んで、人手をかけずに分析する準備をしています。

有園:なるほど。そういったソフトウェアか何かをお持ちなんですか?

上村:弊社には、smarticA!データマイニングエンジンという製品があり、クラスタリングやアソシエーション分析、時系列予測などを自動計算できます。その中に、新しいモデルをどんどん取り込んでいっています。

有園:オンラインもオフラインも、アトリビューション分析がデータマイニングエンジンの中でできてしまうわけですね。理想的な世界に近づいていきますね。アトリビューションのある程度のモデルや手法が確立したところで、データマイニングエンジンに組み込んでいかれるわけですが、御社の主力商品である「smarticA!DMP」について最後に伺います。

smarticA!DMPについて

上村:smarticA!DMPは、データの蓄積から、データマイニングエンジンによる自動分析、キャンペーンマネジメントを通じてマルチチャネルで情報をパーソナライズして出しわけるところまでを対応しています。最近、こうしたサービスに「データマネジメントプラットフォーム」という一般名称が付きました。いわゆるプライベート・データマネジメントプラットフォームを、弊社では「smarticA!DMP」という名前で提供しています。弊社が提供しているプラットフォームでは、顧客の行動履歴であったり、広告の投下量であったり、コンタクトセンターのコンタクト履歴であったりと、自社で蓄積されるあらゆる大量データを溜めこんで活用していきます。どんなデータ溜めるべきかはクライアントによって異なり、目的によっても溜めるべきデータは変わります。

有園:なるほど。

図5.ALBERTが提供するプライベートDMP「smarticA!DMP」

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上村:各社各様のデータが必要になるため、どんなデータを溜めるかのコンサルティングから携わっています。そうしてデータを溜められる環境ができると、次はデータマイニングエンジンの出番です。溜まったデータを自動解析するためのエンジンは、これまではSASなどの海外製品が主力でしたが、中身がブラックボックスで、なぜその答えが出てきたのかクライアントには分からないという問題がありました。また、例えば新たなアルゴリズムとしてベイジアンネットワークを使いたいと思っても、簡単にはできません。アルゴリズムの追加やシステムのカスタマイズは、開発国依存で直ぐには対応してもらえないといった問題がありました。そこで私たちは、いち早く必要なアルゴリズムをどんどん入れられるように、データマイニングエンジンを自社開発することにしたのです。
時系列予測などもそうです。例えば、ある飲食チェーンで、調布店に来週どれだけの顧客が来るかを予測して、商品の必要在庫を予測したい。そういうニーズに対して考案したアルゴリズムをすぐに取り込めるわけです。

有園:ツイッターか何かで、千葉のコンビニが、ポッキーの日にグリコがキャンペーンをやっていて、大量にポッキーを仕入れたけれど、全然売れなかったというつぶやきを見ました。何をどれだけ仕入れるかって重要ですね。それが、できるわけですね。

上村:例えば飲食店では、明日は雨である、且つ金曜日である、といった場合に、材料をどれだけ仕入れるかを正確に予測しないと廃棄が出てしまいます。ファーストフードチェーンなどの全国の全店舗で考えると、大量の廃棄コストになります。そういう在庫を最適化したいときは時系列予測で計算します。

また、smarticA!キャンペーンマネジメントは、マルチチャネルに対応していることが強みです。キャンペーンマネジメント=「メール配信ソリューション」のような説明をする方もいますが、本来はそうではないはずです。Web、メール、コンタクトセンターやDMなど、あらゆる顧客接点で一貫したストーリー性をもって接客できることが重要だと思います。

有園:マルチチャネルキャンペーンマネジメントのソリューションであり、この図に書いてあるように、メール配信用のシステムとか、コンタクトセンターのオペレーターさんの画面とかとつながっているわけですね。

上村:「オペレーターさんに、今日、この顧客には○○を喋ってもらう」ということまで指示ができます。ただし、最後のところは既存のシステムと連係します。メールは既存のメール配信システムに連係、Webでの表示はCMSに連係するなどです。DMや同梱チラシなどの印刷物なら、オンデマンドプリンティングシステムとつなぎます。既存システムと疎結合できる作りにすることによって、システム投資を少なく、無駄なくすることができるわけです。

有園:御社では、これらをレコメンド特化型DSP「ADreco」や、第三者配信「i-Effect」につなげるわけですね。「ADreco」以外のDSPともつなげられるんですか?

上村:はい。逆に、一般的なDMPは広告領域に偏っていることが多いと思います。

有園:ちょっと違うよねと?

上村:本当にクライアントがやりたいのは、CRMも広告も含めたマーケティング全体の最適化です。広告で人を集めても、そこに接客の仕組みがなければ仕方がありません。広告だけでなく、自社のCRMを最適化するプライベートDMPが必要だという話になります。そこまでカバーできているのが「smarticA!DMP」で、こうしたサービスは極めて少ないと思います。

有園:広告業界的にはAudienceOne(オーディエンスワン)などをDMPと呼んでいますが、AudienceOneを入れてCRMと連携することもできますよね?どちらかというと御社は立ち位置として、CRM領域からスタートしていて、それにAudienceOneみたいなDMP、あるいはインターネット上でのユーザーの閲覧履歴、行動履歴がデータとして溜まっているDMPと連携することができるわけですか?

「smarticA!DMP」と「AudienceOne」のシステム連携を開始

上村:そうですね。2013年12月11日に「smarticA!DMP」と「AudienceOne」のシステム連携を開始しました。トリプルメディア全体の接客を最適化できるようになりました。それができて初めて、DMPの意味があると思います。広告だけ、自社メディアだけでは片手落ちなので。

DMPとアトリビューションはセット

有園:2013年12月10日に「CNET Japan Live」に登壇したのですが、そこでDMPとアトリビューションはセットで使わないとダメですよという話をしました。なぜかと言うと、いろいろ連携して施策が出ていきす。セグメントをきってストーリー性とかシナリオとかを組んでいますが、打たれたものが良かったのか、悪かったのかを検証しないといけません。一連のストーリー性がある施策になる訳なので、ラストだけ見ても意味がありません。

これにマス広告も含めていくと、相互の影響を加味しないと、スイムレーンみたいなテレビの効果だけ見ていても、仕方がないです。DMPでやった施策をきちんと効果検証して、次に活かすためにPDCAを回すためには、アトリビューションは必須ですね。御社のツールには今後、データマイニングやアトリビューション機能がついて、検証しながらDMPのマネジメントというか、PDCAを回していけるようになるのでしょうか?

