Fringe81

CPAからアトリビューション系指標へ移行するためにやらなければならない3つのステップ(Fringe81ブログより)

CPAからアトリビューション系指標へ移行するためにやらなければならない3つのステップ
(Fringe81ブログより)
前編
中編
後編

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【アトリくんの視点】
すばらしい!大作ですね。媒体を役割で評価するのは大事なアプローチだと思います。アトリビューションは先のビジョン(目標、測定/評価環境など)を見据えた上で、今できることを一歩一歩進めることが肝要かと思います。

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Attribution Night 2011のパネルディスカッション

2011年10月4日に開催されたAttribution Night 2011でのパネルディスカッションをテキストにしました。

パネラーは、以下の3人です。
アタラ合同会社 有園雄一
株式会社クロスリスティング 治田耕太郎
Fringe81株式会社 田中弦

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有園:まず最初に、今日これだけお客様に来ていただき、アトリビューションは非常に盛り上がっている印象です。今日は3名のプレゼンもあり、アトリビューションに対して前向きな話をしてきました。アトリビューションがこれから普及していくにあたって、それぞれ課題に感じている点もるかと思います。パネルディスカッションでは、その辺のところを聞いていこうかと思います。田中さん、治田さん、よろしくお願いします。

田中:さっそくですが、新しいことをやっているので色々と課題はあります。まず、第三者配信。つまり、ビューデータを取るための課題があります。それは、メディアの受け入れ度合いという所かと思っています。

有園:メディアの受け入れ度合いですか?

田中:メディアが第三者配信で「配信しても良い」と言っていただけるかどうかというところは、「まだちょっとポリシーが固まってないんだよね」という方もいらっしゃいます。反対に「ぜんぜん大丈夫ですよ」というメディアさんもいらっしゃいます。そのあたりの足並みは、今後そろってくればなぁと思います。

有園:そこに関しては以前、「メディアは9割がた、第三者配信を受け入れOK」と聞きました。あってますか?

田中:それはあっていますが、やはり受け入れてないところもありますので。。。

有園:分かりました。各社さんでポリシーがあり、難しいところもあると思います。おおむね、ほとんどのメディアが受け入れてい状況ではあると?

田中:そうですね。ほとんどのメディアさんで受け入れは進んでいます。やっぱりビューの力は偉大です。今後はデータとしてきっちり主張できるようになります。なので、メディアにとってもこれはポジティブな話しだと思います。クリックがどの位あるという話しに加えて、「ビューをこれだけ見せたら、このぐらいサーチがありましたよ」というのは、メディアさんにとっても、主張すべきポイントだと思います。

有園:アトリビューションの視点から言うと、第三者配信エンジンを入れることは重要ですし、広告主側も第三者配信エンジンを使っての配信は必要だということですね?

田中:はい。

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有園:他に課題というと、どんなことが考えられますか?治田さんいかがでしょう?

治田:今日はネット専業に限らず、広告代理店の方もいらっしゃると思います。まず、大きく弊社の視点で言うと二点問題があります。一点目が、いわゆるリスティング広告とかディスプレイ広告というところで、いわゆるメディアごとの営業ファンクションや提案ファンクションが分かれているという所です。結局、アトリビューションをやる上で、横のつながりをきちんと視覚化しなければなりません。そこへのアプローチが、はたしてできているのかという点は、個人的に気がかりに思っています。二点目は、結局のところ「アトリビューション」と言うと聞こえはいいのですが、分かりやすく言うと、「消費者の行動をどれだけストーキングするか」という話と一歩間違えれば同じです。そうなってくると、プライバシーの議論であるとか、クッキーの整理だとか、そいった部分を業界を挙げて整備する必要性があると思っています。

有園:今の話は、クッキーが入ってる限りは、ずっとユーザーの動きが取れるようになっているということで、それがストーカーのようだということですね。このあたりの話って、アメリカの方ではどうなっているのですか?

治田:実際にアメリカの方では、NAI(http://www.networkadvertising.org/)やDAA(http://www.aboutads.info/)といった業界団体が一括してクッキーをオプトアウトするといったことが、標準としてやられています。しかし、残念ながら日本では、クッキーを共通でオプトアウトしてユーザーのプライバシーを守っていこうなどといったところは、出遅れているのが現状だと思います。

有園:NAIとかは、ポリシーや基準を作っているのですか?

治田:厳密に言うと、ポリシー自体は、いわゆる業界各社あります。消費者に対してクッキーを無効に出来る機能を提供している場所が、日本にはないというのが最大の問題かなと思います。

有園:いつも同じ広告が出てきて、ストーカーみたいな感じを与えて、ユーザーから嫌われる。そういう部分の整理が必要ということですね?

治田:そうですね。

有園:アトリビューションが盛り上がっていく上で、他に課題として感じている点はありますか?

田中:アトリビューションに対する適切な日本語の訳語がありません。これも普及の課題としてはあるのかなと思っています。

有園:言葉の問題はありますね。私も「アトリビューションスコア」と呼んだりしてますが、アトリビューションの訳語はあんまり考えていませんでした。いい翻訳があったら教えてほしいですね。

田中:「コンバージョン」は「成果」って訳しやすいです。しかし、「アトリビューション」を「属性」とは訳しません。

有園:「アトリビューション」は「貢献度」でいかがですか?ちなみにアルクの「英辞郎」という辞書があるのですが、あそこで「Attribution Analysis」と調べると、「要因分析」と出てきます。もともとは、ネット業界ではなく金融業界で「アトリビューション分析」という言葉が存在するようです。どの要因で、何が、どれだけリターンがあったかという点を分析するという話です。インターネット広告業界では、Conversion Attribution などという言葉がありますが、私は「コンバージョンへの貢献度」と呼んだりしているのですが、私自身は「アトリビューション」を翻訳せずに「アトリビューション」で広めちゃえばいいと思っています。

田中:未来について話をしましょうか?

有園:未来の話と言えば、アトリビューション分析をやる際、データ量がすごく多いので大変です。分析するのにサーバーなどを用意しなければなりません。そうやって分析をするとお金がかかるのです。アトリビューションが普及するためには、もっと安くできるかどうかが非常に大きな問題かと思います。

田中:弊社では現在、第三者配信エンジンの提供自体は多分一般的な値段の三分の一くらいの値段でご提供しています。コンバージョンパス分析も、どういう所から来ているのか、しかもそれをちゃんと五分類に類型化して、シンプルな意思決定が簡単に出来るようなツールも開発しています。いろいろな広告主さんに使っていただけるよう、まずは普及を前提に安い値段を設定したいと思っています。

有園:そうすると近い将来、御社の第三者配信エンジンを使うとコンバージョンパスデータが安く手に入るようになるということですか?

田中:そうです!

有園:ありがとうございます。実は、私はデータを受け取って分析する側なので、必要なデータが安く手に入らない限り、アトリビューションは普及しないと思っています。治田さんに質問です。先ほど、プレゼンされた態度変容についての検索データは、趣味でなさっていることだと伺いましたが、その趣味は今後ビジネス化していくのですか?

治田:今回も弊社スタッフを駆り出しているので、そろそろ趣味の域を卒業しますという意思表示として受け止めていただいて構いません。先ほど言ったプライバシーの話ですとか、いろいろな調整が済めば、弊社としては先ほど見せたデータを外部にご提供するということは検討しております。実際、弊社のレモーラリスティングに掲載していただいていれば、大概のクライアントであのデータを取ることは出来ると思います。そういう意味では、特にコンバージョンパスが長い広告主様あたりは、いまのうちにレモーラリスティングを出稿しておいた方が、今後何かと良いのではないかと思います。

有園:なるほど。レモーラリスティングを出稿していないと、そのデータは得られないのですよね?

