ビュースルーコンバージョン

ビュースルーサーチキーワード

用語: ビュースルーサーチキーワード
英語: view-through search keyword/term

バナー広告を閲覧した後、そのバナー広告がきっかけとなって発生した検索に使われている検索キーワード(検索クエリ)。

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関連語:ビュースルーサーチ
参考URL:http://www.attribution.jp/000119.html

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ビュースルーコンバージョン

用語: ビュースルーコンバージョン
英語: view-through conversion

ユーザーが表示されたディスプレイ広告をクリックせず、別のチャネルを経由してコンバージョンページにたどり着くこと。

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関連語:クリックスルーコンバージョン
参考URL:http://www.attribution.jp/000238.html

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The Power of View-Through Attribution

TruSignalのブログでビュースルーのアトリビューションについて扱っています。

The Power of View-Through Attribution

http://www.tru-signal.com/blog/The-Power-of-View-Through-Attribution

記事の中で、クリックスルーだけではなくビュースルーまで見ることの重要性について言及しています。

The key to understanding the utility of the click in display is removing the thought that it is a good measure of long term conversion activity and accepting the click for what is is: an indicator of immediate intent and interest generation.
(ディスプレイ広告でクリックの有効性を理解するために大事なことは、クリックは長期のコンバージョン行動を測定するよい指標だという考えを捨てて、直近の購買意向や興味を生み出しているかをみるためのインジケーターとしてクリックを受け止めることである)

あるいは、次のようにも書かれています。

Clicks are able to show immediate interest and provide a metric for direct response marketers, while view-through attribution helps shows the power of display for brand and direct response marketers alike.
(クリックは、直近の興味を示すことができ、ダイレクトレスポンスのマーケターには一つの指標を提供する。その一方で、ビュースルーのアトリビューションは、ディスプレイ広告のパワーをブランドマーケターにもダイレクトレスポンスのマーケターにも同様に示すことができる)

事例として、オンラインの教育機関のケースを紹介しています。
そのキャンペーンでは、ディスプレイ広告をクリックしてコンバージョンしたのは、7人に1人だけだったとのことです。その6倍にあたる数の人が広告をみたあとに、直接URLに飛んでいるか、あるいは、そのブランド名を検索してアクセスしていた。そのうちの半分以上は、広告への接触から5日以内に行動しているとのこと。

In the end, over three-quarters of new enrollments from the campaign came not from a person clicking directly on the ad, but from an ad viewers’ subsequent direct URL traffic and branded keyword searches.
(今回のキャンペーンからの新規入学者の4分の3以上は、広告を直接クリックした人ではなく、広告を見た後で直接URLに訪問した人とブランドキーワードで訪問した人だった)

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【アトリくんの視点】ビュースルーアトリビューションを導入している日本の広告主はまだまだ少数派だと思います。この記事にあるように、クリックだけで分析していると短期的なユーザーアクションしかみていないことになりますので、問題です。ビュースルーの測定には第三者広告配信サーバーの導入などハードルもありますが、今後は日本の広告主にも徐々に浸透していくでしょう!楽しみですね!

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アトリビューション特別対談:MediaMind Technologies株式会社布施一樹・渡邉桂子×アタラCOO有園雄一(2/2)

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*第1部で触れた「Dwell」という指標のホワイトペーパーはこちらでダウンロードできます。

第2部/全2部(2012年1月24日公開分)

DSPと第三者配信エンジンの違いとは?

有園:DSPと第三者配信エンジンの最大の違いは何ですか?

渡邉:レイヤーですね。対象媒体のレイヤーです。DSPの場合はノンプレミアムに限られます。第三者配信エンジンはその上の階層にくるものであり、前述の通りサイト解析ツールと両壁をなすツールだと思います。基本的にDSPはバイイングツールが始点ですので、全媒体の一元管理ができるハブにはなり得ません。プレミアム媒体も全てDSP経由でバイイングできれば別ですが、近い将来に実現できる可能性はまだ低いと考えています。

有園:バイイングツールはDSPであるということですね。それ以外の枠、アドネットワークやDSPで買い付けが出来るノンプレミアム枠以外も含めたキャンペーンのマネジメントをしようと思ったら、第三者配信エンジンが必要になる訳ですね。クリエイティブの出し分けについてはいかがですか?

渡邉:部分的にクリエイティブの出し分けができるDSPもありますが、DSPを複数併用するような場合にデータが孤立してしまいます。小さい分断データは広告主さんにとってあまりよくないことだと思いますので、すべてを大きく繋げるという意味では第三者配信エンジン側の機能を使っていただく方が良いケースがあるでしょう。

布施:すべてにおいてメディアマインドのクッキーを付与して管理することがポイントであり、DSPがそれをできるのであれば我々と同等のポジショニングになると思います。しかし、基本的にはDSP単体で考えたときに複数のDSPが存在しています。やはり、全体をつなげる必要があると思います。それが無い限り、全部クッキーが分断しています。一元的にワンクッキーで管理できるのがメディアマインドです。DSPとの違いは、そこにあります。

有園:そうすると、メディアマインドを使うと、ひとつのユーザに対してのシークエンスコントロールというところを、ネットワークや純広告の違いをまたいだ形で配信できるということになりますよね。利用状況はいかがですか? 

布施:これからですね。そこを肝だと思っている方はいらっしゃいますが、正直まだ少ないです。ただ、我々もすべての用途を把握しているわけではありません。我々の理解としては、第三者配信とDSPが混乱している方が多いようです。当社のお客様は、その辺りは理解されています。

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メディアマインドの特徴

有園:他にも御社のメリットがあれば教えてください。

布施:実は、日本ではサービスにしていませんが、グローバルではメディアマインドの方にDSP機能を持ち、バイイングをしているケースもあります。

有園:日本ではリリースしていないが、メディアマインドにDSP機能があると。

布施:グローバルでは日本に先駆けてアドエクスチェンジ市場が大きくなり、DSPが乱立している状況です。当社としても、メディアマインド独自のDSP機能を持って、そこからバイイングをして、逆にプレミアムで配信したリッチクリエイティブに接触した人に対して、ビッティングをかけるなどしております。プレミアムとノンプレミアムを意識した形でのキャンペーンプランを組み、その中でROIを最大化するということを、代理店が先駆けておこなっています。

有園:日本に御社のDSPが入ってくる可能性はありますか?