上村:PDACの仕組みは既にできていて、それはマストですね。ちょっと表現が古いかもしれませんが、「ダッシュボード2.0」の時代がきていると思っています。いままでは、いわゆる「管理画面」といわれるもので、クリック率がどう、コンバージョンどう、それを広告キャンペーン別にみたらどうか、という固定的なものでした。他にも、メール配信の管理画面はというと、何通配信して、何通開封され、何通クリックされたかを見てきました。

それぞれのチャネルでバラバラに管理画面があって、かつ非常に固定的なKPIだけで見ていたのが「ダッシュボード1.0」の時代だとすると、DMP時代には、オフラインも含めた、あらゆるチャネルの施策を統合的に見ていく必要があり、かつ施策と共に変わっていくKPIを動的に追加していかなければいけません。もはや、固定的なダッシュボードだとモニタリングできません。ダッシュボードは必要に応じて常に追加したり、取捨選択できる動的なものでないと、アトリビューションを加味したマーケティング全体の最適化はできないはずです。固定的な管理画面ではなく、その時々に必要なKPIを見い出してモニタリングし、改善できる仕組みが必要だと思っています。「ダッシュボード2.0」の時代に入ったといえるのではないかと。

有園:御社のサービスは柔軟に変更できるんですね。

上村:Web上でどんどん作っていけます。

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現状の課題

有園:現状の課題は、どんなことがありますか?広告主側が理想的なことをやる上での課題や、御社側の課題などを伺えますか?

上村:プライベートDMPの導入プロジェクトでは、クライアントの窓口はマーケティング部門である場合が多いです。日々、施策を設計して、施策を打ち、最適化していく責任部門がマーケティング部門だからです。ただ、導入に関しては、情報システム部と極めて密接に関わります。従って、企業の経営レベルで導入のコンセンサスがとれていて、プライベートDMPが重要だという認識を共有し、マーケティング部門と情報システム部門が一緒になって作る状態になっていないと、非常に難しいと感じます。

有園:そうですね。

マーケティング部門と情報システム部門の連携

上村:仮に、プライベートDMPを導入しても、ダッシュボードを一個作るのに情報システム部門に頼まなくてはならないと、タイムリーなモニタリングはできません。システムによっては、新たな仮説をもってキャンペーンを1つ追加するだけでも、エンジニアや情報システム部門に依頼しなければいけないということがあります。プライベートDMPは、マーケティング部門が単体でも使いこなせるものでなければ機能しません。

有園:御社の「smarticA!DMP」を導入すると、管理画面のクリックとドラッグ・アンド・ドロップで簡単に使えるわけですね。

上村:はい。そうでなければ機能しないと考えて、サービスを設計しています。

全てを統一して見られる人が不在

有園:私がコンサルティングをしていて感じるのは、メールを打って、バナーを打って、ランディングページはこうしてといったシナリオを構築したとき、オペレーションの全てを統一して見ている人が不在である点です。御社では、その点のサポートもしているのでしょうか?

上村:もちろん、すべて連携していなければならないのでサポートしています。弊社にはデジタルコミュニケーション部という部署がありまして、上流の戦略から広告のクリエイティブの最適化も含めてサポートしています。

有園:私のイメージでは、御社は広告クリエイティブやLPOの最適化なども、CRM領域から出ている経験値などもあるだろうなって思っていました。メールマーケティングもサポートしているのでしょうか?

上村:一般的に「メールマーケティング」という言葉で連想されるのは、どんな文章で書こうかといったことだと思いますが、そこはあまり深くやっていません。弊社では、誰に、いつ、どの情報をどんなクリエイティブで送るかを特定するところを支援しています。

条件分岐

有園:条件分岐も手掛けていらっしゃいますよね?誰に、いつ、どの情報を送ったら、どういう反応をしたか、Aの反応、Bの反応の場合に、どう出し分けるかといったことなど。

上村:はい。シナリオ設計と呼んでいます。ロイヤリティのステップアップを実現するために、全体のキャンペーンシナリオを設計します。メールだけでなくWeb、オフラインも含めて設計しています。ただし、メールの具体的な文章として何を書くか、例えば挨拶文が「おはようございます」なのか「こんにちは」なのかといった文章まで作ることはしていません。

有園:大量なパターンが出てきますね。それらは、企業の担当者もしくは外注のメルマガを制作する会社が作っていくわけですね。

上村:そうです。一方、メールに挿入されるレコメンド商品であったり、バナーであったりは、キャンペーンマネジメントシステムから指示が出て自動的に挿入されるので、ヘッダーの導入文や締めくくりの文章だけを作っていただいて、コンテンツを差し込むのは弊社のシステムで自動的に行なわれるわけです。

有園:メールのシナリオに合せた、バナーのシナリオ、LPOのシナリオなどを、統合的に見てマネージしていく人が企業側にも必要ですね。そうしたことのできる人が、企業側には少ないという印象はありませんか?

上村:少ないかもしれません。国内企業のマーケティング部門は、任されている仕事の内容や責任の重さに比べて、人数が少ないと思います。忙しくて、見きれていないところはありますね。

有園:導入前の課題は、マーケティング部門と情報システム部門の連携が上手くいっていないことが挙げられましたが、導入後だと他に何かありますか?