治田:当然、弊社のコンバージョンタグが入ってないと追えないので。ただ、データの提供方法はいろいろあると思っています。最終的には、出来るだけカジュアルに提供するというのは方針として考えています。それで暴利をむさぼるということは基本無いです。

有園:いずれビジネスに繋がっていくということですね。態度変容とかがある程度見えるようになって、第三者配信エンジンが入っていればビュースルーでのコンバージョンに至る過程も見えてくる。これが、来年には一般化するかも、と考えておけばいいですか?

田中:弊社のデータを見る限りでは、明らかに80%くらいはブルーオーシャンです。結構なインパクトがあると思っています。弊社は、一般的な効果測定ツールと同じような値段でやっています。相当カジュアルに、この価値が上手く提供できて、成功事例が出てくれば一気に広まるのではと思っています。

有園:アトリビューション分析、あるいはアトリビューションのマネージメントをやることによって、どんな効果があるものでしょうか?例えば、コンバージョンが増えるとか。メディアや広告主、そして広告代理店のそれぞれに対して、どんなメリットがあると考えていらっしゃいますか?

田中:個別最適の時代は終わったと思います。ディスプレイとサーチと、変な話メールもアフィリエイトも、全部が顧客接点です。その顧客接点をどうやって組み合わせていくか。テレビや雑誌も同じだと思うんですよ。データを全部かき集めて、すべて最適化していく時代になっていくと思っています。それぞれ良いところ、悪いところ、得意なところ、不得意なところがあります。それぞれをパーツとしてシンクロしていくことになるでしょう。すべての人が関係しているし、関係ない人はいないと思います。

有園:関係ない人はいないということは、上手くいけばすべての人に対してメリットがあるということですか?

田中:個別最適でも、やるべきことはまだまだあります。が、組み合わせて初めて見える世界もありますし、実際に効果も出てきています。

治田:最終的に、インターネット広告はダイレクトレスポンスに偏りがちじゃないですか。有園さんのプレゼンでもあったように、結局はアトリビューション分析することで、コンバージョンの母数が上がってきますよと。コンバージョン母数が上がってくるということは、ダイレクトレスポンス系の広告である以上は、市場の拡大を意味するはずなんです。そうなってくれば、媒体ですとか代理店だとか広告主の三者三様のメリットは絶対にある訳ですし、結局それにかかるコストとそれに対するリターンがどれ位のバランスで均衡するかは正直やってみなければ分からないと思います。少なくとも、先ほどの田中さんの説明にもありましたように、80パーセントはブルーオーシャンで手付かずの領域である以上は、ちょっと頑張るだけでまだまだ開拓する余地はあるということは間違いないかと思っています。

有園:アトリビューション分析をすると、広告主も媒体社も両方ハッピーになれる可能性がある。もちろん、そこの間に入っている広告代理店にもメリットがあるということですね。上手くやれば、すべてのプレイヤーにある程度メリットあるものが提供できますね。分析していて分かることですが、媒体社または媒体の枠によっては、出稿を増やした方がいいと評価されるものもあります。その一方で、ここはコンバージョン率があまり上がっていない、初回、中間を見ても、あるいはビュースルーを見ても繋がっていないので、ここの出稿は止めようというふうになる所も出てきます。なので媒体社によっては、お金という部分で経済的なメリットがあるところもあれば、全然効果が出ないというところもあります。そういうところは、どんどん使われなくなっていく可能性も、アトリビューション分析によってさらに出てくるのかなと。媒体がきちんとメリットが出せるように考えていかないといけないだろうなと感じています。

治田:そう思いますよ。

有園:他に第三者配信エンジンというところでアトリビューションに関わっているのですが、なぜ田中さんはアジテートするのですか?

田中:面白いじゃないですか。市場を変革することってワクワクします。だからやってます。

有園:田中さんは革命だと仰っていますが、革命のポイントを教えてください。

田中:やっぱり個別最適から、組み合わせ最適へ、これにつきますよね。結局、個別最適はタレントをいかに一生懸命そろえるか、巨人軍みたいなやり方だと思います。でも、組み合わせ最適はチームプレーなのでそのチームプレーをいかに上手くやれるかというと、市場は変わりやすいのかなと思ってます。

有園:第三者配信をやろうと思ったきっかけと、アトリビューションに注目したきっかけって違うような気もするのですが。もともと、第三者配信をやろうと思った時からアトリビューション分析に注目してたのですか?

田中:僕はどちらかというと検索の人ではなくてバナーの人なので、バナーが完全に貶められてるという部分が許せん、というのがありまして。それがきっかけです。

有園:バナーの価値をより上げるためにですか?

田中:それもありますね。やっぱり媒体社にとってバナーって売上を上げる主力だったりするので、そこの価値を再構築するっていうのはテーマとして非常に面白いなと思っています。

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有園:同じ視点ですが、治田さんは、クロスリスティングさんにいて、どうしてアトリビューションに注目されたのですか?

治田:もともとはオーバーチェア時代に提供していた「アシスト」という機能というか数字から、いわゆる直接コンバージョンに至らなかった広告接触をどう評価するかという部分を趣味としてずっと考えていたわけです。それで、先ほどの態度変容の話というのは、別にリスティングの話ではなくて、検索ログから消費者の悩みって見えるよね、というのを明示しただけであって、そこにリスティング広告を介在する必要性は無いわけです。ただ、最終的に消費者の行動をきちんと見ることをしないで、アトリビューションがその後広がるかと言ったら多分広がらないと思います。その上では、あのデータは皆さんにとっては使い勝手があろう物なので、我々としてはそれを適切な形で提供して、適切な形で我々が収益するという流れに持って行きたいです。

有園:オーバーチェアの頃からというと、4、5年前からですか?

治田:厳密に結うと、2005年からですね。2005年から日々寝る前の30分、どうやって間接的な効果を測定しようか悩んでました。

有園:「アシスト」という言葉が出たので、ここは確認しておきましょう。「アシスト」とか「間接効果」と「アトリビューション」はちょっと違うという話も出ますが、治田さんどうお考えですか?

治田:間接効果という言葉自体は、正直もう終わりにした方がいいと思います。インターネット広告をやる以上は、絶対に何かしら目的があるはずです。その目的に対して、それぞれのタッチポイントがどう貢献したのかという部分を、統合的に分析しなければ意味が無い。これは間接的に貢献しましたよ、これは直接的に貢献しましたよ、という話ではなくて。先ほどの有園さんの話ではないのですが、それぞれがそれぞれの役割を演じた結果の目的達成であって、役割を果たしたのであれば全部効果でいいじゃん、という話です。

有園:間接とか直接とか言わなくても良いのでは、ということですね。

治田:「アトリビューション」を「間接効果」って言う人は、ちょっと観点が違うと個人的には思っています。

有園:なるほど。ちょっと時間がなくなってきましたので、それではここで、質疑応答に入らせていただきましょう。せっかくなのでこの3人に聞いてみたい事がある方は挙手をお願いします。

【以上】

*録音音声の関係で、この後の質疑応答セッションは割愛させていただきます。何卒ご了承願います。

当日の資料です。

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アタラ、Fringe81が、ビュースルーコンバージョンを対象にしたアトリビューション分析で提携

<企業リリース情報>

平成23 年10月18日
アタラ合同会社
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アタラ、Fringe81が、ビュースルーコンバージョンを対象にしたアトリビューション分析で提携
第三者配信アドサーバーiogous*mark(イオゴスマーク)で廉価にデータ取得
手軽にビュースルーコンバージョンを対象にしたアトリビューション分析を実現