布施:可能性はゼロではありませんが、我々が考えているメディアマインドの価値まで到達していません。北米市場と日本市場で第三者配信の成長の仕方が明らかに違う軌跡をたどっています。メディアマインドのDSPをサービスとして提供することが、果たして日本市場を活性化することになるかどうかは確信がありません。我々が優先的にやらなければいけないのは、DSPのインターフェイスをもつことよりもデータを一元的に管理するというカルチャーを作っていくことだと思っています。いま、それが根本的に必要です。我々がDSPで参入したとすると、別のDSPを使っているお客様からすれば、どちらを使えばいいのか迷いが生じます。両方を使えば、データが分断されます。そういったことを繰り返しているうちは、デジタルマーケティングの問題解決のスタートラインには立てないと思います。我々は、アクセス解析ツールと両壁をなすツールとして市民権を得ることが、まずはミッションでありフォーカスでもあります。そのためには、アクセス解析ツールとの連携ですね。インプレッションデータを取ることは、さほど難しくはありません。それをとった後、どのように役立てるかといったPDCAサイクルをしっかりまわせるようなプラットフォームとして、データの出し入れが柔軟にできないといけません。今後パフォーマンスをあげていくために、取得したデータをエンジンの力でどうしていくか。我々が得意とするのは、クリエイティブの配信機能、ローテーション機能と一言でくくりますが、色々あります。

渡邉:機能面でのメリットについて補足ですが、何を出すかは細かく設定が可能です。Aという原稿を1~3回出して、Bという原稿を4~6回出して、Cという原稿を7回目以降に出すといったこともできます。また、時間ベースで朝昼晩を出して、それ以外の人にはデフォルトバナーを出すということもできます。リターゲティングタグを活用して「商品の詳細ページにきたけれど、購入ページにはきていない人、なおかつ、東京からアクセスしている人はターゲットX」としてコミュニケーションを分けることもできます。より具体的な設定について知りたい方には是非お問い合わせをいただければと思いますが、様々な機能を細かく設定していくことによって、バナーでOne to Oneマーケティングに近い形を実現していきます。サイトの閲覧履歴だけでなく、CRM情報や、在庫情報とも連携できます。

布施:我々はオープン戦略をとっており、外からのデータをもとに配信するロジックを組み立てることも可能です。たとえば、媒体社がもっている会員情報であれば、男性女性でセグメントをきった情報をパラメーターとしてもらって、我々がその情報を元にロジックを組み立てることもできます。配信の柔軟性という部分では、特に自信を持っています。

有園:誰に出すかというところでは、御社以外のCRMのデータや媒体社の持っている会員情報などと連携して配信できるんですね。

渡邉:お天気のニュースサイトから情報がもらえるとします。地域情報と一緒に地域ごとの情報をもらったら、アパレルなら「この地域は雨なのでレインコートを出そう」とか、飲食店であれば「雨なのでドリンク一杯サービスというキャンペーンを出そう」ということが可能です。

有園:ほぼリアルタイムで実施できるわけですね。

布施:やはりOne to Oneコミュニケーションは理想的なコミュニケーションの在り方ですが、その際の課題としては、そこに対するメッセージが乗るクリエイティブのパターンを多く用意する必要があります。個別のバナーを用意すると非常にコストがかかりますので、One to Oneを突き詰めるほどコストがかかる仕組みです。しかし、我々はダイナッミックにクリエイティブの中身を変えられる機能を用意しております。スマートバージョニングという機能で、One to Oneコミュニケージョンをしていく上で課題を解決するソリューションだと思います。

有園:この機能はデフォルトでついているのですか?

渡邉:デフォルトの値段より少し配信費用が高くなります。

布施:実は、まだまだ認知されてないものです。これをやっていく上で、クリエイティブプランニングが重要になってきました。ただ単に安いだけでは響きません。

有園:グルーピングは自動ですか?

渡邉:グルーピングは人もしくはData Management Platform(DMP)等が必要です。

布施:ロジック作りは人ですね。それをパラメーターという魔法のキーワードの中に入れて、何を出すかというのは事前に配信設計されたものなので、数が多ければ数多く設定しますが、そこまで事細かくやるとなると自動化が必要になります。グルーピングの自動化ができてしまえば、設計したものに対してデータ連携をしてリアルタイムで動いていくという感じですね。

有園:DMPでグルーピングした際に100グループあったら、それに対する設計は人がしないといけないんですよね?メディアマインドを使う人のクリエイティブのセンスが問われそうです。間違った設定をしたら効果が出ませんし、うまく設定すれば効果が出るということでしょうか。

渡邉:広告の基本はコミュニケーションですから、クリエイティブの重要性が再認識されるところかと思います。もちろん、数多く検証したい、という場合は1グループに100パターンというパターンを作ってしまって、その中からいいものを優先するという設定などもあります。そうすると、後から一番よかったバナーなどを検出できます。最初からシナリオを組んで設計する方法とどちらが良いのか商材によるかもしれませんが、設計の仕方により結果は変わりますし、多くの方が知見を欲しているところでもあるので、今後はもっと国内事例を増やしていければと思います。協力していただけるパートナーを随時大募集中です。

有園:好きな人にとっては、とても楽しい世界ですね。ここで、アトリビューションについて伺います。第三者配信エンジンは自由な配信設計が出来るようですが、DSPとかだけでは全てのクッキーを繋ぎこんでいません。そうなると、アトリビューションのデータ、いわゆるビュースルーからのデータもとれないということになりますが、御社のメディアマインドを使うとアトリビューションの貢献度の数字も出せるということですよね?