きちんとPDCAを回せているか

上村:プラットフォームは、導入すれば勝手に上手く回りだすというものではないので、PDCAをきちんと回していくことが課題になります。PDCAを回して、自社のマーケティングの最適化をし続けることです。プライベートDMPを導入した後に、いかにPDCAを回していくかは課題になるのではないでしょうか。

有園:広告もCRMも連係して考えてねって話ですね。マス広告でコンペやって、三か月間キャンペーンをやるときは、特定のコピーを露出してアテンションをとることが主な目的なので、代理店任せでもよいかもしれません。しかし、CRM領域に関わってくると、自社のことを十分理解して、ケアしなければならないコミュニケーションがたくさん発生してきます。実際に、コールセンターに電話がかかってくるわけですから、関連した施策が必要になります。その場合、自社の持っている商品やメリットを十分把握していないといけないので、代理店に任せっきりにはできないという話になります。マーケティング領域で全体を見てまとめられる人を育て、自社で考え実行できなければならなくなってきている。それが課題なのかもしれませんね。

また、効果測定する際も「これはベイジアンネットワークで分析した結果です」といわれても理解できない人が多い。経営層にプレゼンすると、理解できる人、できない人が大きく分かれます。「なんでこういう予算配分にしなければならないの?」と質問が出ると進まなくなります。マーケティングに関わる人と経営層には、できれば統計の知識を持ってほしいと思っています。

マーケターに統計の知識は必須

上村:そうだと思います。弊社では、企業に向けて講師を派遣し「データサイエンティスト養成講座」を開講しています。クライアントがプライベートDMPを使って、マルチチャネルのマーケティングを最適化するためには、統計に対する理解がある程度必要になります。実際、統計の分かる人やデータサイエンティストを内部に育てていきたいという企業が増えています。そういう教育機関が世の中にないので、弊社が提供しています。

有園:教育まで含めてやっていただけるわけですね。オペレーションのサポート、クリエイティブの最適化、それらを理解できる人材の育成まで。

上村:ビッグデータ領域で必要なものは、一通り揃うかと思います(笑)

有園:困ったときはALBERTさんへですね。本日は、ありがとうございました。

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【アトリ君の視点】先端プラットフォームを率いる上村さんと重厚な経験をもった分析エキスパート安達さんの経験やノウハウを融合。強いですね!ベイジアンネットワークを少し理解できた気がします。「ベイジアンネットワークでやっていたら、ブラックマンデーは避けられたのではないかという説」は個人(鳥)的には興味深かったです。SmarticA!データマイニングエンジンはとてもすばらしい取り組みですね。新しいアルゴリズムやモデルは自社開発環境でないと追加し続けるのは厳しい面もあると思うので、現在のマーケティングが置かれている状況に応じたアプローチですね。そういう意味では初の国産アトリビューション分析プラットフォームと言ってもいいかもしれません。さまざまな外部のシステムとも「粗結合」できる点も非常に納得ですし、日本のアトリビューションマネジメント環境をどんどん変えていってほしいと思います。上村さん、安達さん、大変勉強になりました。ありがとうございました!

コメント

アトリビューション特別対談: 電通からのMBOで、いま注目のイグニッションワンが語る! – イグニッションワンジャパン代表取締役 松本英人氏xアタラ有園

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電通からのMBOで、いま注目のイグニッションワンが語る! デジタルメディアのバイイング最適化とマーケティング自動化ツールを統合した「デジタルマーケティングスイート(DMS)」が実現するアトリビューション分析の自動化
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出会いはサンフランシスコ

有園:本日は、株式会社イグニッションワンジャパンの代表取締役、松本英人さんにお話を伺います。さっそくですが、松本さんが代表に就任したのはいつからですか?

松本:イグニッションワンジャパンの松本です。代表には2012年11月に就任しました。2008年に入札管理ツールのサーチイグナイトが立ち上がった際、創業メンバーとしてジョインしました。

有園:最初は何人でスタートしたのですか?

松本:2人です。すぐに3人目が入り、しばらくは4人でした。

有園:インターネット広告業界に入ったきっかけはなんですか?何年くらい、この業界にいるのですか?

松本:業界歴は、12年から13年くらいです。大学卒業後にサンフランシスコでホテルマンを目指していたのですが、求人広告を見ていたら検索のディレクトリをつくる会社が日本語のできるメンバーを探していて。90年代後半のドットコムバブルと呼ばれていた頃のことです。結果的に「チャレンジしてみよう!」ということになりまして。そこで有園さんにお会いしたんですよね(笑)

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LookSmartの同僚時代

有園:そうでしたね(笑)実は、LookSmart(ルックスマート)という会社で松本さんとは同僚でした。90年代後半にサンフランシスコで一緒に仕事をしていたのです。

松本:懐かしいですね。

有園:LookSmart(ルックスマート)では、日本のマイクロソフトネットワーク向けのインターネットディレクトリをつくっていましたね。

松本:当時、有園さんにライティングを徹底的に鍛えられたことを覚えています。その後、LookSmart(ルックスマート)が日本に上陸するのと一緒に日本へ帰国し、ずっと検索に携わってきました。

有園:ライティング?当時は、ウェブサイトのレビューを書くことが仕事だったんですよね。LookSmart(ルックスマート)の後はどうしたんですか?

ジェイ・リスティングの立ち上げに参加

松本:ジェイ・リスティングの立ち上げに参加し、1年たたずにライブドアに買収されてグループに入り、ライブドアが検索を強化する時期だったのでディレクトリをつくったりしていました。

イグニッションワンに入社したきっかけ

有園:イグニッションワンに移るきっかけはなんですか?

松本:イグニッションワンの前身はサーチイグナイトという会社で、入札管理ツールを開発している会社でした。アメリカのジョージア州アトランタ市で立ち上がった会社です。サーチイグナイトの親会社がイノベーションインタラクティブで、イノベーションインタラクティブが2005年にライブドアに買収されました。当時、私はライブドアにいたのですが、サーチイグナイトをジェイ・リスティングの中で内製しようという動きがありました。その後、縁があってサーチイグナイトを法人化して、ライブドアとは独立した形で会社を立ち上げることになったときにジョインしました。

有園:それが2008年ですか?

松本:2008年の2月です。

資本関係

有園:そのとき、ライブドアの資本は入っていたのですか?

松本:入っていません。

有園:引き続き、イノベーションインタラクティブはイグニッションワンの親会社ということですか?

松本:直接の親会社です。イノベーションインタラクティブが電通ホールディングスUSAにM&Aされたのが2010年の2月で、そのタイミングで電通グループに入りました。

有園:電通ホールディングスUSAの子会社がイノベーションインタラクティブで、イノベーションインタラクティブの子会社がイグニッションワンということですね?

