クロスリスティング

アトリビューション特別対談:株式会社クロスリスティング治田耕太郎、岡野敬太、石橋由美子×アタラ有園

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特別対談です!今回は、株式会社クロスリスティングにおいてデータ活用を推進するお三熊、もとい、お三方に業界のこと、アメリカのこと、自社における取り組みなど、いろいろお話を伺いました。熊キャラに対抗してアトリちゃんも初登場です。

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【主な内容】
・ アトリビューションという言葉がひとり歩きしていて危険だ
・ ad:tech SanFranciscoの印象:アメリカのアトリビューションは日本よりも進んでいるのか
・ アメリカではアトリビューションが単なるバズワードではなくなった
・ マーケティング(Marketing)ではなく、マーケティド(Marketed)
・ 検索ログは宝の山:「検索」はAISASのS(Search)だけでなく全ての部分に関わってくる

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有園:今回は、株式会社クロスリスティングの治田さん、岡野さん、石橋さんの3名をお迎えしてお話を伺います。最初に自己紹介をお願いします。

治田:治田です。私は19歳からこの業界にいます。最初は、ライコスジャパンというポータルサイトで検索クエリを見ながら、いわゆるディレクトリ検索を作っていました。その後、アイレップでサーチマーケティングのコンサルティングに携わった後、オーバーチュア(Overture:現在のYahoo リスティング)へ移りました。オーバーチュアではプロダクトやツール開発に携わっていました。

有園:オーバーチュア時代からアトリビューションに携わっていたのですか?

治田:まだ当時はアトリビューションという言葉が定着していませんでしたが、概念としては近いことをしていました。

有園:間接効果測定が注目され始めた時代ですね。

治田:はい。オーバーチュアの後は、モバイルのバーティカルサーチのベンチャー企業へ転職して日本以外の国のマネタイゼーションを一年ぐらいやった後、NTTレゾナントへ移り、現在はクロスリスティングに出向中という流れです。

有園:ちなみに、モバイルのバーティカルサーチとは?

治田:いわゆる、モバイルのショッピングサーチみたいなものです。

有園:クロスリスティングでは何をやっていらっしゃるのですか?

治田:実は、アトリビューションが本業ではありません。

有園:なるほど。

治田:でも、関わりはあります。検索データを使った広告以外のマネタイズ手法のひとつとして、データそのものに価値があると考えています。そのデータをどのように使うかというアウトプットの形がアトリビューション的なものだと解釈しています。

有園:19歳の頃からこの業界で活躍し、オーバーチュア時代に「アシスト」を日本へ導入したのが治田さんです。当時から、間接的、アトリビューション的な視点で考えていらっしゃったのですね。

治田:そうですね。紆余曲折した後にNTTレゾナントへ入り、いまはクロスリスティングでアトリビューション的な視点をもって検索データを分析しています。

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有園:いろいろとお聞きしたいですので、のちほど、お伺いします。それでは、次は、岡野さん自己紹介お願いします。

岡野:岡野です。私は2011年9月からNTTレゾナントに在籍し、現在はクロスリスティングに出向しています。主に新規事業開発を担当しています。治田と同じような仕事を治田と分担しながらやっています。

有園:同じような仕事とは具体的にどのような内容ですか?

岡野:検索データを使った新規事業を開発しています。そのひとつとして、分析サービスを立ち上げました。私は以前、NTTコミュニケーションズにいたのですが、そこではアフィリエイトサービスや音楽配信サイト、サッカー日本代表の動画が携帯で見られるサービスなどの立ち上げに携わっていました。

有園:昔から、マーケティングやプロモーションに深く関わっていらっしゃったんですね。

岡野:その経験を活かして今の業務をおこなっています。

有園:マーケティングやウェブサイト制作などを経て、クロスリスティングでは検索データのサービス化を手がけているわけですね。

岡野:そうです。

有園:それでは、石橋さん自己紹介をお願いします。

石橋:石橋です。私は2008年にクロスリスティングに入社し、弊社が提供するパソコン向け検索連動型広告(リスティング広告)「レモーラリスティング(REMORA Listing)」の代理店向けキャンペーン運用のサポートをしておりました。2011年の夏頃からリスティング広告運用の猛特訓を3ヶ月間受けまして、現在は検索ログデータを分析するチームにおります。

有園:猛特訓の内容も気になりますね。

石橋:極秘です(笑)検索ログデータの分析は2012年3月から始めています。

有園:実際に案件が入ってきたということは、検索ログデータを分析してほしいというニーズが増えている、ビジネスになり始めているということでしょうか?

石橋:社内やグループ内での分析から始めていますが、現在は社外のお客様から引き合いをいただいています。

有園:ちなみに、クロスリスティング入社前はどのようなことをしていらっしゃったのですか?

石橋:コンピューター系の商社で、データ入力専用マシーンのインストラクターをやっていました。

有園:データの取り扱いや活用に詳しそうですね。検索ログを調べる際「どのような視点で切り出すか」という仮説が描けないと、適切なアウトプットはできないと思います。膨大なデータを取り扱う上で、皆さんの前職での経験や培ったセンスが大変役に立っていそうですね。

石橋:ありがとうございます。

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それはアトリビューションとは呼ばないのでは?

有園:石橋さんと岡野さんには後ほど、検索ログデータの解析や、その結果を有効活用する方法について詳しくお聞きしたいと思います。その前に、治田さんにお話を伺いましょう。治田さんは、2011年10月4日にクロスリスティング、Fringe81、アタラの3社が共催したアトリビューションの専門イベント「Attribution Night 2011(アトリビューションナイト)」の発起人ですが、現在、日本で起きているアトリビューションの盛り上がりをどのようにお考えですか?

治田:アトリビューションという言葉がひとり歩きしていて危険だな~って思っています。

有園:実は、私も同じように感じています。

治田:アトリビューション分析に携わっているという方と話をしても、みなさん言っていることがバラバラで、なかには「それはアトリビューションとは呼ばないのでは?」と指摘したくなる方もいたりして。

有園:どのような点を「それはアトリビューションとは呼ばないのでは?」と感じたのですか?