マーケティングテクノロジー開発企業のアタラ(本社:神奈川県横浜市、CEO:杉原剛)と、インターネット広告テクノロジー開発企業のFringe81(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:田中 弦、社名よみ仮名:フリンジ ハチイチ)は、ビュースルーコンバージョンを対象にしたアトリビューション分析で提携することに合意しました。

アトリビューション分析を提供できるアタラと、ビュースルーデータ(ディスプレイ広告を閲覧したデータ)を提供できるFringe81が協力することで、ビュースルーコンバージョン(閲覧後、クリックせずに検索エンジン経由等でコンバージョンしたもの)まで含めた高品質なアトリビューション分析が、他に類を見ない安価で可能となりました。これまでは、評価が難しかったビュースルーコンバージョンもアトリビューション分析の対象になり、バナー広告などの表示回数のコンバージョンへの影響を数量化したアトリビューション分析ができるようになります。アタラでは、ビュースルーデータを活用した、新しいアトリビューション分析のメソッドを開発してまいります。

近年、バナー広告のクリック率は低下しているといわれており、ビュースルーコンバージョンまで含めたアトリビューション分析は業界としても課題となっています。今回の提携により、広告主は、より包括的な視点で広告を評価でき、より効率的にコンバージョンを増加できるようになります。また、媒体社は、バナー広告を表示した効果を数値で示すことで、販売量の増加が期待できます。

アタラは、アトリビューション分析のリーディングカンパニーです。独自のアトリビューション分析メソッド「アトリビューション・スコア」「アトリビューション・ランク」を開発し、適切な予算配分でマーケティング・キャンペーンの全体最適化を支援する、アトリビューションコンサルティングサービスを提供しています。
Fringe81は、第三者配信アドサーバー「iogous*mark(イオゴスマーク)」を開発しています。業界の中でも類を見ない廉価なサービスで、ビューデータが取得できるのが魅力です。「iogous*mark(イオゴスマーク)」は、欧米の広告主では一般的な、広告一元管理と配信を行う「第三者配信アドサーバー」を、独自に自社開発したものです。サーバー構成や回線などのインフラ設計、配信エンジン、レポートシステムなど広告配信に必要なシステムを、オープンソースを活用しながら全て一括で自社開発することで、通常の配信エンジンの数分の1のコストでの広告配信が可能です。

「iogous*mark(イオゴスマーク)」サービス概要
提供価格 : 月額約20万円〜

ATARA, LLC(アタラ合同会社)
[代表者] CEO 杉原剛  [設立] 2009年09月10日  
[URL] http://www.atara.co.jp/
[所在地] 〒225-0004 神奈川県横浜市青葉区元石川町3712-12-D
[事業内容]・ Webを活用したテクノロジー・ソリューションの開発 ・ Webマーケティング戦略立案、導入、運用コンサルティングサービス
・ 企業のデータ分析コンサルティングサービス
■報道関係の方のお問い合せ先  広報担当  直井(なおい) E-mail: pr@atara.co.jp
■サービスに関するお問い合せ先  セールス担当  有園(ありぞの) E-mail: sales@atara.co.jp

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アトリビューションとメディアビジネス

アトリビューションで業界が発展する
アトリビューションコンサルティングについての問い合わせは、主に広告主と広告代理店から入ってくる。アトリビューション分析とアトリビューションマネージメントによって、コンバージョンを増加できるという期待があるからだ。そういうなかで、ときどき、媒体社からの問い合わせも来る。そのたびに、媒体社に行ってアトリビューションの説明会を行っている。媒体社は、アトリビューション分析によって、媒体の価値を高めることができないかという期待を持っているのだ。もし、媒体社にとってもメリットがあり、広告主や広告代理店にとってもメリットが出せるとすれば、アトリビューションは業界全体にとって価値があるということになる。お金が業界により多く回るようになるということだ。業界といっても、いまはインターネット広告業界が主なフィールドだが、マスメディアのデジタル化によって、今後はメディアビジネス全体に少なからず影響を与えていく可能性も秘めている。

市場の流動性を高めるには広告枠の評価が必要になる
アドエクスチェンジ(Ad Exchange)とは、もちろん、ストックエクスチェンジ(Stock Exchange)のコンセプトを模倣している。NYSE(New York Stock Exchange)などを想像してもらえば分かるが、全世界から基本的に誰でもオンラインで株式の売買ができる。指値や成行で売りと買いの注文が入り、需要と供給の変化に応じて価格がリアルタイムに動いていく。アドエクスチェンジも同様に、広告枠の売り手である媒体社と買い手である広告主や広告代理店との間で「CPMがいくらで売り」とか「買い」という注文が入り、その需給のマッチングによって価格がよりリアルタイムに決まっていく。より多くの媒体社が、より多くの広告枠を売りに出し、より多くの広告主や広告代理店が買い手として参加することによって、市場の流動性が高まる。流動性が高まるということは、すなわち、より多くのお金が循環することを意味する。結果的に、インターネット広告業界の発展に寄与することになるだろう。

市場の流動性を高めるには、より多くの参加者によって、より多くの広告枠が売買されなければならない。ヤフーのブランドパネルのような特定の広告枠だけに売買が集中しても、市場全体の流動性が高まったことにはならず、何の役にも立たない。市場全体の流動性を高めるには、個々の広告枠が個々の広告主にとって、どのような価値があるのか評価されることが必要だ。ストックエクスチェンジにおいては、個々の株式がアナリストによって評価され、その評価を参考にして売り買いの判断がなされている。アドエクスチェンジにおいても、個々の広告枠の評価が必要になる。その評価に応じて、広告主は買いか売りか(買わないか)の判断をしていく。その評価の役割をアトリビューション分析は担っている。

流動性を高める2つの理由
アトリビューション分析は、アドエクスチェンジの流動性を高めるのに大きな役割を果たしている。その理由は次の二つに大別できる。
一つは、ラストクリックベースの評価から解放されていることだ。ラストクリックで広告のCPAやROASを評価していると、リスティング広告やアフィリエイトなどの効率がよく見えてしまい、それらに出稿金額が偏ってしまう。それでは市場の流動性は高くならない。アトリビューション分析は、ラストクリックだけに偏った評価はしない。そのため、リスティング広告やアフィリエイト以外の広告も、より平等に評価でき、市場の流動性を高めることにつながるのだ。
もう一つは、ビュースルー(view-through)も評価の対象にしている点だ。バナー広告などをクリックする人は、減ってきているといわれている。そのため、クリックベースで評価することには限界があり、インプレッションベースでの評価をきちんと導入する必要がある。広告は元来、表示することに価値がある。そのため、広告を表示させることの価値が、きちんと評価されないのは大問題なのだ。テレビCMや新聞広告は、現在は、クリックできない。それでも値段がついて売れているということは、表示する(見せる)という広告の価値が評価されているのだ。ポストインプレッション効果には、認知を高めたり、好意度を高めたり、リアルの口コミを広げたり、ソーシャルネットワークで拡散させたり、あるいは、店頭に足を運ばせたりと、いろいろな効果が含まれるだろうが、そのうちの一つであるビュースルー効果を、アトリビューション分析は評価の対象にしている。アタラのクライアントでも、クリックベースでの評価に加えて、ビュースルーまで評価し貢献度を付与している。これは、第三者配信エンジンのMediaMind(MediaMind Technologies)や、同じく第三者配信エンジンのiogous mark(Fringe81)を使っているクライアントの場合だ。第三者配信エンジンを利用しないと、ビュースルーからコンバージョンまでの流入経路データを取得できない。そのため、アトリビューション分析の観点からいうと、すべての広告主が第三者配信エンジンを利用すべきだと考えている。現在、日本でも第三者配信エンジンが、かなりの勢いで普及している。今後は、ビュースルー効果まで評価するのが一般化するだろう。そうなれば、バナー広告やリッチメディア広告が、より公平に評価され、アドエクスチェンジ市場の流動性を、さらにアトリビューション分析が高めていくことになる。