松本:そうです。

サーチイグナイトからイグニッションワンへ

有園:サーチイグナイトがイグニッションワンに名前が変わったのはいつですか?

松本:2011年の4月11日です。

有園:まだ2年くらいなんですね。

松本:はい。そして、今年7月の事になりますがイグニッションワンの経営陣が主導するかたちでMBOを実施し、電通グループ100%子会社の枠を離れて、より独立性を持った事業体として新しいスタートを切ったところです(詳しくは、こちらのリリース)。

共通キーワードは「検索」

有園:90年代に出会ってから、その後もお互いに検索に携わってきたわけですね。

松本:そうですね。ずっと、検索エンジンや検索キーワードに縁がありました。

入札管理ツール戦国時代

有園:イグニッションワンは評判が良いと聞いているので、その理由やアトリビューションについて伺いたいと思います。サーチイグナイトとして営業をはじめたのが2008年ということですが、その頃の日本は入札管理ツールを導入する企業が多かったのですか?

松本:入札管理ツールの認知度が高く、企業も導入の意欲があり、競争の激しい時代でした。海外系ツールも参入していたのが2008年、2009年頃のことです。カタログ化ではないですが、スペックで比較され、ポートフォリオ型?ルールベース?という二択や、ホワイトボックス?ブラックボックス?という話もよく出ました。

ホワイトボックスとブラックボックス

有園:ホワイトボックスは最適化のロジックが分かりやすいという意味で、ブラックボックスは分からないという意味ですね。

松本:事前に根拠が分かりづらいこともあり、広告主に根拠を問われることも多かったです。ただ、我々は当時から透明性を重視し、明確にしていました。事前にどのような入札をするのかチェックできたので、広告主が納得した上でオンにするようにしていました。シミュレーションが出せたので、それも喜ばれていました。

淘汰された今

有園:私の知る限り、2005年ごろから2009年ぐらいの間に入札管理ツールがたくさん登場し、2013年のいまは、ある程度淘汰されたように思います。生き残っている入札管理ツールは、それぞれ特徴が際立っていますね。最近のイグニッションワンの動きを見ていると「もしかしたら入札管理ツールとは呼ばないでほしいのかな?」と思ったりするのですが、そのあたりはいかがですか?

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入札管理ツールと呼ばないで

松本:そのとおりですね。2011年にイグニッションワンとブランド名を変えて、もう一度市場にアピールしたのは、まさにその点です。「サーチ」と社名に入れているとおり 検索畑からスタートしてはいますが、サーチだけでは手狭になってきました。会社名としても実態を表していないのでは?という考えもありました。2009年頃には、イノベーションインタラクティブがネットマイニングというベルギーを拠点としたアクセス解析の技術をもちつつ、行動分析のスコアリング技術に長けた会社をグループ化しました。この会社は、ネットマイニングの技術を応用してサイトに訪問したユーザーの行動を分析し、興味のある商品や購入意向をスコア化する技術をもっており、サイト内を最適化できるようになりました。それを一時、平行して販売していました。

サイト内行動の最適化

有園:サイト内行動の最適化ですか?

松本:サイト内の行動を分析して、一番スコアが高まった最適なタイミングでインタラクションを仕掛けられるのが一番の売りです。あるスコアに達した特定のユーザーへのみクリエイティブを表示したり、LPを最適化したり、コンテンツを差し替えたり、CRMと連動してメール本文をカスタマイズしたり。そうした施策をおこなえるツールと二本柱で販売していました。

有園:ネットマイニングは、サイト内の行動を分析して、その履歴に基づいてスコアをクッキーにつけて、クリエイティブの出し分けができるんですね。旅行系サイトの場合「イタリア旅行に興味がある」というスコアを用意しておいて、そのスコアがたとえば200に達した人には動的にイタリア旅行のクリエイティブ、バナーなどが表示されたり、動的にサイトのコンテンツを差し替えたりできるということですね。

松本:ヨーロッパでは、自動車系メーカーにも導入していただいています。検討期間が長い、最終的にオフラインで購入に至るサービスなどと親和性が高いです。来店したときに使えるクーポンを掲示し、印刷して来店を促すなど、オフラインとの連係に強いツールです。その技術をいよいよ応用していこうということになりまして、サーチだけでなくネットマイニングの技術も統合し、リブランニングしました。

有園:イグニッションワンは、サーチイグナイトとネットマイニングを足したものと考えればいいですか?

松本:はいそうです。

有園:具体的には何ができるんですか?

イグニッションワンでできること

松本:サーチに関しては、ポイントソリューションと呼んでいる、サーチイグナイト時代に培ったものがあります。ポイントソリューションとは、特定のチャネルやジャンルにおいて専門性をもったツールという意味です。バナー広告の配信システムは、ディスプレイというチャネルがあり、2012年から広く出ているDSPのチャネル、ポイントソリューションとしてのDSPがあります。そして、サイト内の最適化というソリューションではネットマイニングがあります。それらのチャネルを横断的にまたいで、すべての機能を統合したもの、広告の統合管理プラットフォームと、スコアやアルゴリズムを使った最適化ツール、この2つが組み合わさったものがイグニッションワンです。

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DSP機能を搭載

有園:サーチイグナイト時代はディスプレイをやっておらず、2011年にネットマイニングがグループ化してイグニッションワンになったということですが、DSPの機能がイグニッションワンについたのはいつですか?

松本:本格的に稼働し始めたのは、2012年からです。

有園:その機能はネットマイニングでもっていた機能ではなく、DSPを開発して、イグニッションワンに組み込んだ。つまり、サーチイグナイト、ネットマイニング、DSP機能の3つがついたものをトータルでサービスしてくれるということですか?

松本:そうです。かつての技術はスコアにつかわれ、ディスプレイもユーザー単位でコンバージョンしやすい人に絞った形で買い付けできるのもDSPの中でも特徴的な機能だと思います。

ポイントソリューションとは?

有園:ポイントソリューションとスコアは同じことですか?

