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【国内コラム】2012年・2013年のディスプレイ広告市場に関するDAC取締役CTO徳久昭彦氏インタビュー(ExchangeWire Japanより)

ExchangeWire Japanが株式会社プラットフォーム・ワン 代表取締役社長CEO 兼 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)取締役CTOの徳久昭彦氏へインタビューを行った。テーマは「ディスプレイ広告市場について、2012年の振返りと、2013年の市場予測について」であった。

日本版、広告テクノロジー業界マップ2013(ディスプレイ広告)&2013年業界予測:DAC徳久氏インタビュー
http://www.exchangewire.jp/2013/02/06/display-landscape-jp-2013-dac-tokuhisa/

徳久昭彦氏によると、2012年はリスティング広告にくらべ、ディスプレイ広告が台頭してきた。特にDSPやRTBなどデータを使っている広告では感覚値でいうとおそらく倍以上伸びたのではないか。その中でデータがとても重要であるが、データオーナーが誰であるのかが分からない状況を危惧しており、社内で責任を持ってデータを管理する人材の確保が難しく重要であると述べている。社内だけでなく、専門家という意味で独立系のコンサルティング会社にもそれらの人材を期待するべきだという。
さらに徳久氏が一番注目するのは動画コンテンツで、PCとスマートフォン、タブレットも含めて動画を活用してコンテンツがリッチ化されることを期待しているという。

そして、2013年のDACの注力ポイントとして、データを活用できるようなプラットフォームや、もっとしっかりしたアトリビューション分析サービスをご提供していきたいと述べる。バナーとリスティングだけのアトリビューションだけだと評価しにくく、バナーとリスティング広告の間にはたくさんのエンゲージメントを高めているコンテンツが本来あるはずで、そこをノーカウントでリスティングとバナー広告で効果を測定するのはおかしいと指摘する。

最後にデジタル広告の場合、トライ&エラーが可能でクライアントの商品やサービスそれぞれの特徴によってフィットする場合とそうでない場合を見極め使った上で効果をみることを推奨している。さらに、テックプロバイダーっていう立場から、プロバイダーはどんどんテクノロジーを磨いて進化させているつもりでいるため、テクノロジーの善し悪しを早計に考えないで、どんどん問題点をフィードバックし、一緒に育てて進化させることが重要だと締めくくった。

詳しいインタビュー記事は上記のリンクより確認してほしい。
リンク先には『広告テクノロジー業界マップ』も掲載されている。

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The Power of View-Through Attribution

TruSignalのブログでビュースルーのアトリビューションについて扱っています。

The Power of View-Through Attribution

http://www.tru-signal.com/blog/The-Power-of-View-Through-Attribution

記事の中で、クリックスルーだけではなくビュースルーまで見ることの重要性について言及しています。

The key to understanding the utility of the click in display is removing the thought that it is a good measure of long term conversion activity and accepting the click for what is is: an indicator of immediate intent and interest generation.
(ディスプレイ広告でクリックの有効性を理解するために大事なことは、クリックは長期のコンバージョン行動を測定するよい指標だという考えを捨てて、直近の購買意向や興味を生み出しているかをみるためのインジケーターとしてクリックを受け止めることである)

あるいは、次のようにも書かれています。

Clicks are able to show immediate interest and provide a metric for direct response marketers, while view-through attribution helps shows the power of display for brand and direct response marketers alike.
(クリックは、直近の興味を示すことができ、ダイレクトレスポンスのマーケターには一つの指標を提供する。その一方で、ビュースルーのアトリビューションは、ディスプレイ広告のパワーをブランドマーケターにもダイレクトレスポンスのマーケターにも同様に示すことができる)

事例として、オンラインの教育機関のケースを紹介しています。
そのキャンペーンでは、ディスプレイ広告をクリックしてコンバージョンしたのは、7人に1人だけだったとのことです。その6倍にあたる数の人が広告をみたあとに、直接URLに飛んでいるか、あるいは、そのブランド名を検索してアクセスしていた。そのうちの半分以上は、広告への接触から5日以内に行動しているとのこと。

In the end, over three-quarters of new enrollments from the campaign came not from a person clicking directly on the ad, but from an ad viewers’ subsequent direct URL traffic and branded keyword searches.
(今回のキャンペーンからの新規入学者の4分の3以上は、広告を直接クリックした人ではなく、広告を見た後で直接URLに訪問した人とブランドキーワードで訪問した人だった)

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【アトリくんの視点】ビュースルーアトリビューションを導入している日本の広告主はまだまだ少数派だと思います。この記事にあるように、クリックだけで分析していると短期的なユーザーアクションしかみていないことになりますので、問題です。ビュースルーの測定には第三者広告配信サーバーの導入などハードルもありますが、今後は日本の広告主にも徐々に浸透していくでしょう!楽しみですね!