渡邉:アドバンスレポートというものがあります。有償のサービスですが、個々のコンバージョンパスデータの詳細が分かります。例えば、コンバージョンまでに5回アドに接触している場合、3回はインプレッションのみで、どのバナーであったか、1回はクリックをしていて、どのバナーであったか、もう1回はリスティング広告のクリックでどのキーワードか等です。このデータにクライアントごとに定義された重み付けを行うことで、アトリビューション分析をしていただいています。

有園:デフォルトの費用以外にかかるのですか?

布施:そうです。モデルの考え方については3種類あります。「全てのデータを評価する」「クリックを常に評価する」「後はクリックのみ」です。アトリビューションもクリックベースでやりたいというニーズもあると思いますので、その場合はそれを選択していただければインプレッションを排除してクリックデータのみで評価します。インプレッションもクリックも同等に評価したいということであれば、フラットに両方取得して評価対象にします。インプレッションがあってもクリックがあればクリックを評価します。また、クリックがなかった場合はインプレッションを評価する。

有園:それが御社のカスタムレポートと書いてあるところで選択できるのですか?

布施:配信のタイミングで選択しているとできます。

有園:どの形でデータを取るかを決めて、初めてデータを取得するんですね。

布施:キャンペーン前に設計します。アトリビューションをやっていく上では事前設計が重要です。結果的にダイレクトレスポンスのキャンペーンなのか、ブランド重視のキャンペーンなのか。ブランド重視のキャンペーンでインプレッションを評価しないのは言語道断です。

有園:メディアマインドでは、キャンペーンする前に設定を決めてからスタートすると。御社のアトリビューション分析機能を使うのではなくて、いわゆるコンバージョンのパスデータを御社のメディアマインドから出力させて独自に分析も可能ということですね。

布施:もちろんです。その場合はフラットにイコールで取得します。

有園:インプレッションデータも出てきて、クリックのデータも出てくる形で取得をして、分析をすると。以前は、自然検索には対応していないのでデータはでてこないと聞きましたが、近い将来対応するのですか?

布施:2012年中には追加していく予定ですし、アナリティクスの部分を刷新していく予定です。チャンネルごとのグルーピングを可視化しやすいような形でレポーティング出来るような、インターフェイスにしていく予定です。それに伴い、ダッシュボードも正式にリリースする予定です。リアルタイムにキャンペーンの効果データがどのように変わっているのかという部分を、データとして出せるようになってきています。やはり、リアルタイム性というところがデジタルマーケティングの肝だと思っています。そこを、我々がより見やすくダッシュボードに出すことによって、プランナーの方は迅速な対応が出来るようになります。そこが、2012年のプランニングの目玉になるのではないかと思っています。

有園:メディアマインドさえ入れておけば大丈夫ということですね。

布施:はい。

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メディアマインドが描く未来

有園:最後に、今後の方向性と可能性についてお聞きします。

布施:今年の6月にメディアマインドがDGに買収されまして、我々はDGの広告部門の会社として存在しています。DGという会社は北米を中心に活動しているテクノロジーベンダーでして、衛星技術とインターネット技術を使ってコンテンツを配信するプラットフォーマーです。実は、90パーセント以上の北米のデジタルコンテンツがDGから配信されています。そこの広告配信部門の傘下に我々が納まることによって、今後テレビとクロスチャンネルを実現していきます。リッチメディアの第三者配信技術の中で、ポイントロール、アイワンダー、ユニキャスト、メディアマインドの4社が世界の中でトップ4だと言われていますが、ポイントロール以外の3社はDGの傘下に入っています。2011年8月に、アイワンダーの買収が発表されました。メディアマインドのプラットフォームにユニキャストとアイワンダーのリッチメディア技術が統合されます。それによって、よりリッチな物を配信していく部分が強化されます。

有園:近い将来、テレビの配信も自由度が出てきそうですね。そうは言っても、インターネットのクッキーとデジタルテレビの端末情報は繋がらないのではといった部分が懸念ではあります。

布施:アメリカの場合はボックスがついています。そのボックスを経由して出来るシステムになっているのですが、日本の場合はまた違う形でデジタルテレビが進化を遂げていくと思います。アプローチの仕方は違ってくるでしょう。やはり、テレビというスクリーンがインターネットとテレビの垣根を超えてしまっています。インターネットとテレビというコンソールは、ひとつになっていこうとしています。それを活用していく形になると思います。

有園:布施さん、渡邉さん、ありがとうございました。

布施・渡邉:ありがとうございました。

聞き役: 有園 雄一(Yuichi Arizono)
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(END)

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アトリビューションの観点や本質から考えるとビュースルーを含め、配信先を越えたデータの一元管理ができ、その結果全体を視覚化できる点は大きく、このグローバルなレイヤーにある第三者配信は今後も重要なポジションを担っていくのだと思われます。ディスプレイ広告市場の変化から、日本でもようやく注目されるようになりましたが、正しく理解するための情報がまだ少ないのが事実なので今回の解説はとても役立ちました!メディアマインドのデータを活用したアトリビューション分析は今後も増えるでしょう。また、元々強みを持つリッチメディア配信、今後のアナティックス機能の充実、TV等への対応、目が離せませんね。
布施さんと渡邉さん、熱いお話をありがとうございました。

第1部(2012年1月17日公開)
第2部(2012年1月24日公開)

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アトリビューション特別対談:MediaMind Technologies株式会社布施一樹・渡邉桂子×アタラCOO有園雄一(1/2)

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特別対談です!今回は、第三者配信アドサーバーの提供を行うMediaMind Technologies株式会社の、日本支社長である布施一樹さんと渡邉桂子さんをお迎えしました。独自のアトリビューション・メソッドを編み出すアタラ合同会社COO有園雄一が、第三者配信サーバーの視点から見たアトリビューションの取り組みについて伺っていきます。全2回の1回目です。

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第1部/全2部(2012年1月17日公開分)

第三者配信アドサーバーとの出会い

有園:本日は、世界標準の第三者配信アドサーバーを提供するメディアマインドの日本支社長である布施一樹さんと渡邉桂子さんにお話をうかがいます。まずは、自己紹介をお願いします。

布施:メディアマインドの布施です。当社はさかのぼること1999年、アイブラスターという社名で事業をスタートしました。当時は、リッチメディアに特化した第三者配信ベンダーとして、主に媒体社や広告会社にサービスを提供していました。日本では、2001年よりサービスを開始しており、現在は、クロスチャネルのキャンペーンを管理する第三者配信アドサバーベンダーとして64カ国でサービスを展開するまでに成長しています。

有園:布施さんは、いつから関わっていたのですか?