松本:ポイントソリューションはサーチの管理ツール、もしくはDSP単体で販売しているプラットフォームを指しています。

有園:サーチというポイント、DSPというポイント、という意味でしたか。あとは、サイト内行動分析のポイントということですね。それを御社でポイントソリューションと呼んでいて、スコアとは関係ないんですね。それぞれの3つのポイント、ソリューションを組み合わせているということですね。話しが変わりますが、行動履歴をもとにスコアをつけていくとは、具体的にどのようなことですか?

松本:スコアの技術のもとになっている、自動学習のアルゴリズムが裏で動いています。広くつかっている要素は3つあります。まずはページの遷移です。どのページをどのくらい見ているのか。それをネットマイニングの技術を使い、タグ経由で取得しています。滞在時間、ページの遷移の情報が把握できます。項目は100くらいあり、ブラウザの情報や流入経路も管理されています。訪問頻度と最後に来てからの経過時間も取り込んでいます。

有園:フリークエンシーとリーセンシーと呼ばれるものですね。一週間に何回きているか、頻度はどのくらいか、最近いつ訪問したかなどですね。

スコアとは?

松本:スコアの概念は、実店舗を例にサイト訪問を考えると分かりやすくなります。靴屋の場合、見るだけで買わない、冷やかしに来る人がいる一方で、何回も通って自分の足に合ったスニーカーを探している人、購入を検討する人がいます。気の利いた店員であれば「この前もきたな」と覚えておいて、お客様がスニーカーを手に取って数秒経ってから「サイズはいかがですか?」と声をかけるでしょう。適切なタイミングで声をかけ、適切な流れでクロージングまでもっていくのが優秀な販売員だと思います。それと似たようなロジックを、ECサイトなどでも取り入れるべきだと考えています。購入意向が高まっている方をスコア化し、スコアに応じて適切なアプローチをするという技術です。

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有園:それは、ネットマイニングの技術ですか?

松本:そうです。

有園:スコア化する際、DSPの反応も見ているのですか?バナー広告を配信して、反応が良くて、サイトでの行動も良いというような要素も入っているのですか?

松本:ユーザーに対して、どのくらい広告を表示したかという数字はもっています。反応せず、再訪までに時間がかかるケースは、再度訪問するときスコアは割り引かれ、スコアは下がった状態で取り直します。そうした意味では、スコアリングに加味されます。

有園:自然検索経由でバナー広告には反応していないなど、外部から流入してくる情報が加味されてスコアがつくわけですね。

松本:スコアはリアルタイムに変わります。昨日までは商品Aに興味をもっていたユーザーが、明日には別の商品に興味がうつっているケースもリアルタイムに対応できます。RTBの入札の場合は特に重要な部分なのでご好評いただいています。

スコアを使ってできること

有園:スコアを使って広告主にはどういうソリューションが提供されるのですか?サイト内が動的に変わる以外に何かありますか?

松本:さきほどのポップインでインタラクションを仕掛ける場合、オンサイト最適化と呼んでいるサービスがあります。もう一つは、DSPを使ったバナーのアドエクスチェンジ経由でユーザーが掲載面のページに訪れたとき、DSPを介してバナー広告を表示できます。これを「スマートリマーケティング」と呼んでいます。スコアを加味した精度の高いリターゲティングができます。

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リターゲティングの方法

有園:一般的にリターゲティングというと、サイト内に「イタリア旅行のページに来た人にリターゲティングします」「フランス旅行にきた人にリターゲティングします」とタグを入れますが、こうした設定をするんですか?

松本:はい。

有園:スコアが高いという条件が加味されて配信されるわけですね。スコアの高さでクリエイティブは調整できるんですか?スコアが100までの人には海外旅行という抽象的なクリエイティブを、200までの人はイタリア旅行という具体的なクリエイティブをというように。

松本:キャンペーンをそれぞれのシナリオに基づいて設計することで、実現できます。

有園:とてもよいですね。

松本:設計の自由度は高いです。ユーザーとスコアに応じて、シナリオ別に設計できます。DSPはゴールさえ入れれば後はお任せというソリューションも多いですが、我々はカスタマイズ可能な運用型の設計です。

有園:リターゲティングでDSPを設定する軸は、リターゲティングのタグを広告主のどのページにはるか、イタリア旅行に興味がある人のスコアが高いか低いか、それ以外は入札金額といった軸があると思いますが、この3つくらいですか。

松本:あとは再訪から何日経過しているかですね。再訪期間のターゲットです。昨日、来た人だけをターゲットにすることができます。時間帯別もできます。

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CRMとの連携

有園:さきほどCRMと連携する話がでましたが、ここ一か月で10万円以上購入している人のみをターゲットにすることもできるんですか?

松本:お客様がお持ちのデータベースと連携する必要がありますが、オンサイト用のクッキーIDと簡易IDを紐づけることで、ある程度できます。

有園:実施している広告主はいますか?

松本:カスタマイズが必要ですが、ワールドワイドではニーズがあります。

有園:日本国内では?

松本:そこまで大がかりな取り組みはまだありません。

有園:これから出てきそうですね。楽しみです。

松本:訪問した結果の情報はお持ちだと思いまが、どういう経路で購入に至ったかは見えてこない部分です。だから、コンバージョンを底上げする施策として、我々のサービスを使っていただけたらと思います。タグを入れるだけで、インタラクティブなアクションは自動的に学習していき、手離れがよくて楽です。ユーザーを想定する必要がありません。AとBとCというサイトを訪れ、何秒滞在した人を、どういうクラスターにするといった仮説でつくる必要がなく、そこは自動的に統計でならして考えていきます。一度いれてしまえば自動学習で最適なタイミングとスコアを導き出すので、あとはお任せで回していただければと思います。商品Aを買ったお客様が、二番目に興味があった商品Bの存在は、結果論としてなかなか見えてきません。でも、会員IDと紐づけると把握できるようになります。把握できれば、レコメンドで「商品Bをいかがですか?」とマーケティングできるようになります。

行動履歴に基づいて施策を変える

有園:いまの話だと、商品Aを買ったけれど、行動履歴を分析してみると、その過程で商品Bが二番目の候補であった可能性が分かるのと。商品Bを勧めれば買ってくれるかもしれないというわけですね。クロスセルを仕掛けるためにレコメンデーションをDSPでバナー広告を配信してもいいし、サイト内で何かしら動的にメッセージを出してもいいわけですね。