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国産DSP「FreakOut!」が Google Analytics と連携

フリークアウトは、RTB(リアルタイム入札)で広告枠の買付を行う国産の専業DSP。

広告配信が可能なアドエクスチェンジにおけるビュースルー、クリックスルーのパフォーマンスをどう測定、評価するかが大きな課題の一つであるが、このたび、フリークアウトではGoogle Analyticsとの連携を実現。フリークアウトのDSPを利用しているクライアント環境で検証を行った。
その結果が出てきたので、内容について寄稿をいただいた。

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今年 1 月にリリースされた国内初の RTB (リアルタイム入札) 対応 DSP 「FreakOut!」は、アクセス解析ツール「Google Analytics」との自動連携を開始しました。

「広告接触によるオーディエンスの態度変容をどのように捉え、オンラインマーケティング活動にいかにフィードバックするか」という、7 月に入りアドテクノロジー界隈のブログを中心に盛り上がりを見せている課題 (*1) を、本記事では、より実務的な視点から事例を元に解きほぐしていくことができればと思います。

態度変容をどう計測するか

ディスプレイ広告を視線の端に捉え、なんとなくブランド名が記憶に残った。複数回広告を見たことで、その商品にちょっと興味が湧いた。このような心の動きだけでは、その効果を計測することはできません。心が動いたことで、どのようなアクションにつながったのか。そのアクションを捕捉することで、初めて態度変容を測ることができるようになります。

心が動いた後に行うアクションの中でも、FreakOut! では検索行動に注目しています。FreakOut! が配信するディスプレイ広告に接触し、最終的に別経路からコンバージョンした顧客の直近サーチクエリから、心の動きを炙り出す。これを実現するための方法のひとつが、Google Analytics との連携になります。(*2)

導入事例

今回は、ポーラ・オルビスグループで高品質なスキンケアブランドを展開する「株式会社ディセンシア」様の実際の事例をご紹介いたします。

本レポートでは「1 度でもディスプレイ広告に接触し、最終的に別経路でコンバージョンに至ったケース」の中から、アクセス解析ツールのデータを活用することで本当に意味のある = 顧客の心を動かしたケースのみを抽出し、見えづらかったディスプレイ広告効果の可視化を目的としています。

■ まずは、多数発生した間接コンバージョンの分類

調査期間内において、直接 (=ラストクリック) コンバージョン件数に対し、間接コンバージョン件数は、約 12倍。初来訪から商品購入までに検討期間を要する商材であることから、妥当な比率といえます。

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■ 続いて、ブランドキーワード検索を抽出

間接コンバージョンは、検索、外部サイト、メール、などを最終接触経路としています。この中から、検索エンジンでブランドキーワード (*3) を使って検索して間接コンバージョンに至ったケースのみを抽出すると、全間接コンバージョンの約 45 %が該当しました。

*3 ブランドキーワードとは、会社名、商品名、ブランド名などクライアント様固有の名詞を指す

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ブランドキーワード検索を抽出したのは、ディスプレイ広告との接触を繰り返すことで、クリエーティブ内に含まれるブランドキーワードの認知が高まり、結果的に検索想起されやすくなる = ディスプレイ広告による態度変容 と、今回クライアント様が定義しておられたためです。

■ 接触数における、ブランドワード検索傾向

ディスプレイ広告との接触を経て、最後は検索エンジン経由で商品購買に至った間接コンバージョンを精査し、ディスプレイ広告接触回数と検索キーワード傾向に相関関係があるかを調査した結果が以下になります。

・接触回数が増えるほど、ブランドキーワード検索が占める比率が上がる。
・接触回数が増えるほど、ブランドキーワードの中でも変化が見られた。
  - 接触回数が少ないと、不正確な検索ワードが目立つ
  - 正しいスペルのアルファベットで検索した顧客のほとんどは、最終接触がリターゲティング広告で、接触回数が高い

■ 期待通りの広告接触を経たオーディエンスの検索傾向

本キャンペーンにおいて狙う購買ファネルは、(下図参照)
 1. オーディエンス拡張配信 (*4) で広く認知&クリックで LP 誘導
 2. リターゲティング広告によるリマインド効果
 3. ブランドキーワード検索で刈り取り

という形で設計しており、ブランドキーワード検索による間接コンバージョンのうち、40 %が、この設計通りのファネルを描いて商品購買に至っていました。

*4 オーディエンス拡張配信とは、リターゲティング/コンバージョンしたオーディエンスデータを加工し、類似するオーディンスにも配信先を拡げる FreakOut! の独自技術

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逆に残りのブランドキーワード検索による間接コンバージョンは、

 1. 最初からリターゲティングオーディエンスであった
 2. オーディエンス拡張のまま、リターゲティングを飛び越えてブランドキーワード検索をするオーディエンスに育ってしまった

のいずれかになります。

1 については、フリークアウト実施以前からリターゲティングオーディエンスであったことから、既存顧客か、もしくは他社の広告によってすでにコンバージョン直前まで育成されていた可能性が高いと考えられます。
いずれにしても、FreakOut! によるコンバージョン貢献度は低いと言えるでしょう。