治田:端的に言うと「ビュースルーコンバージョンがクリックスルーコンバージョンの5倍でした。だからアトリビューション効果がありました」みたいなことを言う人は、ちょっと違うのではと。

有園:なるほど。「ビュースルーコンバージョンの効果がクリックだけを見ているときよりもありました」と言われても、それは間接コンバージョンを数えていれば同じようなことが言えるということですね。

治田:そもそも「ビューをしてコンバージョンをした件数」と「クリックをしてコンバージョンした件数」は間違いなく前者のほうが多いです。

有園:たしかに。

治田:それを「アトリビューションをやったおかげだ」と言ってしまうのは、ちょっと違うのではないかと思います。

アトリビューションは対応するものではない

有園:そうですね。「コンバージョンパスデータを分析することがアトリビューション」だと思っている方がいらっしゃいます。コンバージョンパスデータをアウトプットできるようになったサービスを「アトリビューションに対応しました」と書いているプレスリリースもよく見かけます。

治田:ありますね。

有園:アトリビューションという言葉を使いたんだと思いますが、それはアトリビューションとは違うのでは?と思っています。

治田:そもそも、アトリビューションは対応するものではないですよ。

有園:おっしゃるとおりですね。

治田:「APIに対応しました」「無線LANに対応しました」と言うのとは違います。「アトリビューション」という言葉を使えば注目される、取り上げられやすいと思っているような気がします。

有園:私は、アトリビューションがきちんと浸透していないためにこのような状況になっているのだと思います。治田さんはアトリビューションをどのように認識していますか?

アトリビューションを単一の広告メディアの中だけで語ってはいけない

治田:難しいですね。忘れてはいけないのが「アトリビューションを単一の広告メディアの中だけで語ってはいけない」ということです。だから、先ほどの「ビュースルーコンバージョンがクリックスルーコンバージョンの5倍ありました」という話はアトリビューションではないのです。必要に応じて複数ユーザーのタッチポイントを可視化するべきです。それを、どのように活用するかがアトリビューションには含まれていなければなりません。具体的なやり方は業種によって様々だと思いますが、その観点が含まれていてこそアトリビューションだと考えています。

有園:オンラインの場合は、一人のユーザーが複数のタッチポイントに触れてコンバージョンした際、それぞれのタッチポイントがどのように貢献したのかをきちんと分析すること。それが、アトリビューション分析の基本かなと思っています。その後に、配分やクリエイティブの話になります。一般的に、初回、中間、ラストなどと言いますが、それぞれに対してどのようなクリエイティブをあてていくのか。コミュニケーション設計を含めて最適化していくのがアトリビューション・マネジメントだと思います。コンバージョンのパスデータを使った分析から得たものを有効活用するのがアトリビューション・マネジメントなのに、その手前の経路データを出すことをアトリビューションと表現している日本のツールベンダーが結構、多いですよね。

アトリビューションは広告主のためにある

治田:そうですね。私が一番危惧しているのは、アトリビューションという言葉が広告媒体側に都合の良いように解釈されて広がっていくことです。「コンバージョンする広告」が売れるのは当たり前ですが、現状はコンバージョンする広告が少ない。広告媒体側が「うちの媒体はビュー効果があります」という文脈でアトリビューションを語ることに危機感を覚えています。アトリビューションは広告媒体側の評価を助けるものではないと声を大にして言いたいです。

有園:なるほど。分析結果は広告主のマーケティング効果を最大化することに役立っていないと本質的には意味がないですね。

治田:そうです。アトリビューション分析をやった結果、本当に価値のない媒体やメディアが判別できるようになります。

有園:広告主側にとっては、媒体をふるいにかけるといった良い意味での新陳代謝が起きますね。価値のある媒体が分かると、媒体選びから施策までを適切におこなえるようになります。例えば、日経BPであればBtoBのお客さんと相性が良いですし、Yahoo! JAPANは一般コンシューマー系の検索ボリュームがあるのでBtoCに強いといった区別ができたり。

治田:日経BPであれば、ウェブサイトのコンテクストと広告主のコンテクストを合わせることが必要です。

有園:そうすると、アトリビューションは広告主のものであり、複数のタッチポイントを分析して貢献度を割り出していくことだといってもよいかもしれませんね。これは、分析手法は異なるが、オンラインだけの分析であっても、オフラインを含んでいるケースでも同じでしょうね。

治田:そうですね。

有園:2012年に入ってから日本でも、オフラインを含めたアトリビューションのニーズが増えています。アメリカでは、Market ShareやVisual IQなど複数のアトリビューションベンダー企業がオフラインでのアトリビューションについて語り始めています。オンラインの場合はコンバージョンに至る経路を分析するのが主流です。しかし、オフラインを含めたものは数理統計的な相関分析や確率論のベイズ統計を使ったモデル化なので、伝統的なメディアミックスモデリングなどと手法は本質的には変わりません。

治田:扱えるデータが増え、深さが変わりましたね。

有園:CRMと連動して、店頭の販売とテレビ、そしてオンラインのデータを結びつけ、仮想のシングルソースのような状態のデータベースを作り上げて分析できるようになりました。技術的にオフラインを含めたアトリビューションができるようになりました。

治田:そうですね。

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アメリカのアトリビューションは日本より進んでいるのか

有園:そこで気になるのが、アメリカのアトリビューションはどのような状況にあるのか、ということです。治田さんはad:tech San Francisco 2012へ行かれたそうですが、そのあたりはいかがでしたか?

治田:日本よりもアメリカのほうが技術的にも先をいっていますが、それは想定の範囲内です。アメリカは、アルゴリズミックやオートメーションの部分が進んでいます。でも、日本と全く違うわけではないので大差は感じません。

有園:4月のad:tech San Francisco 2012で発見はありましたか?

治田:「自分の考えていることは間違っていない」ことを再認識できたのが一番の収穫です。

有園:なるほど。

治田:アメリカのほうが進んでいる部分は沢山ありますが、進んでいる部分も自分のベクトル上にあり、しかも距離は離れていないと感じました。

有園:たとえば、動画配信の効果分析について何かありましたか?