松本:いまの時点では、DSPをリアルタイムに反映することはできないのですが、データはもっています。二番目に興味のあった商品にカスタマイズしたメールを配信したり、画像に差し替えたポップインを出したりはできますね。

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有園:行動履歴に基づいてサイト内のコンテンツを差し替えられるし、バナー広告も対応できるということですね。サーチはどうですか?リスティング広告とか。

リスティング広告をスコアの技術で最適化

松本:リスティング広告でもスコアの技術を加味して最適化できるように進めています。現時点では、サイトを訪問したユーザーが、キーワードAを踏んで滞在していた場合、どのページをどのくらい滞在していたか、興味があった商品ジャンルがどれであったかを、キーワード単位で取得できます。それを見ながら、ビックキーワードで入られた方が、サイト内のどのページに最も興味をもっていたかが分かるので、それに応じてクリエイティブを変えるなどもできるようになります。ブランディングが目的の広告主に有効な指標だと思います。ブランド系のビックキーワードが実際にどこで一番滞在につながっているのかを把握することで、入札が適切であったかを判断できます。コンバージョンだけでなく、エンゲージメントの指標をもつことでリスティング広告の入札にも活かせるようになります。

有園:たとえば、トヨタ、ホンダ、日産、マツダといった自動車メーカーや、ソニー、パナソニックなどの家電メーカーだと、商品を個別に紹介するページを設けています。トヨタだと、お客様は「トヨタ」というキーワードを入れているし「トヨタ 自動車」と入れたり「プリウス」「カローラ」など車種名を入れたりすることもあるでしょう。それらのキーワードで入ってきたユーザーに対してランディングページが決められていますが、キーワードごとに滞在時間の長さや遷移ページ数の多さ、どのキーワードで入ってきたときに、どのページをよく見ているのかが分かるので、その情報を使って入札や広告のクリエイティブを修正することに反映できるというわけですね。

松本:いかがですか?

有園:けっこう良いですね。

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松本:ヨーロッパの事例では、ブランド系企業がサイトで情報提供してオフラインに誘導する設計で、エンゲージメントを見て効果を発揮しました。いままで見えていなかったインサイトを発見できるのが大きいです。

デジタルマーケティングスイートとは?

有園:御社もデジタルマーケティングスイートという言葉をつかっていますが、ネットマイニング、サーチイグナイト、DSPの機能をまとめて、デジタルマーケティングスイートといっているのでしょうか?

松本:バーティカルな機能を単体で使うことはもったいないので、すべてのチャネルの管理を一つのプラットフォームですることで、同じモノサシで評価すべきだろうという発想があります。アトリビューションでも重要なキーですが、アトリビューションを加味して最終的に適切な評価をするための、統合管理プラットフォームに位置付けています。そのなかで、デジタルマーケティングスイートはしっくりくるネーミングです。2011年以降は管理画面の中にもデジタルマーケティングスイートという言葉が出てきますし、デジタルマーケティングスイート.comというドメインもイグニッションワンがもって情報サイトを運営しています。

有園:御社の考え方だと、デジタルマーケティングスイートを実現するには効果測定が中心にあるのでしょうか?

松本:そのとおりです。

アトリビューション分析もできる

有園:イグニッションワンの中でアトリビューション分析結果がレポートとして出てくるのでしょうか?

松本:柔軟に設定可能です。ラストクリック評価ではなくファーストクリック寄りの評価が正しいのか、均等配分のモデルが正しいのか、評価をどのような軸で持つかを決めていただき、それに合せて各チャネルの効果測定も自動的に反映されます。求めていく各チャネル間の予算配分も、チャネルの貢献度を評価した上で決めて、バーティカルで回すべきところの最適化、それぞれアトリビューションを加味された最適化を、恒常的にかけてゴールを達成するのが我々の目指すところです。

有園:イグニッションワンを使うと、サーチ、自然検索やリスティング広告がとれて、ディスプレイもDSPという形でとれて、サイト内の行動履歴がスコア化されて、アトリビューションのモデルも選べて、それらを加味したレポートが出てきて、なおかつ設定さえしていればアトリビューション分析結果がリスティング広告の入札価格やクリエイティブに自動的に反映されるという理解でよいですか?

松本:データとしてはすべてそろいますが、レポートは管理画面上で細かい部分までは見られません。近々レポート画面の刷新を予定していますが、まずはカスタムレポートとしてお出しすることになります。その中でレコメンデーションとして全チャネルの可視化、貢献度の分析、最適なモデルをレコメンドし、アドバイスさせていただきます。

有園:ある程度の期間に基づいてアトリビューション分析し、予算のリアロケーションするレコメンドはするけれど、実施するかの判断や設定は広告主や代理店がするわけですね。リアルタイムに自動で設定の変更が行われるわけではないということですね。

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松本:レコメンド後の実施は簡単にできます。

有園:勝手に変えられたら困る代理店も多いでしょうしね。御社以外のDSPデータもとれるんですか?

DFA、メディアマインドと連携

松本:DFA、メディアマインドと連携が実装済みです。第三者配信のアドサーバーを介してデータの取り組みは可能です。

有園:アフィリエイトや純広告も第三者配信経由でとれるわけですね。

松本:ポストクリック計測が主流ではありますが、第三者配信が可能な場合は、ビュースルー計測も可能です。

有園:第三者配信に対応しているバナーであればビュースルーのトラッキングもできるし、ヤフーのブランドパネルなどもクリックトラッキングで取得できる。メールも、HTML形式メールであればトラッキングできるということですね。

松本:テキスト形式メールでもリンクを入れていただければ取得できます。

フェイスブック広告も計測できる

有園:開封を計りたいときはHTML形式メールでしたね。イグニッションワンを入れると、オンラインのマーケティング施策については、タグがはれる限り計測できるわけですね。フェイスブック広告はどうですか?

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松本:できます。計測用リンクをいれればフェイスブック経由の導線も計測できます。

有園:計測用リンクは広告ではないフェイスブックのニュースフィードにも入れられるのですか?