「貢献と恩恵」のネットワーク、そして新しいメディアビジネスの胎動
アトリビューションは、広告市場の流動性を高めることに役立ち、そしてメディアビジネスの拡大に貢献する。そのことが期待されていて、大きな注目を集めている訳だ。しかし、最近、この流動性という論点以外でも、アトリビューションとメディアビジネスという視点で、媒体社や広告代理店の方から意見を求められることが増えた。とくに、広告代理店の中には嗅覚の鋭い人々がいて、アトリビューションで得られるデータをメディアビジネス開発に応用できないかと画策しているようである。大変申し訳ないが、具体的な話しはあまり書けない。水面下で動いている新しいビジネスの萌芽を摘んでしまいたくはないし、下手なことを書いて関係者の迷惑になってはならないからだ。ただし、自分の経験から一つの視点を紹介したいと思う。

広告主にコンサルティングをしていると、各広告主によって社内用語が異なるという事実に直面する。そのため、それぞれの広告主の社内用語に合わせて資料を作るのが普通だ。そのような社内用語として、「貢献と恩恵」、「Give and Take」、「Credit – Debit」というものがある。この3つは、それぞれ別の会社で使われている社内用語だが、ほぼ同じ意味で使われている。これが、何を意味しているのかが分かるだろうか?

旅行代理店のサイトで国内旅行と海外旅行を扱っていると、国内旅行で出稿した広告経由でサイトにアクセスし、最終的に海外旅行のコンバージョンをすることがある。あるいは、その逆のケースもある。同様に、アパレルのサイトでメンズの広告経由で流入し、レディースでコンバージョンするケース、その逆のケースがある。住宅情報サイトで、分譲マンションの広告経由で入ってきて、賃貸マンションをコンバージョンするケース、その逆のケースなど、広告主ごとに同じような事象が起こっている。「貢献と恩恵」、「Give and Take」、「Credit – Debit」とは、この事象に対する各社の呼び名だ。国内旅行での広告出稿が最終的に海外旅行のコンバージョンになった場合、国内旅行事業部は海外旅行事業部のコンバージョンに「貢献」したことになり、海外旅行事業部は国内旅行事業部から「恩恵」を被ることになる。この「貢献」のことを、別の会社では「Give」や「Credit」と呼び、「恩恵」のことを「Take」や「Debit」と呼んでいる。

この「貢献」と「恩恵」の数が同じ数になることはまずない。たとえば、海外旅行事業部のほうが、一方的に国内旅行事業部のコンバージョンに「貢献」していて、その逆は少ないことが一般的だ。つまり、国内旅行事業部側は一方的に「恩恵」を受けているという状態が恒常化していて、海外旅行事業部にきちんとお返しができていない状況になる。ここに、「負い目」や「負債」という感情が発露する契機がある。この「負い目」や「負債」は、債権者と債務者という経済的な構造を誘発し、お金の授受によって、その「負い目」や「負債」を清算するという方法に発展する可能性がある。「貢献と恩恵」を「Credit – Debit」と呼称するケースがあるので分かりやすいが、「Credit – Debit」はそもそも金融や会計用語である。つまり、お金の流れを前提としている。

アトリビューション分析をおこなっていると、このような「貢献と恩恵」の関係が見えるようになる。広告主のサイト内で起こっている「貢献と恩恵」だけではなく、インターネットの中で起こっている「貢献と恩恵」の関係性、ネットワークが明るみになってくるのだ。一般的に、媒体社は「貢献」する側で広告主は「恩恵」を受ける側だ。そのため、ここでは、広告主から媒体社に広告の売買によってお金が流れていく。しかし、現在の広告ビジネスのお金の流れでは捕捉できていない「貢献と恩恵」の関係もあることが、アトリビューション分析で明らかになってくる。流入経路のデータには、有料の流入元(広告)以外の無料の流入元も入っていて、その無料の流入元もコンバージョンに貢献していることが分かるのだ。ここには、お金の流れは発生していない。無料の流入元は、ある意味で、タダで広告主にいくらかのコンバージョンを提供している訳だ。その分のお金を請求してもいいのではないか、と考える人が出てきてもおかしくない。ちょっと分かりやすい例でいうと、フェイスブックやツイッター経由でも、かなりの数が流入してきて、最終的にコンバージョンにつながっている。このフェイスブックやツイッターの価値ってどうすればいいのか、と考えるのも同じような視点だ。フェイスブックやツイッター以外にも、もちろん、いろいろなサイトが無料で「貢献」している。それに気づいている人々がいる。アトリビューション分析で見えてくる「貢献と恩恵」のネットワークがあり、それを使って新しいメディアビジネスを作れないか、商品開発できないか、と動き出している。果たして成功するのかどうか。ハードルはいろいろとありそうだが、まずは、多くのデータを取得し、「貢献と恩恵」のネットワークをアトリビューション分析で見える化し、分析することが新しいメディアビジネスの第一歩となるのは確かだ。

アタラ合同会社
COO
有園雄一

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【アトリくんの視点】
アトリビューションは広告主への恩恵がフォーカスされがちですが、メディアビジネスへのインパクトも大きいと思います。第三者配信の再注目も大きいですね。メディアビジネス側としては、まずはアトリビューション分析のための測定ができる環境を準備するところから始まると思います。米国を見ていると、土俵に乗らないと選定されない、という状況になっているように見受けられます。

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【正式告知】Attribution Night 2011の開催について

10月4日開催 クロスリスティング、アタラ、Fringe81共催イベント
「Attribution Night 2011」
「そもそもアトリビューションって?」「測定方法はどうするの?」「態度変容ってどう見るの?」「広告を最適化につなげるためには?」そんなアトリビューションに関する「?」を、コンサルティング企業のアタラ合同会社、広告配信事業のFringe81株式会社、株式会社クロスリスティングの3社が解説します。
プレゼンテーション終了後には、同会場で懇親会も実施いたします。皆様のご来場をお待ちしております。
◇開催概要◇
•名称 :  
Attribution Night 2011
 
•URL :  
•日時 :  
2011年10月4日(火) 19:00〜22:00(受付開始 18:30)
 
•場所 :  
J-POPCAFE
東京都渋谷区宇田川町31-2 
渋谷ビーム7階
J-ATRIUMフロア
 
•講演 :  
アタラ合同会社 有園 雄一 氏 (twitter: @arizono)
Fringe81株式会社 田中 弦 氏 (twitter: @yuzuru_81)
株式会社クロスリスティング 治田 耕太郎 (twitter: @sembear)
 
•内容 :  
アトリビューションに関するプレゼンテーション
質疑応答・鼎談
懇親会
 
•参加費 : 
会食費として5000円を頂戴します。
(当日受付で現金にてお支払いいただきます。)
 
•応募人数 : 
60名様(抽選)
 ※抽選結果は9月下旬頃にお申込フォームにご記入いただいたメールアドレスまで
 ご連絡いたします。
 
•対象 :
インターネット広告に業務として関わっている方
(広告主様、広告会社様など)
•お申込 :
以下よりお申込ください。お申込締切:9月12日(月)
 
•事務局 : 
株式会社クロスリスティング 広報・宣伝グループ
 
 
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◇プレゼンテーション概要◇
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1.「アトリビューション分析でコンバージョンが増える理由」
アトリビューション分析によってコンバージョンが増加するのは何故か?その主な理由は、ラストクリックが無料の流入元で中間や初回が有料の流入元になっているコンバージョンパスデータが相当数あるため。流入経路のパターンを場合分けし、アトリビューション分析によって初めて見える化されるケースを紹介、コンバージョンを増加させる方法を提示する。
講演者  
アタラ合同会社 取締役 COO
有園雄一
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2. 「検索データに見る態度変容」
より深くインターネットユーザーの消費行動、自社商品の購買プロセスを分析する上で考えるべき「消費者の態度変容」を実データを踏まえながら解説する。
 
講演者  
株式会社クロスリスティング 事業戦略室
ビジネスディベロップメントグループ ディレクター 
治田耕太郎氏
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3. 「ビュースルーベースアトリビューションへの遠い道のり(でも目指すよ!)」
・世界で最もカジュアルな第三者配信をしてみた
・第三者配信とアトリビューション
・ディスプレイ広告⇔ディスプレイ広告のアトリビューション、予算配分
・ディスプレイとサーチの関係をビューベースで見てみる
・ビューベースのアトリビューションってあるのかな?   
 