治田:実は、私もアメリカへ行く前はリッチメディアの解析や効果分析の話を楽しみにしていたのですが、残念ながらその辺の話は全く出ませんでした。そこが意外というか、日本がアメリカに先行できる部分かなと思いました。

有園:なるほど。

治田:あとは、アトリビューションのコンサルティング会社の存在感が増していたことを付け足しておきます。AdometoryやEncore Mediaなどのアトリビューションコンサルティング企業が登壇する際「いまやホットトピックになりましたアトリビューションのエキスパートの方々に登壇していただきます。どうぞ」といった紹介のされ方をしていました。専門分野としての知見が求められていると感じました。

アトリビューションが単なるバズワードではなくなった

有園:アトリビューションが単なるバズワードではなくなったということですか?

治田:間違いないです。2011年8月にSESへ行ったとき、Google アナリティクスのコーナーで「Multi Channel Funnels」(マルチ・チャンネル・ファンネル)という機能が紹介されました。いわゆるクリックパスが取れる機能です。それを世間はアトリビューションだと言い始めたんです。その時に「アトリビューションってどうやるんだろう」「これ、流行るのかな?」という状況になったわけです。

有園:いわゆる、きっかけですね。

治田:そのエマージングからホットトピックになったと感じています。

有園:なるほど。

治田:エマージングからホットトピックになって、ポピュラーになって、最終的にメジャーの階段を上れるかは今後次第だと思います。

お客さんのライフタイムバリューを上げる「マーケティド(Marketed)」

有園:キャンペーンマネジメントのプラットフォームとして第三者配信を考えてもらう時に必要な要素の一つとして、CRMとの連携があると思います、その辺のデータ連携の盛り上がりはいかがでしたか?

治田:アトリビューションという言葉が一番多く出てきたセッションはEメールでした。刈り取ったカスタマーへ購買データなどの情報をセグメントして提供し、カスタマーのライフタイムバリューを上げる方法を考えた時、効果があるのがメールであると。カスタマーをよりマーケティド(Marketed)なカスタマーにするには、どのようなアトリビューションをおこなうべきかという文脈が非常に多かったです。

有園:マーケティド(Marketed)というのは、具体的にどのようなことを示すのですか?

治田:マーケティング(Marketing)という言葉はマーケット(Market)の進行形です。つまり、お客さんを自分の市場に招き入れるというイメージです。その後、招き入れてコンバージョンしたお客さんに対してライフタイムバリューを上げる施策が「マーケティド(Marketed)」です。マーケティド(Marketed)する人を、マーケティドカスタマー(Marketed Customer)と呼ぶように定着しないかなと密かに思っています。

有園:ナーチャリングみたいなことですね。

治田:そうです。以前、有園さんがおっしゃっていた顧客育成、顧客教育に近いです。コンバージョンした後にそういった動きが必要であるという考えです。いずれはコンバージョンした後のアプローチに力をいれる傾向になると思います。実際、アメリカではそういった傾向が見え始めています。

アトリビューションとEメール

有園:ライフタイムバリューを上げるために、より顧客をマーケティド(Marketed)するために、アトリビューションの貢献度を考えた施策が始まっているわけですね。先ほどのメールのセッションの例は、具体的にどのような話ですか?

治田:2011年か2010年に、ユナイテッドエアラインがコンチネンタルを買収し、マイレージプログラムを統合することになりました。そもそも、この二社はユーザー属性が違うので、これを機会にユーザーを徹底的にセグメントすることになったのです。各ジャンルに分類して、それぞれに適切なEメールの文章、コンテンツ、配信タイミングでメールを送ったところ、従来の費用対効果と比較して9倍以上の改善が見られた、というケースがありました。

有園:興味深いですね。

治田:DSPの解説でCRMリターゲティングという言葉も出ていました。

有園:最近では、メールでのアプローチを最適化する事業を行なっている企業がCRMデータや配信技術と連携することによって、様々なパターンでのアプローチをしていると聞きます。ユーザーがバナー広告経由でウェブサイトを訪れてコンバージョンした場合、コンバージョンしなかった場合でアプローチは違います。リターゲティングで追い、資料請求をした方にはそれ用のメールを送る。マーケティド(Marketed)したお客さん向け、マーケティド(Marketed)しそうなお客さん向け、マーケティド(Marketed)しそうにないお客さん向け、とアプローチを分ける時代になってきました。

治田:そうですね。例えば、Aに興味のあるユーザーが、Aに関するウェブサイトでAの広告を見た場合と、Aと関係がないBというウェブサイトでAの広告を見た場合では見え方が違います。もちろん、Aに関するウェブサイトでAの広告を見たほうが良いです。だから、AとBのウェブサイトでのビューを同じ1ビューとカウントするのはどうかと思います。違うものとして考えるべきです。アメリカではその辺は重要視されていますね。

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検索ログは宝の山

有園:話は変わりますが、私はお客さんから「コンバージョンした後は検索行動も変わるのですか?」と質問を受けます。たとえば、ある住宅メーカーさんでは、実際に住宅を購入した後と前とではその住宅メーカーのウェブサイト上での行動パターンが異なるはずで、それを分析できないかという話しがあるのですが、同じように、住宅購入以前と以後では検索行動も異なるのではないか?そのようなデータを有効活用してターゲティングできないか?みたいな質問をクライアントから受けることがあります。御社では検索ログデータを分析していらっしゃいますが、具体的にどのような分析をしていますか?担当の石橋さん、いかがでしょう。

石橋:検索ログ分析サービスの説明をクライアントにする際、「検索」はAISASのS(Search)だけでなく全ての部分に関わってくるという話をします。

有園:A(Attention)、I(Interest)、S(Search)、A(Action)、S(Share)のすべてに、検索は関わってくるということですね。

石橋:そうです。クロスリスティングでは、ユニークユーザーの行動を時系列で追えるので、ユーザーがどのようなキーワードをどのようなタイミングで検索しているかが分かります。そのログデータをもとに、より良いアプローチ方法を模索したり、ユーザーの悩みやウェブサイトの抱える問題を解析して解決策を考えたり、広告の影響度を調べてアトリビューションの重み付けに役立てていただいております。

有園:最近の発見はありますか?