松本:広告の一貫としてのフィードであればサポートしています。イグニッションワンからAPI経由で計測できます。さきほどのメルマガのような感覚ではっていただき外部に飛ばすときは計測できます。

計測できないもの

有園:計測できないものはありますか?

松本:スマートフォンのアプリです。

有園:御社のDSPはスマートフォンでも対応しているのですか?

松本:課題があり未対応です。

マーケットの様子

有園:御社から見た競合はどこですか?

松本:サーチはマリーン、ソーシャル領域でも展開されているKenshoo、デジタルマーケティングスイートだとアドビなどが方向性の似ているプレイヤーだと思います。

有園:日本での営業状況はどうですか?

松本:サーチはもちろんのこと、ディスプレイの部分が伸びています。直接の問い合わせも多いです。

有園:利用している広告主やアカウント数はどのくらいですか?

松本:現状200前後くらいです。

有園:資本関係のお話にも関連して、先日のMBOによって電通グループの100%子会社から離れられたわけですが、日本の広告代理店の人や業界の人たちは、イグニッションワンは電通しか取り扱えないようなイメージがありましたが、直接取引もできるんですね?

電通しか取り扱えない?

松本:電通・関連グループの皆さんとは引き続き良好なパートナー関係を築いていく方向に変わりはありませんが、MBO実施の背景には中立なポジションで広くサービス展開をしていきたいという思いが原動力になっているところがありますので、直接取引はもちろん、今までお取引のなかった代理店様とも積極的にお付き合いしていきたいと考えています。

有園:電通以外の広告代理店とも取引できるんですか?

松本:できます。そこは柔軟です。

有園:最後に伺います。イグニッションワンの開発の方向性やロードマップはいかがですか?

ディスプレイ版のポートフォリオ最適化

松本:バーティカルな話ですと、各分野の機能開発は1年先まで予定が埋まっています。DSPの配信、買い付けに関する「ディスプレイ版のポートフォリオ最適化機能」の実装を急いでいます。数か月以内に実現する予定です。ダイナミッククリエイティブにも力を入れていて、既に国内でも提供を開始しています。同時にユーザーの興味関心の高い商品を動的に表示する「レコメンダー」の機能もブラッシュアップをかけています。

有園:なるほど。

サーチとディスプレイを一緒に最適化

松本:あとは、今後、サーチとディスプレイの予算配分をできるかぎりオートパイロットというか、モデリングが終わって出てきた結果に対して、最適なお題を自動的に回す、サーチとディスプレイの配分も包括した最適化がおこなえる。このような状況に、現状サーチは出来ているんですが、ここにディスプレイが乗っかって、最終的にはサーチとディスプレイが一緒の最適化できるようにしたいですね。お題を一個入れればすべてが回るような。それが現状のゴールですね。

有園:いまの話を分かりやすく言うと、「お題」というのはCPAを1000円以下で回すとかそういうものですか?

松本:もしくは、投下する予算を入れて、それに対するリターンがどれだけ入ってくるかとうところの、目標値を設定するということです。

有園:そのとき普通、1000万円予算があったら500万円をリスティング広告、500万円をDSPというみたいに設定を人間がやって、その範囲で動いていくわけです。しかし、リスティング広告とDSPを統合した目標を設定し、1000万円という予算の中で効果が高ければDSPの予算が700万円になって、リスティング広告が300万円になるみたいなことを、リアルタイムに自動でやってくれるわけですか?

松本:そうです。

有園:裏でアトリビューション分析が回るのですか?

松本:そのとおりですね。現状、それに近いことを裏側でやっていますが、インターフェース側に反映させていくのがゴールの一つです。

分析から実行までを自動化

有園:データを一か月とか取得して、モデルを決めて、御社側で分析した結果、推奨モデルを導き出してくれて、そのモデルからリアロケーションしてレコメンデーションするという話が出ましたが、レコメンデーションを実行に移すということを自動でやろうとしているという理解でよろしいですか?

松本:はい。そこは理想形としてあります。

有園:今年中には実装してくるのでしょうか?

松本:今年中には頑張りたいですね。年内の大きいところとしては、管理画面の予算進捗のアラート機能の強化はもちろんしますし、アトリビューションのパスのレポートですとか、ビジュアルとして管理画面上で確認できるようにします。

有園:アトリビューションのパスのレポートというのは、コンバージョン経路のレポートということですね?

松本:はい。そのとおりです。

有園:ある程度、パターン化して見やすくしていくわけですね。それ、難しいんですよね。

松本:どうですか?

有園:御社くらい技術があればできると思います。

松本:いろいろな組み合わせのパターンがあって、それをある程度グループ化して、例えばディスプレイが前半強い傾向にあるとかを視覚化できるようにしたいですね。

動画の対応

有園:ちなみに、動画の対応はどうですか?

松本:動画のDSPの話もありまして、いま検証中ではありますが、進化も早い分野なので対応予定です。あとは在庫との兼ね合いで、どのくらい立ち上がってくるかが決まりますね。

有園:在庫というのは、動画の在庫のことですか?

松本:そうです。

有園:オーディエンスやリターゲティングのロジックで、動画が配信できるようになると効果が高そうですね。

松本:はい。

データマネージメントプラットフォーム

有園:今年のトレンドである、データマネージメントプラットフォームについても伺います。御社はCRMデータと連携できるそうですが、それってちょっとしたプライベートDMPに近い形になってくると思います。サイト内の動線がとれていて、そのクッキーIDと会員IDを紐づけて、CRMと連携するのが一つのプライベートDMPの形です。そうすると、御社のDSPの買い付けはBlueKai(ブルーカイ)などとも連携しているのですか?