講演者 
Fringe81株式会社 
代表取締役社長
田中弦氏
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プレゼンテーション終了後、同会場で質疑応答・懇親会を実施いたします。
 
※申込み締切 9/12(月) 
 抽選結果はお申込フォームにご記入いただいたメールアドレスまでご連絡いたします。
 
◇各社HPおよびFacebookページ◇
•株式会社クロスリスティング 
 
•アタラ合同会社 
•Fringe81株式会社

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【事前告知】Fringe81、クロスリスティング、アタラが「Attribution Night 2011」を開催

Fringe81、クロスリスティング、アタラの3社が共同で、アトリビューションに関するイベントを開催することになりました。以下、詳細です。
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「Attribution Night 2011」を開催します。

「そもそもアトリビューションって?」
「どうやって測定するの?」
「態度変容ってどう見るの?」
「広告を最適化につなげるためには?」

そんなアトリビューションに関する「?」を、コンサルティング事業のアタラ合同会社、広告配信事業のFringe81株式会社、株式会社クロスリスティングの3社が解説します。

開催予定は9月末~10月初頭。
詳細は追ってご案内いたします。ご期待ください!

•名称
-Attribution Night 2011

•日時
-9月末から10月初頭(夜開催)

•内容
-アトリビューションに関するプレゼンテーション
-質疑応答・鼎談
-懇親会

•講演企業
-アタラ合同会社
-Fringe81株式会社
-株式会社クロスリスティング

•会場
-渋谷周辺

•募集人数 40名程度(募集人数を超える場合は、抽選とさせていただきます)

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アトリビューション特別対談:Fringe81代表田中弦×アタラCOO有園雄一(4/4)

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第4部/全4部(2011年7月29日公開分)

クリックした人はいつ買うの

有園:私も大手アパレルや大型ネット書店を担当したことがありますが、大手アパレルなどは3000円以上が送料無料になったりすることも理由だと思いますが、その場で1000円のものを3つ買ったりしてすぐに成約をするケースがけっこう多いんですね。ただ、たとえば、PCの購入になると検討期間は延びますよね。お客さんの検討期間と単価によって、コンバージョン率や数がかわってきますよね。

田中:そうですね。

有園:インターネット広告で効果が出やすいところで、1〜2ヶ月の検討期間がある場合は、アトビューションで効果を感じやすいはずですね。

田中:コンシューマーパッケージでも直接コンバージョンの何倍かは間接のコンバージョンがでるので両方足しておいて判断した方がいいですよね。その中でも、より購買までの期間が長いものは絶対やった方がいいですね。

有園:リスティング広告でやっていてもすぐに買わないものがあります。たとえば、海外旅行とか。比較検討するもの。このようなクリックしてもすぐ買わないものは、間接コンバージョンがけっこう発生します。このような商品は、アトリビューションでもっと間接コンバージョンを測定できるといいですね。

田中:やってみないとわかりませんから。まずはやってみてもらいたいですね。きっとびっくりするはずです。

有園:そうですね。

田中:加えて、ビュースルーサーチクエリを見るだけで、このバナーは外していたんだ、当たっていたんだということがちゃんとわかります。そして、サーチで刈り取ってくれていたんだということもよくわかります。

有園:「ビュースルーサーチクエリ」という言葉は田中さんの言葉ですか?

田中:うちで使っている言葉ですが、厳密に言うと「ビュースルーサーチキーワード」です。

有園:バナーがサーチを誘発したというケースのことですね。この効果がバナーにあるので、きちんと見ましょうと言うことですね。

田中:はい。

有園:ちょっと話が脱線しますが、TVCMを見て検索するんじゃないかと思ってTVCMに検索ボックスが入りました。あれと発想は一緒ですよね。リスティング広告以外の媒体を見て検索をしているので、きちんと測定しましょうと言うことですね。

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純広告に価値はあるか

有園:そろそろ時間がなくなってきたので、最後に、1年くらい先の業界がどうなっているか、その辺の考えをきかせてください。どのような予測や期待がありますか?

田中:純広告の価値がやっぱりすごくあったんだ。という仮説を実証したいですね。純広告やアドネットワークからもっと効果が出ている、売れているということを示したいですね。

有園:私はサーチに対しての過剰投資をしているお客様に会うことがあるんです。たとえば、10万キーワードを入れていて、CPAが1000円の目標。この場合、全体のキーワードでの平均値がこのCPA1000円という数値に落ちつていればいいと言われますが、当然、その中には無駄なキーワードもあります。

田中:ありそうですね。

有園:その無駄を削り、バナー広告にふったほうがいいというロジックがアトリビューションから導き出せそうなので、それをスライドさせることをまずは実現することから手をつけたいですね。名前を出してもいいような成功事例がでると、ライバル会社もやりたがると思います。そうなると、他も追随するので、アドネットワーク、第三者配信、純広告など、お金の流れが変わるでしょうね。

リスティング広告の過剰投資を防ぐ

田中:今リスティングの市場は2000億円ありますが、このうちどの程度が過剰投資なんでしょう?

有園:どのくらいかわかりませんが、いまコンサルティングしているお客様を見ていると1/4くらいは流れても良さそうですね。

田中:25%はすごいなぁ。

有園:ただ、スライドする先がGoogleのリマーケティングだったりするんですよ。そうなるとサーチは減るけど、全体のGoogleの売り上げは上がりそうですね。

田中:でも、リマーケだと母数は稼げないから予算は消化できないですよね。そうなるとさらに伸ばそう、となるとユーザー属性で買えるDSPや純広告に流れそうですが。

有園:リマーケやリターゲティングの数が足らないとバナーへの投資につながるかもしれませんね。

田中:かりに20%流れても400億円ですからね。それは市場が大きく変化する規模感ですね。

有園:そのくらい流れる可能性があるように感じています。別にリスティングからスライドさせることがゴールではなく、バナーで効果が出そうな企業は流れる可能性があるかなと。

田中:はい。

有園:ただ、バナーがききますよって事がわかっていれば、スライドではなくてもいいと思うんです。全体の広告予算が1%増と微増で、特にリスティング広告が伸びているのがここ数年の日本の状況だと思いますが、バナー広告も成長しつつリスティング広告も微増していくというのもあり得ますよね。

田中:確か直近でアメリカでは、リスティング広告の市場伸び率をディスプレイ広告の伸び率が抜いたんですよね。そういうことが日本でも起きて、全体が伸びて、広告の改善をすることになるわけですから広告主にとってはいいですね。

有園:そうなると理想論ですが、広告主も、媒体も、代理店もみんなハッピーな形になりますね。

田中:そうですね。

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アトリビューションを日本に広めるために

有園:いままで見えていなかったバナー広告の効果を見える化することによって、リターンを示すことができ、そこにアトリビューションが少なからずお役に立てます、と。今年はその土台作りになりそうです。

田中:投資とリターンの関係で、一つ一つのチャネルだけで測定していると一生バナーはだめだと言われかねません。でも、この投資リターンの関係がこの1年で見えるようになると思うので、がらっとインターネット広告からの集客が変わりますね。でもどうしてアメリカではあれだけディスプレイ広告が伸びているのに日本では伸びないんですかね?