石橋:検索ログはユーザーの行動をいろいろな面から見られるので、消費行動のデータマイニングの一環として分析でき、一般的なマーケティングとは異なる手法がとれます。検索ログ分析から、ユーザーの行動を把握すると、ユーザーがコンバージョンする場所が見えてきます。そうすると、あとはコンバージョンする場所へ導くアプローチを考えるだけです。

有園:なるほど。いろいろなデータを分析してデータマイニングを行なっているわけですね。岡野さんはどのようなことをやっていらっしゃいますか?

岡野:検索ログを使って広告の効果を測定したり広告を改善したりするだけでなく、マーケティング全般にも広く使える分析サービスの企画をしています。

有園:具体的にどのような使い方をしているのですか?

岡野:新しいサービスを立ち上げる案件の場合は、市場調査の観点でマクロから検索傾向を分析します。また、会員制サービスを提供している場合では、ミクロで会員一人ひとりの検索ログから検索傾向を分析します。検索ログを使えばかなり広い解析ができますし、退会の可能性等も把握することができます。

有園:携帯電話で例えると、auの携帯電話を使っているお客さんがソフトバンクに関するキーワードを検索し出したら、auを解約してソフトバンクに乗り換えてしまう可能性があるということですね?

岡野:そのとおりです。現在も会員の方とすでに解約した方のデータに絞込んで、それぞれの傾向を分析して、比較すれば対策も練りやすくなります。

有園:実際にやってみていかがですか?

岡野:まだノウハウを溜めている段階ですが、あるサービスを解約した方は、解約する前に競合他社のサービス名で頻繁に検索をする傾向があります。品質や価格とのアンド検索をする方も多いです。検索ログを見れば解約理由まで把握できるようになっています。

有園:ユーザーの傾向を把握して問題が把握できれば、そこに最適なアプローチをすることで解約を回避できるかもしれないということですね。

岡野:そういうことです。

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有園:すでに、そのようなサービスは他にもあるんですか?

治田:YahooやGoogleはやろうと思えばできると思いますが、今のところはやっていないですね。

有園:となると、クロスリスティングを使わない手はないってことですね。

治田:そうです!

有園:検索ログデータの分析でもコンバージョン後の検索行動に着目しているということで、アトリビューションが単なるメディアプランニングの最適化から、マーケティド(Marketed)するためにメールや検索ログデータを活用してモデル化する段階に入ってきたことを感じます。

アトリビューションを流行で終わらせてはいけない

有園:ところで、まだまだ深くお伺いしたいテーマなのですが、時間がなくなってきました。最後に、それぞれ、メッセージをお願いできますでしょうか。

治田:結局はマーケティングです。アトリビューションという言葉が注目を集め、画期的なサービス、最先端なツールであると騒がれています。でも、実際は昔からある考え方のひとつでしかありません。可視化できるひとつの方法論としてアトリビューションが存在していると思っています。本質的には、それはやって当たり前なことであって、概念としてはさほど新しいものではありません。だから、「これはすごい」「きますよ!」とか言われることに違和感と危惧を覚えます。このままでは単なるブームで終わってしまうのではないかと心配しています。

岡野:私からは、最後に検索ログを使う3つのメリットを紹介します。1つめは、検索ログには具体的で詳細な消費者のインサイトが入力されていること。2つめは、自社と接点がない部分の情報が得られること。3つめは、ほとんどフィルターがかかっていない人たちが分析の対象であること。謝礼目的の人とは違い、非常にリアルで面白いデータです。メリットの多い検索ログをぜひ活用していただければと思います。

有園:ありがとうございます。では石橋さんお願いします。

石橋:以前、有園さんがどこかで「素晴らしいマーケティングプランを練っても、商品やウェブサイトに問題があれば意味がない」とおっしゃっていましたが、まさにその部分が重要だと思っています。商品やウェブサイトの抱える問題が検索ログを見ることによって浮き彫りになります。マーケティングプランを練る前に、検索ログをチェックしていただきたいです。

有園:Twitterやブログなどで語られている自社のサービスや商品の問題、お客様の声を拾いましょうという話があります。検索ログを見れば、検索行動に現れる消費者の声がリアルに把握できますね。

石橋:検索をするときに他人の目は気にしません。でも、ソーシャルメディアでの情報発信は人に見られる前提でおこなっています。ある意味、セーブされた表現のはずです。だから、検索ログのほうがより本音に近い、生身の声だと思います。

有園:面白い視点ですね。治田さん、岡野さん、石橋さん、ありがとうございました。

聞き役: 有園 雄一(Yuichi Arizono)
Google+

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(END)

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【アトリちゃんの視点】アトリビューションという言葉や定義の一人歩き現象はよく耳にするようになりました。新しい取り組みによくある現象ですが、きちんと理解した上で使われるように働きかけていきたいですね。Marketedの考え方は興味深いですね。顧客育成するための中間施策/KPIについてもよく語られるようになったので自然な流れなのかもしれません。それにしても、検索ログに触れたことがある身としてはクロスリスティングさんの検索ログデータ、ものすごくインサイトが豊富だと理解できますし、何と言っても見てみたいですね〜w 治田さん、岡野さん、石橋さん、ありがとうございました!

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特別寄稿:ad:tech San Franciscoから〜米国アトリビューション最新事情(クロスリスティング)

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2012年の4月3日から4月4日にかけて、カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「ad:tech San Francisco」に参加してきました。今回は特にアトリビューション関連にフォーカスして、米国におけるアトリビューションマネジメントの現状と今後の展望についてレポートをしたいと思います。

Hot Topicになった”Attribution”

私は2011年の8月に開催されたSES San Franciscoにおいてもアトリビューション関連のセッションや情報を収集し、レポートを寄稿させていただきました。その当時はGoogleがGoogle AnalyticsにMulti-channel Funnelというアトリビューション分析を可能にする測定機能が実装されたこともあり、さながら「アトリビューション元年」とも言える状況でした。ただ、その当時のレポートにも書いた通り  