松本:ケースとしては試しています。プライベートDMPにも注目していまして、方向性としてはそちらにも動いています。重要なのはファーストパーティデータ、サイト内のデータ、もしくはサイトですでにとられている会員のデータを、さらに活用しようとすることです。サードパーティのデータはボリュームがあるので、それをマージすることによってターゲティングの範囲が広がると思います。でも、それに対して入札のロジックをどう紐づけるかが課題になってきます。サイト内で取得したデータをブラッシュアップして、それに紐づけて、お客様が持っているデータを、まずは活用できるようにするのが先かなと思っています。「第三者のデータを連携しないの?」と聞かれることがありますが、まずはファーストパーティの部分でもっとできることがあると考えています。あとは、入札のロジックはブラッシュしやすいところなので、そこを研ぎ澄ましていくことがファーストステップかなと感じています。

有園:そうはいっても、DMPを日本で導入している企業はほとんどないですからね。いわゆる、第三者のサードパーティとしてのデータとかいう意味では、まだこれからということですね。

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松本:ディスプレイも盛り上がってきていますし、リスティング広告とディスプレイがようやく同じくらいの予算規模で取り組まれるようになりました。両輪で回して最適化をおこなえる時代にきているので、我々もビジネスチャンスだと思っています。機能も営業も強化します。アドテク大好きで新しいうねりの中に飛び込んでチャレンジしたい仲間を募集しています。

アドテク大好きでチャレンジしたい仲間を募集中

有園:絶賛採用中ですね。いまは何名くらい、いらっしゃるのですか?

松本:6名です。

有園:何名くらいにしたいのですか?

松本:ビジネスが盛り上がっていけば、倍にはしたいですね。

有園:けっこう売れているので人が足りなくなってきたわけですね。良いことですね。今後も御社の動向に注目しています。ありがとうございました。

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(END)

【イグニッションワンジャパンの概要資料ダウンロード】
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【アトリくんの視点】統合管理プラットフォームは、統合環境であるがゆえのメリットを活かしつつ、統合環境をさらに拡大するスピードを担保するために、内部で実装する機能部分と、外部ツールやデータとの連携部分の絶妙なバランスが重要だと思いますが、イグニッションワンはとてもいいバランスで進化している印象です。統合管理プラットフォームの最大の強みの一つは測定環境の一元化であるわけで、アトリビューションによる可視化も大きな部分ですね。定点観測しつつ、高速にPDCAを回して運用するユーザー企業の出現も先の話ではなさそうですね。松本さん、ありがとうございました!

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【国内コラム】オーディエンスアトリビューション時代の幕開け。認知からアクションへ、ユーザーを導くコンテンツの力は可視化された

昨年10月より大和ハウス工業の協力のもとデジタルインテリジェンス・インテグレート・日本ビジネスプレス・アタラの4社で始まった「パワーコンテンツ連動型アトリビューション・マネジメントプロジェクト」の報告会が実施され、Markezineにて紹介されています。

オーディエンスアトリビューション時代の幕開け。認知からアクションへ、ユーザーを導くコンテンツの力は可視化された
http://markezine.jp/article/detail/18272

本プロジェクトは「需要創造ということを観点に置いた場合は、やはりアーンドメディア、編集記事、そしてコンテンツというものが非常に重要になってくる」という考え方のもと、それらの効果を可視化するために行われたものです。
主な分析結果は以下のようになります。(Markezineの記事より転載)

・サイト来訪率を比較してみると、記事閲覧者は2.88%に対し、非閲覧者は2.73%。人数は圧倒的に非閲覧者の方が多いが、記事を閲覧した人のほうが、まわりまわって大和ハウスのサイトに訪れた率は高くなっていた。

・また記事閲覧した人で検索して大和ハウスのサイトに訪れた人の、一人あたりの検索した回数でみると閲覧3.16回、非閲覧2.21回となり、記事閲覧した人の方がより検索する回数が増えていることが読み取れた。

・そしてバナー広告のCTRでは、非閲覧0.14%に対して、閲覧者は0.29%という結果に。記事閲覧した人はかなり高い数値になっていた。またバナー広告をクリックして来訪した率も、人数ベースで比較すると、非閲覧0.29%に対して、閲覧者は0.41%であった。

・基本的にUUベースでみていくと、記事閲覧をした人がバナーに反応しやすく、あるいは検索を多くするようになっていることから、結果的にサイトに到達するようになっていることが見てとれた。

この結果をもって、「記事を読めば読むほど、CVRがあがる、検索経由で入ってくる人が増える」という報告結果となりました。この結果を受けてアタラ有園氏は、

アトリビューションの領域から言うと、今回のプロジェクトで行ったことはオーディエンスアトリビューションの初歩的なスタートだったと思う。

以前に横山氏と対談を行った時にも、オーディエンスアトリビューションという言葉を使ったのだが、ユーザーの思考や行動履歴に基づいてセグメントを作り、そのオーディエンスごとに広告配信を行った時にどういう効果がでるのか。今はバナー広告やアドネットワークなどの媒体別にスコアリングをして分析するメディアアトリビューションを行っているが、今後はオーディエンスごとにアトリビューション分析を行っていくことは可能になるだろう。

とアトリビューションの今後を示唆しています。
詳細につきましては、Markezineの記事をご覧ください。

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【アトリくんの視点】アーンドメディアやコンテンツなどアトリビューションの領域は「広告」を抜け出しつつありますね。「広告」に限ったことではなく、マーケティング全般の全体最適を担っていくのが今後のアトリビューションだと思います!

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Q3 どの程度の広告予算が必要?

金額よりもデータの量が重要。

広告費というよりCVに至るまでに経路しているデータ量が重要ではあるけど、あえて予算額をいうならば月額1000万円以上あると経験上、分析結果としても意味があると感じます。
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なるほどー、つまりデータの量が十分と判断できれば予算は大きい必要はないのですね?
(アトリ先輩・・・)
そのとおり!だから予算が少ないケースであれば、分析期間を長めに取ることで必要なデータ量を確保したりしているよ。
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Q2 分析開始するには、どういうデータが必要ですか?

経路のデータとコスト(費用)のデータが必要。

Q1でも触れているけど、第三者配信(3PAS)ツール側にて計測し、CVに至るまでの経路データは算出できるのですが、各広告の出稿金額がないと適切なリアロケーション(予算再配分)が分析できないので、必ず分析期間中のコストデータも必要となります。
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なるほど〜。データは細かければ細かいほどいいんでしょうか?
そうだね。より精度の高いリアロケーションが可能になるので、期間中の出稿金額の合計額のみだけでなく、なるべく最小粒度でデータとして算出した方がいいことが多いかな。
(リスティング広告=キーワード別出稿金額データ、それ以外の広告=クリエイティブ別出稿金額データ)
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