有園:どこかにティッピングポイントがあって田中さんが火付け役になるんじゃないですかね?(笑)

田中:僕はワーワーやりますよ(笑)こういうのってアジテートしないとだめですよね。誰かが声を上げないと、変わりませんからね。輸入してきたものだけで全て決まるのっておもしろくないですからね。

有園:アトリビューションの考え方はアメリカからはじまったと思いますが、確立しているわけではないですからね。だからこそ、日本独自で、日本にあったものを普及させていきたいですね。

田中:そうですね。

有園:いずれにしても、第三者配信でビュースルーを見ていくという考えを広げ、価値を伝えていくことで、普及の年にしたいですね。

田中:お客さんの反応を聞くと、びっくり玉手箱だと思う人が多いですね。パンドラの箱だと思って開けたら、宝物が入っていた。そういう印象を持つ人が多いです。

有園:そうですか。

田中:あとはDSPですね。あとは、エクスチェンジ。第三者配信。この3つが日本では同時にバンと立ち上がっているのでおもしろいです。アメリカだと、第三者配信が最初に出てきて、そのあとDSP、エクスチェンジという市場進化の順番ですからね。日本のインターネット広告産業が、がらっと変わるかもしれません。

有園:がらっと変わる気配を感じますね。インターネット広告は2000年くらいから成長を加速して日本でも安定した市場になりましたけど、最近はちょっとリスティング広告など頭打ちなところもあります。このDSP、第三者配信などのテクノロジーで効果が出るようになると次のブレイクスルーがきそうですね。

人間にしかできないこと

田中:そうなると次は人間の力が試されると思います。クリエイティブ・・・たとえばこういうキーワードを誘発しそうなものは何か。機械が絶対にできないことですよね。

有園:できませんね。

田中:そのとき人間の力が試されることになりそうですね。今はテクノロジー偏重で左脳の年ですが、来年は普及すると右脳の年になりそうですね。

有園:最後は徹底的に自動化するとか、枠を最適化するとか、ある程度できることが完了すると、あとはクリエイティブ勝負ですね。そして、データを見てプランニングをするとか。

田中:その左脳と右脳の両方の力を持っているプレイヤーが勝つ時代になりますね。今だとディスプレイ広告の左脳・右脳、サーチの左脳・右脳の人がいますが・・・。今はサーチはほとんど左脳で、左脳8割、右脳2割みたいなところがありますよね。

有園:広告文をきちんと書くと効果が上がったりするんですけど・・・。

田中:そうですね。その力を融合するといいですね。このときって左脳に右脳を融合するとうまくいきますよね。

有園:田中さんって、Yahoo!で働いていたときはバナー広告の制作もやっていたんですよね?そのときの田中さんは左脳だったんですか?

田中:僕はYahoo!のときはどんなバナーを作ろうか考えていたので完全右脳でしたよ。キャリア的にはコンサルタントやっていたこともあるので、左脳にもいきましたが、本当は右脳なんですよ。テクノロジーは大事だけど右脳のクリエイティブを忘れちゃいけないといいますが、左脳がちゃんと整備されていないと、右脳も働きませんよ。両方大事ですからね。

有園:広告とかマーケティングはアートかサイエンスかとよくいわれますが、それと同じですね。

田中:日本の広告市場は左脳と右脳の融合を今年一年でやらないといけないんですね。

有園:右脳は遅れてもいいんですよね?

田中:まず、左脳は今すぐやらないといけませんね。アメリカはプレイヤーがいっぱいいるのでカオスって言われているんです。日本は、同時発生で動いているので、違う種類のカオスだと思います。でも、カオスの中でのチャレンジから新しい産業が生まれてくると信じてます。楽しいじゃないですかカオス。

有園:これがこの1年間くらいの動きですかね。10年だったらどうでしょう?

田中:もうわかりませんね。こればっかりは。。。

インターネット広告の未来

有園:そうやってバナーの価値が再評価されていくと、近い将来、TVCMの出稿金額をインターネットが超える可能性はありますよね?

田中:イギリスはそうなっているって言いますよね。イギリスまでいくとちょっと極端ですが、インターネット広告市場がまだまだ伸びる余地があるなぁって思います。このまだまだ余地があるというところが面白いですね。

有園:そうですね。そのような状況に日本市場も近づいていくのかもしれません。アドネットワークの普及とエクスチェンジなどで在庫が効率的に売れるようになり、オーディエンスターゲティングのようなアドテクノロジー進化によって広告主の満足度も高まっていく。そのような相乗効果の中で、まだまだ成長していく予感がしますね。

田中:そうですね。

有園:ところで、ちょうど、7月24日でテレビのデジタル化、アナログ停波を迎えますが、テレビやラジオのデジタル化によって、このようなインターネットでおこっているアドテクノロジーの波は、いわゆるマス広告にも影響を与えていくのではないかと感じています。それは、5年、10年先もかもしれませんが、広告業界をアドテクノロジーが大きく変えていくことだけは間違いないでしょうね。

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聞き役: 有園 雄一(Yuichi Arizono)
Google+

(END)

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田中さん、熱いトークをありがとうございました!まさに革命前夜のインターネット広告業界。共にがんばりましょう!

第1部(2011年7月26日公開予定)
第2部(2011年7月27日公開予定)
第3部(2011年7月28日公開予定)
第4部(2011年7月29日公開予定)

コメント

アトリビューション特別対談:Fringe81代表田中弦×アタラCOO有園雄一(3/4)

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第3部/全4部(2011年7月28日公開分)

ラストクリックだけを評価していませんか?

有園:さて、あらためてアトリビューションを一言で説明するとどのように言えますか?

田中:顧客獲得、コンバージョン増加のためのチャネルと予算の新しいマネジメント方法って感じですかね。チャネル導線と予算配分の最適化をやることですかね。

有園:コンバージョンに複数の広告が貢献していた場合は、それぞれの広告に貢献度を割り振ることがアトリビューションの考え方で、その後に、予算配分などいろいろ最適化していくことがアトリビューションマネジメントなのかなと。

田中:はい。

有園:野球でいうと9人いて、バントが上手い人がいればシングルヒットを打つ人もいる。チームとしての得点力を上げて適切な評価をして選手に給料を払うことがアトリビューションですね。結果的に総得点が上がるように野球チームのフロントは考えるわけです。

田中:総合的にということですね。

有園:どの広告がどれだけコンバージョンに貢献したのか。貢献した度合に応じて広告費予算を最適化しましょうよと。ラストクリックだけを評価することは、4番打者にだけ給料を払っているようなものです。

田中:たしかに。

有園:非常に偏った評価をしていますね。4番打者だけ集めても野球は勝てません。チームとしてのコンビネーションを考えなければなりませんね。

田中:そうですね。サーチも、ディスプレイも、もはやひとつのチームで、強いチームをチームビルディングするようなもんですね。

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アトリビューションモデルとは

有園:ところで、アトリビューションモデル的にいうと、初回、中間、ラストとあった場合、ラストだけに100%の重みづけをするのがいままでのやりかたです。

田中:そうですね。いわゆる「ラストクリック評価」モデルですよね。

有園:アトリビューションの均等配分モデルという基本的なモデルでは初回、中間、ラストに均等に貢献度を割り振ることを考えます。なかには、初回に重きをおくモデルもあります。