布施:私は2004年から関わっています。日本人社員第一号として採用されまして、当時、DACと共に国内事業の基盤作り、主に媒体社に対する事業開発をしていました。

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有園:なるほど。それでは渡邉さん、自己紹介お願いします。

渡邉:はじめまして、渡邉と申します。営業を担当しています。以前は、媒体社と代理店で勤務しておりました。媒体社に勤務していた2004年頃は第三者配信というと、その実体はよく分からないもの、ちょっとアレルギー反応がありました。でも、2006年頃からマイクロソフトやIBMなどのグローバルアドバータイザーが使い始めているのを目の当たりにし、少しずつ印象は変わってきて興味を持つようになりました。代理店に移ったときには、実際に第三者配信を提案する立場になりました。

有園:第三者配信に興味を持ったからメディアマインドに転職されたのだと思いますが、そのきっかけや理由は何ですか?

渡邉:媒体社で広告営業をしておりましたが、タイアップ記事広告さえ、ページビューではなく、コンバージョン数や関連リンクのクリック数だけを評価対象とされることがありました。記事が閲覧された事実が十分に評価されていないと感じました。閲覧という行為を評価するための物差しがなかったので仕方がないのですが、実際はポストインプレッションコンバージョンというものがあって、それは第三者配信技術で測定可能だと分かりました。その経緯で代理店に転職、次はベンダーに来たという流れです。

有園:今後、ポストインプレッションの効果を図ることはニーズが高まると思われたのですか?

渡邉:データでの裏付けといった部分に、特に重要性を感じました。

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有園:ちなみに、布施さんはカントリーマネージャーとして代表をされていますが、社員第一号として入ったきっかけを教えていただけますか?

布施:アイブラスターに転職する前は、オラクルに勤めておりました。当時のデータベース市場は非常に変革期を迎えていました。私自身、ビジネスのスタートアップ期に携わりたいという思いがありまして、新しい市場で仕事をしてみたいと考え、アイブラスターの求人を見つけました。それがきっかけです。

有園:もとから、第三者配信エンジンやリッチメディアなどに造詣が深かったわけではなくて、どちらかと言うとベンチャーマインドに惹かれて伸びそうだなということで入ったわけですね。布施さんの感性は当たっていたということで、現在、第三者配信エンジンは伸びてきていると思うのですが、アメリカでは第三者配信エンジンはどのくらい普及しているのですか?

布施:私の知る限りでは、デジタルマーケティングのキャンペーンマネジメントでは100%に近い形で代理店さんが使っています。100%というのは言いすぎだと思いますので、あくまでベンダー内の情報だと思いますが、逆に海外の広告主が日本の(あまり第三者配信が使われていない)状況を見て大丈夫かと心配する位です。

有園:現時点ではほぼ100%ということで、アメリカでは普及してきていると理解してよいと思うのですが、日本ではまだまだと思うんですね。ここ数年、第三者配信という言葉を聞いたり、使ったりしているお客様の存在を耳にするようになったのですが、いまの日本の状況をお二人はどのようにお考えですか?

布施:第三者配信という概念はアメリカからきていますので、アメリカでデジタルマーケティングに携わっている方は少なからず接触したことがある概念だと思います。しかし、日本においてはいまだに馴染みの浅い概念だと思います。もともと、日本ではリッチメディアの第三者配信エンジンとして入ってきた経緯がありますので、ごく一部の方々が知るものだったと思います。特に、アイブラスターという社名をご存じの方は、リッチメディアのキャンペーンで関わられていたことでしょう。まだ、メディアマインドって、リッチのアイブラスターのことだったんですか?と言われます。いまは、アトリビューションという概念が注目されはじめており、その状況下で第三者配信技術を活用したDSP、アドネットワークというものが注目されています。日本での第三者配信普及の歴史は欧米と異なるのではないでしょうか。どう進化するとしても、広告のパフォーマンスデータやそれに関連するデータを一元的に管理していないことの多い現状は、引き続き問題視しております。もう少し根底の部分で、この第三者配信をとらえていただきたいと思います。

有園:そうですね。

布施:第三者配信と言っても、いろいろな種類があることを整理したいと思っています。

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第三者配信エンジンを使うメリット

有園:第三者配信エンジンを使わないとビュースルーのコンバージョンがとれないということで、ここ数年、私もかなり第三者配信エンジンという言葉を耳にするようになりました。第三者配信エンジンを使うメリットは、ビュースルーのコンバージョンをとれる以外にもあると思います。そもそも、第三者配信エンジンとは、どのような物なのでしょうか?第三者配信エンジンを使うと、どのようなメリットがあるのでしょうか?