『ただし、ツールや測定環境が普及し始めていること、およびアトリビューションに注目が集まっていることと、多くのマーケターがツールを使いこなしてアトリビューションマネジメントを行っている、ということとは違うことである。筆者自身、登壇者の発言ほど聴衆側がアトリビューションに対して経験値を蓄積しているとは感じられなかった。』

という状況で、2011年の8月というタイミングは「概念としてのアトリビューションが普及し始めたフェーズ」とも言える状況でした。

約半年経過した今回のad:techにおいて、私が今回出席した各セッションでモデレータが異口同音に発していた言葉として”Hot Topicとしてのアトリビューション”という台詞がありました。”Hot Topic”とは「注目の話題」という意味となり、昨年のSESでは、まだ曖昧模糊としていたアトリビューション、という位置づけと比べて、やはりアトリビューション分析に対する注目度が高まっているという印象を受けました。
理由としては、企業のソーシャルメディア活用が一般化し、またDSP/RTBの進展により、企業と消費者のタッチポイントが指数関数的に拡大している現状で、ラストクリックだけを評価するのではなく、それぞれのタッチポイントがどのように消費者に作用したのかを把握することが重要である、認識が高まっているということがあります。

予算配分「だけ」が目的ではない

今回最も印象的だった部分は、米国のアトリビューション分析の目的が必ずしも、広告予算の再配分「だけ」では無いという点です。今回アトリビューション関連の話をしていたスピーカーがほぼ全員、アトリビューション分析の結果、予算の効果的な再配分が行えるということは確かにメリットの一つだが、最も重要なことはより深いMarketing Insightがわかってくるという、「分析自体の価値」を語っていたことが大変印象的でした。

無論アトリビューション分析の結果、予算の再配分を行うことでさらに改善する、という点が一つのアウトプットの形として存在することは間違いありません。ただ上記以外にも、実際にメディアプラン上意図していた広告が当初予期していた役割を本当に達成されているのかを検証する、という点も重要視されています。極端な例を挙げると、当初刈り取り目的(CPA)で掲載をしていたリターゲティングの「効果」は本当に”Closer”(ラストクリック)だったのか、ないしはラストクリック以前の”Promoter”としての役割だったのかを検証するということになります。
その結果として、予算の再配分だけでなく、掲載以前にそれぞれの広告メディアに期待していた「意図」の見直しやディスプレイ広告のクリエイティブ改善、ランディングページ改善などを行い、現状の予算配分はそのままに効果の最大化を目指すという取り組みが見られたことは注目に値するでしょう。

より高度な統計モデルへ

今回セッションに登壇していたいくつかの企業とad:techのブースに併設されているMeeting Roomにて、より深いアトリビューションの分析手法についてもインタビューすることが出来ました。

とくに”Beyond the Last Ad: Better Decisions Through Better Attribution”というセッションに登壇したAdometryの場合、第三社配信サーバのデータや効果測定ツールのデータなど、全てのネット広告におけるタッチポイントを取り込み、固定での重み付けではなく、ベイズ推定に基づいた一種「動的」とも言える重み付けの計算を行い、アトリビューション分析を行っているということでした。しかし大量のデータを取り込み、高度な分析をすればするほど、分析コストはかかってしまい、実際のところアトリビューション分析をするべき広告主とするべきでない広告主が存在するというのも事実で、ある種二極化とも言える現象が発生しているとも言えるでしょう。

最後に

アトリビューションについてのセッションの中や、Meeting Roomで話をしている中で出てきた話題として、CPA重視、ラストクリックモデルがシンプルであるが故にネット広告運用のスタンダードとなっている現状の中で、アトリビューションという取り組みが理解されづらい、という点が問題であるという議論がありました。さらに上記にもある通り、アトリビューション分析と、そこから導きだされるマーケティング施策が必ずしも全ての広告主において有効ではない、という現実もあります。
つまり、アトリビューションはラストクリックモデルと比較して「良い」とか「悪い」という物ではなく、TPOに応じて適切に選択するべき一つのオプションである、と言えるます。最終的にアトリビューションは選択するかどうかはさておき、選択を検討する価値がある状況にまで進化しているといえるでしょう。
ネット広告の運用において、自社の現状がどうなっているのか?そこからどう改善できるのかという、いわゆるPDCAサイクルをどうまわしていくのか、という課題は今までも、そしてこれからも存在し続けます。実際に自社に導入するかどうかはともかく、一度は自社のマーケティング施策に対するアトリビューションの導入は、考えてみてもいいかもしれません。

以上

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株式会社クロスリスティング
ビジネスディベロップメント ディレクター
治田耕太郎

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【アトリくんの視点】↑ロゴが大きい!熊襲来!Big cheese!もとい、クロスリスティングの治田さん、お久しぶりです!Attribution Night以来ですね。アトリビューション本へのコラム寄稿もありがとうございました。ad:tech San Francisco参加ご苦労様でした。そして寄稿文ありがとうございます。予算配分だけが目的ではないのはその通りですね。施策の見える化から得られるinsightを使ってプランを再構築するアプローチは色々あると思います。モデリング等も次のフェーズに移りつつありますね、米国は。ますます注目です。ありがとうございました!

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Attribution Night 2011のパネルディスカッション

2011年10月4日に開催されたAttribution Night 2011でのパネルディスカッションをテキストにしました。

パネラーは、以下の3人です。
アタラ合同会社 有園雄一
株式会社クロスリスティング 治田耕太郎
Fringe81株式会社 田中弦

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有園:まず最初に、今日これだけお客様に来ていただき、アトリビューションは非常に盛り上がっている印象です。今日は3名のプレゼンもあり、アトリビューションに対して前向きな話をしてきました。アトリビューションがこれから普及していくにあたって、それぞれ課題に感じている点もるかと思います。パネルディスカッションでは、その辺のところを聞いていこうかと思います。田中さん、治田さん、よろしくお願いします。

田中:さっそくですが、新しいことをやっているので色々と課題はあります。まず、第三者配信。つまり、ビューデータを取るための課題があります。それは、メディアの受け入れ度合いという所かと思っています。

有園:メディアの受け入れ度合いですか?