田中:いろいろありますね。

有園:たとえば、認知されていない商品サービスの場合は、まずは知ってもらうこと、クリックしてもらうことが重要だよねと。コンバージョンも大切ですが、まずは知ってもらうこと。プロダクトライフサイクルの導入期にあるような商品サービスは初回に100%配分して評価すべきだという考え方もあります。

田中:そこからが難しいですね。均等配分をすべきか、しなくてもよいのか。ビューを評価すべきか、クリックを評価すべきか。ベンダー次第ですね。

有園:おっしゃるとおりです。

田中:僕らはビューは大事だと考えていますが、経路はあまり意味がないと思っています。A媒体、B媒体、C媒体と3回見たとします。それでC媒体からコンバージョンしたとします。もしくは、C媒体からサーチでコンバージョンしたとします。そうすると、C媒体はけっこう偉いけれどA媒体とB媒体って偉いんだっけ?ということになってきて、そこら辺が謎めいていしまいます。

有園:たとえば、バナーAがインプレッションして見ただけでした。クリックはしませんでした。そのあとに、バナーXをクリックしたけれどサイトから離脱したとします。次に、バナーBがインプレッションして見ただけでした。その後にサーチをしてコンバージョンしたとします。この期間が1カ月だとします。このような流入経路があった場合、最後に発生したバナーBのインプレッションはコンバージョンにつながっているのでビュースルーコンバージョンとして数えるんですか?

田中:数えます。

有園:その他は数えないんですか?

田中:第三者配信エンジンの多くはバナーAを数えません。機能として数えられる・数えられないのと分析するための数字は、評価は違うのですが、たいてい数えません。

有園:バナーXはクリックスルーコンバージョンをしていると考えるのですか?

田中:考えます。ただ1ヶ月超えている場合は微妙です。バナーXの貢献度はあると思いますが、バナーを複数見て複数クリックする人は全体の10%くらいです。ヘビークリッカーという議論もありましたよね。90%はほぼかぶりません。ビュースルーコンバージョンとしては、バナーを見て短期間でコンバージョンしたものの評価が高くなります。

有園:期間も評価基準にしているんですか?

田中:特定の期間できります。たとえば、30日間とかできっています。

有園:確認しますが、バナーAは30日以内に発生していたとしても、ビュースルーコンバージョンにはカウントしないんですね?

田中:カウントしません。

有園:アタラでは、バナーXのクリックはサイトへ誘導しているので評価はきちんとしています。田中さんの話だと、バナーXの貢献度はあるかもしれないけれど、あまり評価していないんですよね?

田中:短期間のクリックスルーコンバージョンであれば評価します。それは直接コンバージョンなので。ただ、30日以内に違う媒体で同じバナーに触れることはほとんどないんです。その中でさらにクリックを両方する、ということは90%の人に起きていません。こういう事態ってあまり起こっていないんですよ。

有園:ここに貢献度を振るべきかどうかということなんですよね。

田中:ここは完全に分けていますね。

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インプレッションは間接コンバージョンとして評価する?

有園:インプレッションは間接コンバージョンとして評価するんですね。ブランインドになっている、つまり、見られていない可能性が高い場合はどうするんですか?

田中:その場合は間接コンバージョンの評価ポイントを減らします。アドネットワークは何%くらいがブラインドだよね。純広告は何%くらいがブラインドだよねというようにざっくり判断します。厳密に機械ではかっているわけではないんで。

有園:見られる可能性が高い媒体である場合、コンバージョンに近ければ近い媒体を評価することは大賛成です。バナーAをどうするかは迷うところですが。バナーBやバナーXをしっかり評価しなければならないと考えています。このサーチが指名検索だとします。この指名検索を発生させたバナーBやバナーXがあるわけですから、指名検索の評価を下げてバナーBやバナーXにつけてあげなければならないというようなことをやっています。

田中:バナーBとバナーXが逆だと分かりやすいんですよね。インプレッションもクリックも両方やるわけですから偉いです。サーチもしてコンバージョンもしたから、間違いなく評価は高いです。バナーXはクリックしていて、バナーBはインプレッションだけだというケースは困るパターンですね。

有園:だから聞いてみました。現実にこのようなケースのデータがあるんですよ。認識を共有しておきたかったのは、ビュースルーの定義はベンダーによってまちまちなので。直近のビュースルーコンバージョンをまずカウントして評価することが大事だよということを共有しておきたかったです。

経路を評価するか、媒体を評価するか

田中:話が難しくなってしまいがちですが、経路を評価するのと媒体を評価するのは違います。

有園:はい。

田中:実際の広告運用を考えると、A媒体、B媒体、C媒体のトータルのコンバージョン数をたたき出してくれるのはどの媒体なのかを考えなければなりません。その次に経路の最適化をしましょうという二つがあります。それぞれの媒体を比べて媒体を評価するときは、ラストインプレッションもしくはラストコンバージョンを見ます。

有園:もう少し経路の話を聞かせてください。もし、コンバージョンを発生させている経路が、バナーA→バナーX→バナーB→サーチ→コンバージョンの流れだとします。

田中:はい。

有園:バナーA、バナーXまで来ている人が100人いた場合、バナーBを見たあとにサーチしてコンバージョンすることが統計的に予測できる場合、バナーXの次にバナーBを見せるように順番をコントロールすることってできるんですか?

田中:いや〜。人間がどの媒体をどの順番で見るかをコントロールすることは絶対に出来ませんね。人間をコントロールすることはできません。機械ですべての媒体に第三者配信することができるようになると、少しは違うかもしれませんね。

有園:すべての媒体に第三者配信ができるようになればですね。なるほど。バナーAをインプレッションしました、バナーXをクリックしましたというレコードをもっているクッキーに対して次はバナーBを見せることは、Fringe81さんではできるんですか?

田中:できます。1ユーザーあたりのフリークエンシー数ごとにバナーを入れ替えることができるので。すべての媒体で、というと、それが、そんなに頻発するかな〜って気はします。確率論として、バナーAとバナーXを見ている人ってどのくらいいるかなと。両方見ている確率ですね。

有園:それで言うと、両方見ている確率は低いと思います。勝ちパターンを探したいので調べるのですが、いろいろなパターンがあってこれだというのは見つけにくいです。

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媒体のコスト効率を図る

田中:僕はシンプルに考えていて、コンバージョンにいたったラストインプレッションって何だっけ?ということを重視しています。この方法論だと意思決定が早いんですよ。あと、サーチでけっこうな無駄があることが分かるんで、サーチの予算をバナーに移行すればコンバージョンは増えますよという話をしています。クリック数を増やすよりはビューを増やすほうがやりやすいです。

有園:間接コンバージョンと直接コンバージョンの両方が増えるように配信を微調整しているんですか?

田中:リアルタイムにはあんまりしていません。リアルタイム変えていくと混乱します。変数がたくさんありますからね。まずは、一本普通の配信をして、詳細なデータを分析します。やってみると気づくこともあるので、その分析結果をもとに、最適解を探し出して、たとえば、次は三本のバナーを、こういう順番で配信してみよう、とか調整をします。

有園:間接と直接の効果を見て、間接効果が高ければバナー広告にもっと予算を割り当てたほうがいいねということになるわけですね。次のキャンペーンがあれば本数を増やして配信するわけですね。

田中:もしくは、媒体の評価をして、この媒体はやらなくてもよかった、こっちの媒体はもっとやったほうがいいと判断します。トータルコンバージョンを増やすためにどうしたらいいかを考えます。

有園:媒体のコスト効率を図るわけですね。田中さんの言うトータルコンバージョンとは、直接コンバージョン+間接コンバージョンのことですよね?