渡邉:第三者配信エンジンという言葉には、広い意味と狭い意味があります。それゆえに混乱を招いている印象を受けます。お問い合わせをいただく際に、第三者配信エンジンについてご存知の方もいらっしゃいますが、「アドネットワークのことでしょ?」とか「DSPと何が違うの?」や「そもそも第三者配信って何?」といった質問を受けます。広い意味では、当事者である自社のアドサーバー以外のサーバから配信していることが第三者配信になります。つまり、アドネットワークやDSPも第三者配信の技術の上に成立します。狭い意味での第三者配信のベンダーというのが、我々メディアマインドのような存在です。それは何かと言うと、広告主側で管理するアドサーバーであり、デジタルマーケティングのOSとしてデジタルマーケティングの機軸となる存在です。海外ではキャンペーンマネジメントプラットフォームと呼ばれています。

有園:広い意味では、第三者配信エンジンもアドネットワークと同じと言える。しかし、狭い意味ではメディアマインドさんのようなキャンペーンマネジメントができるもの、という位置付けであると。

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渡邉:キャンペーンマネジメントプラットフォームとは何かというと、アクセス解析ツールと両壁を成す広告主さんの武器です。たとえば、図のように広告主がいて自分達のデータベースを持ち、自分たちのウェブサイトを運営しているとします。メディアマインドというキャンペーンマネジメントプラットフォームは、広告主側に属し、外部施策(主に全ペイドメディア)の情報を集約します。一旦サイトを訪問してからの情報はアクセス解析ツールでマネジメントします。この両輪を上手く連結してデータを活用することが「PDCAサイクルを回す」ということになると考えています。ペイドメディアとしては、リスティング広告の媒体社だったり、ソーシャルメディアの媒体社だったり。あとはプレミアム枠と呼んでいますが、純広告枠を持つ媒体社、さらにノンプレミアム枠といわれるアドネットワークやアドエクスチェンジがあります。モバイルスマートフォン広告などもあります。これら全てに配信し、クロスチャネルのデータを一元管理します。ちなみに、よく混乱を招くDSPとの違いは、ここにあります。DSPはノンプレミアム枠をバイイングできますが、プレミアム枠についてはその対象範囲外です。確かに、DSPを活用してリターゲティングの在庫だけ購入することは効率的なのですが、リスティング広告で効率性を追求していくと母数が増やせなくなるように、ノンプレミアム枠だけで追求しても母数を増やすことに限界が訪れます。そこで役立つのが、純広告・プレミアム枠だったりします。繰り返しになりますが、重要なのは、第三者配信のアドサーバーがハブとなって、リスティング広告やソーシャルメディア、純広告、ノンプレミアム枠など、すべてをブリッジして配信し、そのパフォーマンスデータを集約することです。その結果を、広告主に戻すタイミングで、彼らのデータ(例えばアクセス解析ツール側で取れる情報)とマージをして、データをためていきます。そのデータをセグメント化し(例えば実際にウェブサイトにきて買った人=グループX、買ってない人=グループYのように定義化)セグメント別に再度配信をします。すべての媒体をつなげてネットワークを築くためのツールが、この第三者配信プラットフォームです。細かく媒体を区切って小さくPDCAを回すのではなく、広告主としての一大オリジナルネットワークを作ってダイナミックにまわす。変化する状況に応じて、施策を変えていくことが重要であって、そのためのツールが我々の提供するソリューションです。

有園:技術に詳しい方なら分かると思いますが、御社の第三者配信エンジンを使うことによって、すべての媒体、すべての枠に配信されたものが、ひとつのクッキーでつながるということですね。リスティング広告は配信するのではなく、データを連携するということですが、どのようなやり方をするのですか?

渡邉:API連携をしているので、システム側にリスティング広告のIDやパスワードを入れていただくことで、裏側でURLの書き換えラッピングをおこないます。リスティング広告側の運用に一切影響を及ぼすことがなく、データのトラッキングができる仕組みです。クリックトラッキング用のリダイレクトURLを発行するなどの苦労なく、何千というキーワードをトラックできます。

有園:ソーシャルメディアはどうですか?

渡邉:ソーシャルメディアも対象です。Facebookは配信タグ自体を受け入れていませんが、トラッキングタグは受け入れています。広告そのものは配信しないけれど、データは収集できる。すなわち、投資がすべてデータに換えられるので無駄がありません。配信を受け入れてないプレミアム媒体(Yahoo!など)もクリックトラッキングをすることで、パフォーマンスデータの中に組み込んでいくという仕組みになっています。

布施:媒体側でも広告効果促進のためにリッチ化を戦略的に進めています。たとえば、ブランディングキャンペーンの中でリッチバナーのみを配信するのではなく、リッチバナーとスタンダードバナーをミックスすることでROIの向上を目指します。ファイナンス系クライアントさんの事例では、ブランディング目的のリッチバナークリエイティブを1回目と2回目のインプレッションで出したところ、もっともコンバージョンが上がりました。スタンダードバナーで配信するよりも、初回はリッチバナークリエイティブでリーチして、その後にスタンダードバナーで刈り取る。このような異なるフォーマットを織り交ぜることによって、コンバージョンをあげていく施策がありました。通常媒体側で用意しているリッチバナーの仕様に関しては、基本的に媒体側のテクノロジーに依存します。ただ、当社側がリッチメディアソリューションを持っていることによって、媒体側の負荷を軽減しながら、かつ、一定の標準化されたものを実装できます。当社ならではの特徴は、リッチメディアではないかと思います。

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メディアマインドの測定指標「Dwell」とは?

有園:リッチメディアの話は非常に面白いと思いました。初回でリッチメディアを出したほうがもっともコンバージョンが増加したということは、それだけ効果があったということだと思います。リッチメディアを見せることの効果測定には、御社は特別な指標があると伺っています。

渡邉:Dwell という指標があります。Dwellとは、ユーザが広告と関係を持っている時間やレートのことを指します。インタラクションに近いですがDwellでは接触時間も評価対象となる点が異なります。たとえば、ビデオが入ったバナーでは、3分間再生していてもその長さをインタラクションとして評価できませんが、Dwellの場合は1秒以上のオンマウスを含む広告に滞留している時間をDwell Timeとしてカウントします。また、配信インプレッション中にユーザがエンゲージした割合をDwell Rateとし、Dwell Time とDwell Rateを掛け合わせてDwell値を算出します。マイクロソフトさんとコムスコアさんと、アメリカで実際に行ったリサーチがあるのですが、Dwell値が高ければ高いほど、ブランディングに寄与するという結果がでました。具体的には、Dwell値が高いほどブランド系のキーワード検索の比率が高まり、ウェブサイトの閲覧数が増える、コンバージョンレートが向上するなどの傾向が立証されています。

有園:Dwellというのは日本では耳にしない指標だと思いますが、御社独自の指標と考えた場合、アメリカでは結構使われているのですか?