田中:メディアが第三者配信で「配信しても良い」と言っていただけるかどうかというところは、「まだちょっとポリシーが固まってないんだよね」という方もいらっしゃいます。反対に「ぜんぜん大丈夫ですよ」というメディアさんもいらっしゃいます。そのあたりの足並みは、今後そろってくればなぁと思います。

有園:そこに関しては以前、「メディアは9割がた、第三者配信を受け入れOK」と聞きました。あってますか?

田中:それはあっていますが、やはり受け入れてないところもありますので。。。

有園:分かりました。各社さんでポリシーがあり、難しいところもあると思います。おおむね、ほとんどのメディアが受け入れてい状況ではあると?

田中:そうですね。ほとんどのメディアさんで受け入れは進んでいます。やっぱりビューの力は偉大です。今後はデータとしてきっちり主張できるようになります。なので、メディアにとってもこれはポジティブな話しだと思います。クリックがどの位あるという話しに加えて、「ビューをこれだけ見せたら、このぐらいサーチがありましたよ」というのは、メディアさんにとっても、主張すべきポイントだと思います。

有園:アトリビューションの視点から言うと、第三者配信エンジンを入れることは重要ですし、広告主側も第三者配信エンジンを使っての配信は必要だということですね?

田中:はい。

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有園:他に課題というと、どんなことが考えられますか?治田さんいかがでしょう?

治田:今日はネット専業に限らず、広告代理店の方もいらっしゃると思います。まず、大きく弊社の視点で言うと二点問題があります。一点目が、いわゆるリスティング広告とかディスプレイ広告というところで、いわゆるメディアごとの営業ファンクションや提案ファンクションが分かれているという所です。結局、アトリビューションをやる上で、横のつながりをきちんと視覚化しなければなりません。そこへのアプローチが、はたしてできているのかという点は、個人的に気がかりに思っています。二点目は、結局のところ「アトリビューション」と言うと聞こえはいいのですが、分かりやすく言うと、「消費者の行動をどれだけストーキングするか」という話と一歩間違えれば同じです。そうなってくると、プライバシーの議論であるとか、クッキーの整理だとか、そいった部分を業界を挙げて整備する必要性があると思っています。

有園:今の話は、クッキーが入ってる限りは、ずっとユーザーの動きが取れるようになっているということで、それがストーカーのようだということですね。このあたりの話って、アメリカの方ではどうなっているのですか?

治田:実際にアメリカの方では、NAI(http://www.networkadvertising.org/)やDAA(http://www.aboutads.info/)といった業界団体が一括してクッキーをオプトアウトするといったことが、標準としてやられています。しかし、残念ながら日本では、クッキーを共通でオプトアウトしてユーザーのプライバシーを守っていこうなどといったところは、出遅れているのが現状だと思います。

有園:NAIとかは、ポリシーや基準を作っているのですか?

治田:厳密に言うと、ポリシー自体は、いわゆる業界各社あります。消費者に対してクッキーを無効に出来る機能を提供している場所が、日本にはないというのが最大の問題かなと思います。

有園:いつも同じ広告が出てきて、ストーカーみたいな感じを与えて、ユーザーから嫌われる。そういう部分の整理が必要ということですね?

治田:そうですね。

有園:アトリビューションが盛り上がっていく上で、他に課題として感じている点はありますか?

田中:アトリビューションに対する適切な日本語の訳語がありません。これも普及の課題としてはあるのかなと思っています。

有園:言葉の問題はありますね。私も「アトリビューションスコア」と呼んだりしてますが、アトリビューションの訳語はあんまり考えていませんでした。いい翻訳があったら教えてほしいですね。

田中:「コンバージョン」は「成果」って訳しやすいです。しかし、「アトリビューション」を「属性」とは訳しません。

有園:「アトリビューション」は「貢献度」でいかがですか?ちなみにアルクの「英辞郎」という辞書があるのですが、あそこで「Attribution Analysis」と調べると、「要因分析」と出てきます。もともとは、ネット業界ではなく金融業界で「アトリビューション分析」という言葉が存在するようです。どの要因で、何が、どれだけリターンがあったかという点を分析するという話です。インターネット広告業界では、Conversion Attribution などという言葉がありますが、私は「コンバージョンへの貢献度」と呼んだりしているのですが、私自身は「アトリビューション」を翻訳せずに「アトリビューション」で広めちゃえばいいと思っています。

田中:未来について話をしましょうか?

有園:未来の話と言えば、アトリビューション分析をやる際、データ量がすごく多いので大変です。分析するのにサーバーなどを用意しなければなりません。そうやって分析をするとお金がかかるのです。アトリビューションが普及するためには、もっと安くできるかどうかが非常に大きな問題かと思います。

田中:弊社では現在、第三者配信エンジンの提供自体は多分一般的な値段の三分の一くらいの値段でご提供しています。コンバージョンパス分析も、どういう所から来ているのか、しかもそれをちゃんと五分類に類型化して、シンプルな意思決定が簡単に出来るようなツールも開発しています。いろいろな広告主さんに使っていただけるよう、まずは普及を前提に安い値段を設定したいと思っています。

有園:そうすると近い将来、御社の第三者配信エンジンを使うとコンバージョンパスデータが安く手に入るようになるということですか?

田中:そうです!

有園:ありがとうございます。実は、私はデータを受け取って分析する側なので、必要なデータが安く手に入らない限り、アトリビューションは普及しないと思っています。治田さんに質問です。先ほど、プレゼンされた態度変容についての検索データは、趣味でなさっていることだと伺いましたが、その趣味は今後ビジネス化していくのですか?

治田:今回も弊社スタッフを駆り出しているので、そろそろ趣味の域を卒業しますという意思表示として受け止めていただいて構いません。先ほど言ったプライバシーの話ですとか、いろいろな調整が済めば、弊社としては先ほど見せたデータを外部にご提供するということは検討しております。実際、弊社のレモーラリスティングに掲載していただいていれば、大概のクライアントであのデータを取ることは出来ると思います。そういう意味では、特にコンバージョンパスが長い広告主様あたりは、いまのうちにレモーラリスティングを出稿しておいた方が、今後何かと良いのではないかと思います。

有園:なるほど。レモーラリスティングを出稿していないと、そのデータは得られないのですよね?