2 については、慎重な議論を要します。クライアントサイトに一度も来たことがないのに、しっかりとブランドキーワード検索で訪れてコンバージョンしてしまうケースです。もし、ウェブ以外のプロモーションをクライアントが行っていなければ、ディスプレイ広告との接触の繰り返しのみで、検索想起されたことは説明がつきやすいですが、本クライアントにおいては、雑誌等でもプロモーションを行っており、この場合も、FreakOut! によるコンバージョン貢献があったとは言いづらいと考えます。

以上より、設計通りの購買ファネルを描いて間接コンバージョンに至った場合のみを、一定のコンバージョン貢献があったと見なすこととします。

■ 抽出した間接コンバージョンをどのように評価するか

以上より、貢献があったと見なせるブランドキーワード検索経由の間接コンバージョン件数は、直接コンバージョンに対して、約 2 倍の件数となりました。

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しかしながら、ここで単純に

直接 CV 1+ 間接 CV 2 = 3

として、「実は 3 も広告効果が良い」といった話にはなりません。間接コンバージョン 1 件あたりの貢献度を、直接コンバージョン 1 件と比べて、どのように評価するかがポイントになってきます。このあたりの議論は、本 Attribution.jp の記事でもありますが、FreakOut! では今のところ、他広告キャンペーンの実施状況や、商品特性といった情報から、クライアント様とのお打ち合わせの中で納得感のある数字を決めております。概ね 0.5 件程度でしょうか。

算出方法については、今後も議論や技術革新が求められますが、予算配分の最適化を迫られる現場としては、ポイントを与えるべき間接コンバージョン数がわかるだけでも、同じ予算内でより高い成果をあげることに繋がるのではないかと考えております。

次の一手

今回の連携を通じ、Google Analytics を利用しているクライアント様であれば、自動的に DSP の広告配信レポートと Google Analytics のデータが統合されます。特別な設定をする必要もなく、上述のケースのようなデータをご覧頂くことが可能になります。

これらのデータを元に、例えば検索連動型広告のビッグワード予算をディスプレイ広告に寄せることで、同予算内での獲得数を伸ばすといった、他施策も含めた予算最適化を行うことはもちろん、DSP の単価設定や配信ロジック、配信先設定の見直しを行うなど (*5)、単純に「媒体を評価する」こと以上の PDCA サイクルを回すことができるようになります。

最後に、本事例はディスプレイ広告の態度変容に対する貢献を完全に評価したものではもちろんありません。貢献度を測る方法論は今後さらなるイノベーションが必要です。我々もテクノロジー企業として、理想を追い求めていくことでこそ革新が起こると確信しております。と同時に、クライアント様のマーケティング活動の現場で、リサーチャーの役割に留まらず、今でき得る範囲の、価値のあるソリューションを提供できるよう開発を進めていきたく思います。

Google Analytics だけでなく、メジャーなアクセス解析ツールとの連携も予定しております。RTB による広告枠買付、また最新のオンラインマーケティングに関するクローズドセミナーも定期的に開催しております。ご関心のある方は info@fout.jp 、もしくは 03-6365-5958 までご連絡ください。

株式会社フリークアウト
佐藤 裕介

*1 特に Fringe81 田中社長のこちらの記事や、@sembear さんのこちらのシリーズATARA 有園さんの ATARA Method の論考は非常に参考になります。

*2 Fringe81 Blog にて同様のご指摘があります。図示による概念整理が極めてわかりやすく、参考にさせていただきました。

*5 今回の場合、間接コンバージョンした顧客は、主に Yahoo! 検索を利用していることがレポートからわかりました。(Y!:G = 90:10) FreakOut! では、リアルタイム入札するオーディエンスがどちらの検索エンジンユーザーかを指定できるので、このようにコンバージョンデータからフィードバックがあると、更にパフォーマンスを改善することが可能です。

株式会社フリークアウト
2010 年 10 月創業。RTB (リアルタイム入札) で広告枠の買付を行う国産の専業DSPです。 広告テクノロジー会社でありながら、媒体に設置された広告枠の管理を一切行わず、 自社テクノロジーを広告枠の買付に特化させることで、 事業ミッションをご利用頂く広告主様のROI最大化のみに絞りました。

佐藤 裕介
Google の広告部門、技術系スタートアップへの出資、開発支援を経て株式会社フリークアウトの創業に参画。Twitter ID: usksato

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【アトリくんの視点】
DSPによるアトリビューションの取り組みについての報告は日本で初めてではないでしょうか?ユーザの多いGoogle Analyticsとの連携というのも画期的です。検索キーワードとの関連性など、色々見えるので、キャンペーンの設計、予算配分決定に役立ちますね。
ところで今日はリアルにfreak outしないよう、サングラスで強がってみました!前が見えない!

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