布施:Dwellは、メディアマインド独自の指標です。前述のマイクロソフトさんとコムスコアさんとのリサーチは三社で共同のホワイトペーパーも出しています。最近ようやく、ポストインプレッションが日本で市民権を得てきたと思います。これまでは、技術面での制限からクリック依存型の評価が中心になってきましたが、リッチメディアクリエイティブですと、接触のみで(クリックしてキャンペーンページに飛ばずに)エンゲージメントが完了しています。クリックされなかったからといって、評価しなくて良いのでしょうか。デジタルのクリエイティブを評価するうえで、CTRインタラクションという指標がありますが、インタラクションはマウスの動きをベースとしたしたものですので、マウスのアクションが多いほどインタラクションが上がる仕組みになっています。その場合、クローズボタンを押したこともインタラクションとして評価されてしまうという穴があります。そこでポジティブのアクティビティーだけを評価することを、第三者配信ベンダーが共通してやり始めましたが、動画が増えてきて、動画は視聴率なのでインタラクションが交わらなくなってきました。ですから、動画と実際のマウスエンゲージメントを総括して測る指標が必要だと。それを我々はDwellと呼んでいます。

有園:メディアマインドを使うと、アトリビューション分析がビュースルー含めた形で出来ます。なおかつ、リッチメディアを配信した場合には、Dwell値とコンバージョンがどうなっているか。Dwellスルーコンバージョンみたいな感じでしょうか?調査によるとDwell値が高ければブランド系キーワードの検索ボリュームが増えていると。私の知る限り、他のツールでできるところがないという理解で大丈夫ですか?

布施:Dwellはメディアマインド独自のKPIです。もちろん、他のツールが採用したいということであれば、我々も業界標準にすべく動いていますので、ウェルカムです。

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データ一元管理への道

有園:先ほど、第三者配信のメリットとしてデータを一元管理できるという話があったのですが、そうするとGoogleディスプレイネットワークのリマーケティングとか、それ以外のサービスを使わずに、御社の第三者配信エンジンだけでとったクッキーでリターゲティングの設定をしたほうが効率的のように思います。たとえば、Googleのリマーケティングを使うと同時に、御社のリターゲティングの設定をするのはちょっとナンセンスですか?

布施:併用は可能です。KPIとキャンペーン設計次第ですね。例えば、最初は媒体側のリマーケティングを利用して、ある程度のターゲットを分類したあとで、そこからキャンペーンマネジメントという概念でクリエイティブ評価も含めてコンバージョンを高めていくということになります。そうなると、リアルタイムなプランニングが必要です。媒体側のリマーケティングメニューだとリアルタイム性や媒体横断の観点から見ると自由度が下がってしまいます。そこを、フロントでメディアマインドをキャンペーンマネージメントツールとして置くことによって、活用範囲を広げます。アドエクスチェンジの世界でも同様です。DSP自体は第三者配信ですが、そこにキャンペーンマネジメントの機能が十分で無いのです。買ったものを出すという第三者配信であり、そこをどのように出していくのか。実際に出すものをどう変えていくのか。そこはリッチメディア の出番です。恐らく、将来的にはDSPでのリッチメディア対応もあると思います。しかし現時点では、その役割は純広告だと思います。

聞き役: 有園 雄一(Yuichi Arizono)
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2/2に続く

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特別寄稿:電通レイザーフィッシュのアトリビューションの取り組み(3)

電通レイザーフィッシュによるアトリビューションの取り組みに関する特別寄稿第3回目(全3回)。最終回です。

第1回はこちら
第2回はこちら

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7. ケース3 : ディスプレイ広告とサーチの関係性
続いては、本サイトで多く取り上げられているディスプレイ広告とサーチの関係性についてのケースです。オンラインビジネスのサービスで、資料請求、申込がサイトの目的です。本件では、MediaMindを活用したケースです。検証のポイントは以下の通りです。

  • MediaMindのチャネルコネクトフォーサーチ機能(CC4S)を活用し、アドネットワーク、サーチのコンバージョン数をMediaMindというプラットフォームで重複を省き、評価する。
  • MediaMindの広告接触履歴分析機能を用い、クリックしたユーザー、接触したユーザー(ここでは、広告をクリックせず、Cookieでマーキングされたユーザーを指します。その後、コンバージョンした場合は、View conversionと見なす)を分析する。
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この分析では、予想以上にアドネットワーク経由のコンバージョンが多く、それに伴いアドネットワークのCPAに変化見えた。検索においては、Google、ヤフーからの媒体によるコンバージョンデータが250件であったが、MediaMindといったプラットフォームで一元的に見ると、100件となった。案件の特性や業界カテゴリーにより、比較的極端な結果となったが、広告配信ツールでこのように複数のオンラインマーケティングの手法に対して、コンバージョンの重複を省くトラッキングを行うと、今まで得られていたCPAデータにも変化が見られることが分かる。

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8. アトリビューションの今後

●ソーシャルメディアにおけるクリックデータの取得
アドネットワーク広告への接触や検索行動の他に、当然オンラインユーザーのソーシャルメディア内の行動も増えてくる。Twitter, Facebookでは広告配信ツールにおける間接効果のトラッキングはできないので、最低でもクリックベースによるトラッキングをすることで、アドネットワーク、検索、ソーシャルといった範囲でアトリビューションの手法を模索できると考える。

●ソーシャルメディアにおけるクリックデータ以外のデータとの関連性
また、ソーシャルメディアでのユーザーの行動は、ソーシャルメディアサイト内の広告のクリック、他人の口コミのなかにあるリンク(例えば、xxよかったよ。サイトへのリンク)のクリック以外に、当然ながら、自発的なテキストベースの感想(口コミ)を発信することのほうが多い。