治田:当然、弊社のコンバージョンタグが入ってないと追えないので。ただ、データの提供方法はいろいろあると思っています。最終的には、出来るだけカジュアルに提供するというのは方針として考えています。それで暴利をむさぼるということは基本無いです。

有園:いずれビジネスに繋がっていくということですね。態度変容とかがある程度見えるようになって、第三者配信エンジンが入っていればビュースルーでのコンバージョンに至る過程も見えてくる。これが、来年には一般化するかも、と考えておけばいいですか?

田中:弊社のデータを見る限りでは、明らかに80%くらいはブルーオーシャンです。結構なインパクトがあると思っています。弊社は、一般的な効果測定ツールと同じような値段でやっています。相当カジュアルに、この価値が上手く提供できて、成功事例が出てくれば一気に広まるのではと思っています。

有園:アトリビューション分析、あるいはアトリビューションのマネージメントをやることによって、どんな効果があるものでしょうか?例えば、コンバージョンが増えるとか。メディアや広告主、そして広告代理店のそれぞれに対して、どんなメリットがあると考えていらっしゃいますか?

田中:個別最適の時代は終わったと思います。ディスプレイとサーチと、変な話メールもアフィリエイトも、全部が顧客接点です。その顧客接点をどうやって組み合わせていくか。テレビや雑誌も同じだと思うんですよ。データを全部かき集めて、すべて最適化していく時代になっていくと思っています。それぞれ良いところ、悪いところ、得意なところ、不得意なところがあります。それぞれをパーツとしてシンクロしていくことになるでしょう。すべての人が関係しているし、関係ない人はいないと思います。

有園:関係ない人はいないということは、上手くいけばすべての人に対してメリットがあるということですか?

田中:個別最適でも、やるべきことはまだまだあります。が、組み合わせて初めて見える世界もありますし、実際に効果も出てきています。

治田:最終的に、インターネット広告はダイレクトレスポンスに偏りがちじゃないですか。有園さんのプレゼンでもあったように、結局はアトリビューション分析することで、コンバージョンの母数が上がってきますよと。コンバージョン母数が上がってくるということは、ダイレクトレスポンス系の広告である以上は、市場の拡大を意味するはずなんです。そうなってくれば、媒体ですとか代理店だとか広告主の三者三様のメリットは絶対にある訳ですし、結局それにかかるコストとそれに対するリターンがどれ位のバランスで均衡するかは正直やってみなければ分からないと思います。少なくとも、先ほどの田中さんの説明にもありましたように、80パーセントはブルーオーシャンで手付かずの領域である以上は、ちょっと頑張るだけでまだまだ開拓する余地はあるということは間違いないかと思っています。

有園:アトリビューション分析をすると、広告主も媒体社も両方ハッピーになれる可能性がある。もちろん、そこの間に入っている広告代理店にもメリットがあるということですね。上手くやれば、すべてのプレイヤーにある程度メリットあるものが提供できますね。分析していて分かることですが、媒体社または媒体の枠によっては、出稿を増やした方がいいと評価されるものもあります。その一方で、ここはコンバージョン率があまり上がっていない、初回、中間を見ても、あるいはビュースルーを見ても繋がっていないので、ここの出稿は止めようというふうになる所も出てきます。なので媒体社によっては、お金という部分で経済的なメリットがあるところもあれば、全然効果が出ないというところもあります。そういうところは、どんどん使われなくなっていく可能性も、アトリビューション分析によってさらに出てくるのかなと。媒体がきちんとメリットが出せるように考えていかないといけないだろうなと感じています。

治田:そう思いますよ。

有園:他に第三者配信エンジンというところでアトリビューションに関わっているのですが、なぜ田中さんはアジテートするのですか?

田中:面白いじゃないですか。市場を変革することってワクワクします。だからやってます。

有園:田中さんは革命だと仰っていますが、革命のポイントを教えてください。

田中:やっぱり個別最適から、組み合わせ最適へ、これにつきますよね。結局、個別最適はタレントをいかに一生懸命そろえるか、巨人軍みたいなやり方だと思います。でも、組み合わせ最適はチームプレーなのでそのチームプレーをいかに上手くやれるかというと、市場は変わりやすいのかなと思ってます。

有園:第三者配信をやろうと思ったきっかけと、アトリビューションに注目したきっかけって違うような気もするのですが。もともと、第三者配信をやろうと思った時からアトリビューション分析に注目してたのですか?

田中:僕はどちらかというと検索の人ではなくてバナーの人なので、バナーが完全に貶められてるという部分が許せん、というのがありまして。それがきっかけです。

有園:バナーの価値をより上げるためにですか?

田中:それもありますね。やっぱり媒体社にとってバナーって売上を上げる主力だったりするので、そこの価値を再構築するっていうのはテーマとして非常に面白いなと思っています。

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有園:同じ視点ですが、治田さんは、クロスリスティングさんにいて、どうしてアトリビューションに注目されたのですか?

治田:もともとはオーバーチェア時代に提供していた「アシスト」という機能というか数字から、いわゆる直接コンバージョンに至らなかった広告接触をどう評価するかという部分を趣味としてずっと考えていたわけです。それで、先ほどの態度変容の話というのは、別にリスティングの話ではなくて、検索ログから消費者の悩みって見えるよね、というのを明示しただけであって、そこにリスティング広告を介在する必要性は無いわけです。ただ、最終的に消費者の行動をきちんと見ることをしないで、アトリビューションがその後広がるかと言ったら多分広がらないと思います。その上では、あのデータは皆さんにとっては使い勝手があろう物なので、我々としてはそれを適切な形で提供して、適切な形で我々が収益するという流れに持って行きたいです。

有園:オーバーチェアの頃からというと、4、5年前からですか?

治田:厳密に結うと、2005年からですね。2005年から日々寝る前の30分、どうやって間接的な効果を測定しようか悩んでました。

有園:「アシスト」という言葉が出たので、ここは確認しておきましょう。「アシスト」とか「間接効果」と「アトリビューション」はちょっと違うという話も出ますが、治田さんどうお考えですか?

治田:間接効果という言葉自体は、正直もう終わりにした方がいいと思います。インターネット広告をやる以上は、絶対に何かしら目的があるはずです。その目的に対して、それぞれのタッチポイントがどう貢献したのかという部分を、統合的に分析しなければ意味が無い。これは間接的に貢献しましたよ、これは直接的に貢献しましたよ、という話ではなくて。先ほどの有園さんの話ではないのですが、それぞれがそれぞれの役割を演じた結果の目的達成であって、役割を果たしたのであれば全部効果でいいじゃん、という話です。

有園:間接とか直接とか言わなくても良いのでは、ということですね。

治田:「アトリビューション」を「間接効果」って言う人は、ちょっと観点が違うと個人的には思っています。

有園:なるほど。ちょっと時間がなくなってきましたので、それではここで、質疑応答に入らせていただきましょう。せっかくなのでこの3人に聞いてみたい事がある方は挙手をお願いします。

【以上】

*録音音声の関係で、この後の質疑応答セッションは割愛させていただきます。何卒ご了承願います。

当日の資料です。

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オンラインマーケティングは新段階「ホリスティック」へ–SES San Francisco 2011レポート

SES San Francisco 2011の参加レポートをクロスリスティングの治田さんとアタラ杉原が共同で執筆しました。

アトリビューションはますます大きなテーマになりつつあることを実感しました。

オンラインマーケティングは新段階「ホリスティック」へ–SES San Francisco 2011レポート
http://japan.cnet.com/news/commentary/35007023/

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【正式告知】Attribution Night 2011の開催について

10月4日開催 クロスリスティング、アタラ、Fringe81共催イベント
「Attribution Night 2011」
「そもそもアトリビューションって?」「測定方法はどうするの?」「態度変容ってどう見るの?」「広告を最適化につなげるためには?」そんなアトリビューションに関する「?」を、コンサルティング企業のアタラ合同会社、広告配信事業のFringe81株式会社、株式会社クロスリスティングの3社が解説します。
プレゼンテーション終了後には、同会場で懇親会も実施いたします。皆様のご来場をお待ちしております。
◇開催概要◇
•名称 :  
Attribution Night 2011
 
•URL :  
•日時 :  
2011年10月4日(火) 19:00〜22:00(受付開始 18:30)
 
•場所 :  
J-POPCAFE
東京都渋谷区宇田川町31-2 
渋谷ビーム7階
J-ATRIUMフロア
 
•講演 :  
アタラ合同会社 有園 雄一 氏 (twitter: @arizono)
Fringe81株式会社 田中 弦 氏 (twitter: @yuzuru_81)
株式会社クロスリスティング 治田 耕太郎 (twitter: @sembear)
 
•内容 :  
アトリビューションに関するプレゼンテーション
質疑応答・鼎談
懇親会
 
•参加費 : 
会食費として5000円を頂戴します。
(当日受付で現金にてお支払いいただきます。)
 
•応募人数 : 
60名様(抽選)
 ※抽選結果は9月下旬頃にお申込フォームにご記入いただいたメールアドレスまで
 ご連絡いたします。
 
•対象 :
インターネット広告に業務として関わっている方
(広告主様、広告会社様など)
•お申込 :
以下よりお申込ください。お申込締切:9月12日(月)
 
•事務局 : 
株式会社クロスリスティング 広報・宣伝グループ
 
 
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◇プレゼンテーション概要◇
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1.「アトリビューション分析でコンバージョンが増える理由」
アトリビューション分析によってコンバージョンが増加するのは何故か?その主な理由は、ラストクリックが無料の流入元で中間や初回が有料の流入元になっているコンバージョンパスデータが相当数あるため。流入経路のパターンを場合分けし、アトリビューション分析によって初めて見える化されるケースを紹介、コンバージョンを増加させる方法を提示する。
講演者  
アタラ合同会社 取締役 COO
有園雄一
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2. 「検索データに見る態度変容」
より深くインターネットユーザーの消費行動、自社商品の購買プロセスを分析する上で考えるべき「消費者の態度変容」を実データを踏まえながら解説する。
 
講演者  
株式会社クロスリスティング 事業戦略室
ビジネスディベロップメントグループ ディレクター 
治田耕太郎氏
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
3. 「ビュースルーベースアトリビューションへの遠い道のり(でも目指すよ!)」
・世界で最もカジュアルな第三者配信をしてみた
・第三者配信とアトリビューション
・ディスプレイ広告⇔ディスプレイ広告のアトリビューション、予算配分
・ディスプレイとサーチの関係をビューベースで見てみる
・ビューベースのアトリビューションってあるのかな?   
 
講演者 
Fringe81株式会社 
代表取締役社長
田中弦氏
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プレゼンテーション終了後、同会場で質疑応答・懇親会を実施いたします。
 
※申込み締切 9/12(月) 
 抽選結果はお申込フォームにご記入いただいたメールアドレスまでご連絡いたします。
 
◇各社HPおよびFacebookページ◇
•株式会社クロスリスティング 
 
•アタラ合同会社 
•Fringe81株式会社

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【事前告知】Fringe81、クロスリスティング、アタラが「Attribution Night 2011」を開催

Fringe81、クロスリスティング、アタラの3社が共同で、アトリビューションに関するイベントを開催することになりました。以下、詳細です。
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「Attribution Night 2011」を開催します。

「そもそもアトリビューションって?」
「どうやって測定するの?」
「態度変容ってどう見るの?」
「広告を最適化につなげるためには?」

そんなアトリビューションに関する「?」を、コンサルティング事業のアタラ合同会社、広告配信事業のFringe81株式会社、株式会社クロスリスティングの3社が解説します。

開催予定は9月末~10月初頭。
詳細は追ってご案内いたします。ご期待ください!

•名称
-Attribution Night 2011

•日時
-9月末から10月初頭(夜開催)

•内容
-アトリビューションに関するプレゼンテーション
-質疑応答・鼎談
-懇親会

•講演企業
-アタラ合同会社
-Fringe81株式会社
-株式会社クロスリスティング

•会場
-渋谷周辺

•募集人数 40名程度(募集人数を超える場合は、抽選とさせていただきます)

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