この場合、クリックデータだけを追跡しても、ソーシャルメディアでの口コミというの行動を見過ごすことになりかねない。このようなソーシャルメディア上の会話はやはりソーシャルメディアリスニングツールで「会話データ」として、別途多角的にモニタリングする必要がでてくる。

最後にまとめとなるが、ユーザーの行動はますます複雑化し、その行動を正確に100%トラッキングするのは理想的ではあるが、「あるべき論」で終わってしまう可能性もある。当然、より多くのデータを取得すれば、ツールのコストや、取得したデータの分析コスト(自社のリソース、またはアウトソースするにせよ)が増えるわけで、全ての行動データをトラッキングすることはできない。各企業のオンラインマーケティング活用において、本当に重要かつ自社のブランディングや売上アップに影響力の高い部分(例えば、KGIに一番影響力のある施策の部分)に軸を絞り、企業独自のアトリビューションモデルを構築するのが現実的なのではないかと考える。

株式会社電通レイザーフィッシュ
マーケティング室 
清水秀和

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【アトリくんの視点】
ソーシャルは今後の課題ですね。一時期はFacebookでもビュースルーコンバージョンが取れていたのですが撤廃されてしまったようです。かなり前からアトリビューションの取り組みをされていた電通レイザーフィッシュさん、清水さん、とても説得力がありましたし、本当に勉強になりました。ありがとうございました!

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特別寄稿:電通レイザーフィッシュのアトリビューションの取り組み(2)

電通レイザーフィッシュによるアトリビューションの取り組みに関する特別寄稿第2回目(全3回)。

第1回はこちら

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5. ケース1 : View Conversionを含めたROI評価
それでは、実際のケースを見ていきましょう。通販サイトでDouble Clickを活用したケースを取り上げます。View Conversion、ROIをエージェンシー側が正確に把握し、ROIを倍増させたケースです(ROIの算出方法は、通常SEM施策などで使われている、広告費、利益額を用いた計算式で算出)。

  1. 新規参入の通販サイトで、認知拡大と新規顧客が課題
  2. 間接効果を評価する文化がグローバル企業なので、すでに浸透

この通販サイトのサービスは市場参入時のタイミングではターゲットが限られており、認知拡大を達成しつつ、売上にも貢献する手法として、第三者配信による広告配信、間接効果を含めた広告評価手法を選ばれました。目標とするROIを達成するために、弊社で以下のような戦略を策定した。

  • View / Click Conversionを把握、ROIの算出時は両方を評価する
  • 「より多いクリック、誘導数」は大きな意味をなさない →CTRの向上はそれほど重要ではない(購入する人を集客したいから)
  • CPAフォーカスではなくROIフォーカス →利益率の視点でOptimizationを継続(CPC700円でもROIが達成していれば、それが正解とする)
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結果としては、上記のような数値が得られた。「高いCPCでもROI視点では見合う」、「セグメントもある程度できて、安いCPCだけど、ROIは良くなかった」といったケースを踏まえ、実際のオプティマイズの現場では、むやみにCTRが高いメディアを選択しない判断を行った。CPC、CTR視点で改善方法を考えてしまうと、気がつけないインサイトと言える。間接効果を測れば、ROIが見合う媒体は多数存在することになり、以下の2点の発見があったと言えます。

  • CTRが低くても、View Conversionも含めて評価すると、メディア選定が異なってくる
  • 媒体により、獲得できるView Conversion数に変化が見られる。仮説を立て、テストを実施することで、具体的な数値が得られる。

(追記として、このオプティマイゼーションでは獲得数よりも効率を重視している)。

6. ケース2 : 間接効果を含めたクリエイティブ評価
続いては、間接効果をクリエイティブ評価でも役立てたケースです。CTR視点だけでなく、View Conversionを含めたROIベースで検証します。検証ポイントは以下の通りです。

  1. 直接効果、間接効果の両方の視点で評価する
  2. 広告に接触し、Conversionしたユーザーがいくらの利益が生んだのか?どちらのクリエイティブがROIを達成したのか?
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Creative A / Bを比較し、結果を分析しました。CTRの点では、Bが高い。View Conversion数の点ではAが50、Bが10。ROIの点では、AがView Conversionを多く獲得し、優位であったという結果になりました。この分析では以下のようなインサイトが発見できました。

  • Aは、テキスト中心のメリットを訴求したバナー。クリックしなくても視覚的に記憶にとどまるメッセージの伝達に成功していた。それがView Conversion増加に貢献(その後のユーザーアクションに繋がる)。
  • Bは、よりブランド寄りの抽象的なバナー。「なんとなくかわいい・いいな」と思ったユーザーがクリックする傾向にあり、CTRは上昇する。しかし、視覚効果として、広告接触後、明確に覚えられるまでに至らなかったと推測(メッセージが覚えられ、行動を引き起こすには十分なメッセージではなかったと判断)

以上のような分析も間接効果をとっていなかったら、Click Conversion数では同じ、CTRで勝るCreative Bが選択されていたのではないでしょうか。アトリビューションモデルとはこのように、実施したキャンペーンのデータの見方(角度やレンズのフィルターとも言えます)に大きな影響を及ぼし、効果に対する今までの評価の方法を大きく変える可能性が大きいのです。次回では、ディスプレイ広告とサーチの関係性を話したいと思います。

株式会社電通レイザーフィッシュ
マーケティング室 
清水秀和

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【アトリくんの視点】
取り組みによりますが、CPC、CTR偏重の評価に一石を投じる内容ですね。数字で実証した点が大きいのと、低いCTRのサイトでオプティマイズを行った点は興味深いですね。一部のグローバル企業の取り組みは確かに進んでいますし、評価のための環境も、組織の理解もありますね(欧米ですでにやっているので日本でも、という話は確かに多いです)。第3回目(再来週予定)もお楽しみに!

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特別寄稿:電通レイザーフィッシュのアトリビューションの取り組み(1)

電通レイザーフィッシュは、米国Razorfishにおける手法やノウハウを活かしつつ、日本において、かなり早くからアトリビューションに取り組んできた。

その背景、考え方、取り組み内容を聞く機会があり、今回寄稿をお願いした。3回に渡って取り上げる。

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1. 寄稿の背景
今回、Attribtuion.jpというサイトを拝見し、とても興味深いテーマと感じました。なぜならば、弊社では2007年のRazorfishとの資本・業務提携後、この分野に積極的に取り組み、専門チームを設け、実際のクライアントとともに、多数の事例を作り上げてきたからです。今回は3回にわたり、実際のケースも掲載し、業界でのAttribution Modelに対する理解をより深めたいと考えます。

私は2008年にRazorfish シアトルオフィスにて3か月間勤務し、エージェンシーのビジネスモデル、第三者配信、分析業務を学びました。第三者配信ツールを単なるツールと捉えるのではなく、オンラインエージェンシーの存在意義にも直結するモデルを構築する基幹ツールであったと当時を振り返ります。

広告配信をエージェンシーが実施することで、メディア代理ではなく、大量のCookieデータ、間接効果(View Conversion、Post Impressionなどを指します)、ユーザー行動データ、売上データを扱い、分析主体の業態で大きな付加価値を生むコンサルティングを提供していました。例えて言えば、メディア投資信託会社のようなサービスをRazorfishは当時から提供してました。メディア販売主体ではなく、あくまでもビジネスゴールに沿ったROI視点で、クライアントと長期的な関係を築いていたのが印象的です。

2008年から、弊社は複数社のグローバル企業に第三者配信サービスを提供。Atlas, Double Click, Media Mindなどのツールを用い、社を挙げて各担当者が広告配信管理業務をスタートさせました。そこで得られたノウハウをメンバーで共有し、ラーニングを蓄積。今回は、それらの実務で得たノウハウ、実務レベルで弊社コンサルタントが行った分析業務を取り上げます。

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2. 第三者配信の台頭
欧米では2003年頃から、オンラインエージェンシー、広告主を中心にAtlas、Double Clickといった第三者配信ツールを用いて大量のCookieデータの取得し、分析やデータ統合を積極的に推進してきた背景があります。2009年以降は、データ分析がさらに進化し、今でいうところのAttribution Model、Atlasの ”Engagement Mapping”などがオンラインビジネス企業に積極的に導入され、最適な予算配分の模索が始まったと言えます。現在、Efficient Frontier、Core matrixなど専門企業が詳細な分析サービス、ツール提供を始めており、2010年は日本にとっても、Attribution Model元年と言えるのではないでしょうか。

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3. 間接効果(以降、View Conversion)の意味
実例を示す前に、一度、広告配信領域におけるView Conversionについて理解したいと思います。例としてマス広告とオンライン広告の比較から考えてみましょう。通常、マス広告は露出量、想定接触者数に対して対価を払うモデルです。しかし、マス広告接触後の消費行動1つ1つの接触に対する売上促進を正確に測定するのは難しいと思われます。反面、ネット広告では接触(閲覧・クリック)後の購買行動が正確に把握できます。以下のようなユーザー行動を例としてみよう。OOHを見て、コンビニに行き、炭酸飲料を購入するという一般的な行動です。

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欧米では、上記のマス広告でのユーザー行動をシンプルにオンライン上のユーザー行動にも当てはめることで、業界内(エージェンシー、配信ツールベンダー、媒体社)に自然とView Conversionを測定する文化を形成させたと言えます。しかしながら、日本市場では、なぜがオンライン広告になると、クリック行動のみでメディアが評価され、クリックという限られたユーザー行動を中心にモデリングされているのが現状ではないでしょうか。

4. メディア評価を行う現場
それでは、現場においてこのようなView Conversionの貢献度をどのようにして決めているのでしょうか。実際にはすべてのオンライン広告のすべての接触効果の貢献を認めるか(クレジットを与えるか)は、キャンペーンを開始する前にクライアントと以下の点で協議をし、決定されます。

  1. 市場におけるブランドの浸透度、成熟度
  2. ビジネスモデル
  3. 認知拡大を目的とした広告露出量(マス広告に触発され、ネットでアクションする可能性もあり得るため)

一般的にはネットビジネス企業の場合、ビジネス成長期は100%の間接効果にクレジットを与え、その後、数年かけて成熟期に入るとともに、クレジット率を70%, 50%と減少させていく傾向にあるようです。以上が簡単な背景と概要です。次回からは具体的なケースを取り上げたいと思います。

株式会社電通レイザーフィッシュ
マーケティング室 
清水秀和

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【アトリくんの視点】
先日、この寄稿の件で清水さんと打ち合わせた際、色々お話しができてとても勉強になりました。2008年に米国で学んだということは、米国はそれよりも以前にかなり取り組んで広告効果を評価する手法を確立してきたということです。第三者配信をベースにしたView-through conversionも含めた評価になっている点は、第三者配信が普及している米国で、かつ、大手企業のキャンペーンを手がけるRazorfishだからとも言えますね。日本においては第三者配信はこれからですが、すでに手がけた事例をベースに、市場を牽引してほしいですね。第2回目(来週予定)、第3回目(再来週予定)もお楽しみに!

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Fringe81さんブログから「アトリビューションのメリットと課題と評価手法について」

アトリビューションのメリットと課題と評価手法について – Fringe81ブログ
http://www.fringe81.com/blog/?p=558

Fringe81さんのアトリビューションについてのブログエントリーです。

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【アトリくんの視点】
第三者配信の視点から見たアトリビューション。今後のキーポイントになると思います。このブログには重要なポイントがいくつも書かれていますね。「8割の精度でも意思決定のスピードが2倍速ければその方が採用すべき手法」、「ラストクリック評価であっても十分効果改善はできる」というのはとても共感します。Fringe81さんが出される評価手法、注目です。

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