田中:そうです。

有園:それを分母にして、分子に媒体に投資したコストを載せて、トータルCPAを出すわけですね。そのような成功事例はありますか?

田中:BtoB系のお客様には喜ばれています。たとえば、IT系の専門媒体は10〜20くらいしかないのでどこからコンバージョンが来ているのか、トータルコンバージョンを使えば効率を上げる方法がわかるので喜ばれています。BtoBだと検索エンジン広告の単価も高く、検討期間も長いため、すぐに買ってもらえないですよね。

有園:たとえばサーバーとかですか?

田中:そうですね。あとはクラウドとか基幹システムです。稟議をあげてから1週間以上かかるものもあります。そうなると直接コンバージョンが1、2とかって言うこともあるんです。1ヶ月以上たってから決まるものもあるので、実際は間接コンバージョンは直接コンバージョンの5倍〜10倍くらいあります。

有園:1週間のキャンペーンが終わってからコンバージョンをしたものは間接コンバージョンですか?

田中:はい。1週間以内であっても自然検索結果からきたものもすべて間接にしています。今まではコンバージョン数が少ない場合でも、ちょっとした誤差で2件だったのが5件という結果になることもあるんです。でも2件や5件という少ない場合、「たまたまじゃないの?」ということがありますよね。直接コンバージョンだけだと、母数が少なすぎていい悪いを判断するのが難しくなっちゃう、と。

有園:へぇ〜。

田中:この場合間接コンバージョンまで見ると、5倍〜10倍くらい出ることがある、といいましたが、つまり直接が5だとすると、最大間接が50、つまり55件のコンバージョンです。ここまで母数が増えれば、それぞれの媒体パフォーマンスをちゃんと評価できますよね。

有園:その場合クリエイティブは1つ、2つで運用するんですよね?その場合、cookieの長さはどのくらいにしていますか?

田中:それはクライアント次第ですが、30日とか、60日のこともあります。

有園:BtoBだと60日くらいが普通ですかね?

田中:たしかに、BtoBだと60日くらいまでですね。

有園:この話を聞くとバナーのビューからコンバージョンが見えるので、バナーの再評価につながりますね。

田中:この前はじめてバナーっていいもんですねと、再評価してくださったお客様がいました。今まではアドネットワークの方が単価が安いのでいいと思っていたけど、実は高額な専門媒体の方が間接のコンバージョンまで見ると成果が出ている事がわかったという報告を聞きました。

有園:いい話ですね。それは。今のはたまたまBtoBでしたが、比較検討する期間が長い商材で、バナーの効果を調べたい場合は、ビュースルーを見た方がいいですね。

田中:はい。

聞き役: 有園 雄一(Yuichi Arizono)
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4/4に続く(2011年7月29日公開予定)】

第1部(2011年7月26日公開予定)
第2部(2011年7月27日公開予定)
第3部(2011年7月28日公開予定)
第4部(2011年7月29日公開予定)

コメント

アトリビューション特別対談:Fringe81代表田中弦×アタラCOO有園雄一(2/4)

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第2部/全4部(2011年7月27日公開分)

広告代理店さんがアトリビューションを取り入れる場合

田中:ちょっと視点が変わりますが、広告代理店さんでこうしたアトリビューションをやろうとすると部署がわかれているのでややこしいと思いますね。

有園:そうですね。

田中:アトリビューションはやる方が大変だと思いますが、お客さんにとってアトリビューションはとても得なことだということを伝えたいです。

有園:伝えたいですね。

田中:アトリビューションは新しい概念で、捉えどころのないフワフワしたものと思われがちです。しかし、やり尽くしたものもあれば、まだ手をつけていないもの(ディスプレイ)もある。これらを適切に組み合わせたら、もっと改善できるし結果も出せるでしょう。それを実現するのがアトリビューションだよということを強烈に謳っていきたいです。

有園:そうですね。代理店さんの話が出ましたけど、実は、代理店さんからもアタラにお問い合わせがあります。代理店さんに対してアトリビューションの勉強会をさせていただいてたり、代理店さんからのご依頼でクライアントの情報を分析してシミュレーションしてお返ししたり、ということをやり始めてます。

田中:そうですか。

有園:代理店さんのなかにも、「アタラと一緒に仕事をやりたい」というスタンスのところもあれば、「やりにくい」という声もあるかと思いますが、部署を横断的に考えてアトリビューションについて前向きに捉えようという動きは代理店さんの中でもかなりでてきていると感じています。

田中:それは本当に思いますね。先日、ある代理店さんに聞いて「ほ〜う」と思ったことがあります。

有園:ぜひ聞かせてください。

田中:その代理店さんはサーチをかなり大規模にやっていて、ビッグクライアントも沢山もってらっしゃるのですが、「アトリビューションとか出てくると、また面倒臭い事になると思います?」って質問したら「そうではない」と。

有園:へぇ〜。

田中:「サーチとディスプレイを組み合わせる」と言う考え方は広告代理店の得意分野なんだと。広告代理店は、いろんな集客手段を組み合わせてどういう風に集客していこうか考えるのが仕事なので、アトリビューションの概念は好きだよと言っていました。そういう考え方をしてくる代理店さんもいるんだなというのが驚きでした。

有園:なるほど。ある意味、アトリビューションは代理店さんの本領発揮みたいなところがありますよね。複数媒体を扱えるからこそできることがありますね。

田中:そうなんですよね。だから余計に、広告代理店さんがどんな組み合わをするのか見てみたいって思っています。代理店さんからもアトリビューションに対して前向きな言葉をかけていただくんで、一斉に声をかけられると大変ではありますが、きっと盛り上がると思います。

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アトリビューションを解明する

田中:あと、アトリビューションについては、日本で誰も解明していないというところが良いですよね。

有園:解明?

田中:ビュースルーコンバージョンって本当にあるんだっけ?とか、ディスプレイって本当にサーチに貢献してる?とか、みんな気になっているけれど誰も解明していないじゃないですか。これを解明できたら楽しいですよね。

有園:なるほどなるほど。多分、そういうことをきちんと調査してリリースを出している広告代理店さんや会社は日本ではまだ無いですよね。アメリカのほうだとけっこうありますが。

田中:アメリカにはありますね。実績あるはずなのに、小出しにしているかんじではありますが。もっとデータを出してくれたら良いのにって思いますよ。

有園:まだアトリビューションという言葉だけではちょっと響かないときもありますが、アトリビューションに関連するニーズの高まりという点では、広告主の方は段々と高まってきたと思います。媒体社さんの反応はどうですか?

田中:媒体社さんはまちまちですね。ただ、RSSのアドネットワークは専門系の媒体社さんが多いので、専門系の媒体社さんは単価が高いからCPC換算すると広告主さんは、「ちょっと高いよね」と必ず二の足を踏んでしまうんです。

有園:そうですね。

田中:でも、メディアさんに、「実は、それは間接効果を出したら結構なボリュームのコンバージョンを出していたことが分かると売りやすくなりますよね?」と聞けば「そりゃそうですね」という風になります。これは喜ばしいことです。

有園:はい。

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第三者配信エンジンの魅力

田中:そもそも、三年位前には同じことをやるためには第三者配信エンジンが必要なんですけど、「第三者配信でやりましょう」と言うと「嫌だ」と言われましたね。

有園:ちょっとそこに、それを入れたくないみたいな。入れたくない理由って何なんですかね?

田中:いろいろあると思うんですけど、一番大きかったのは掲載可否確認。特にアメリカの第三者配信でいうと自由にばんばん入れ替えられるって方式が主流なのでチェックできないところがあったりするので。

有園:では掲載可否の管理ということですね。いわゆる枠管理みたいなのはどうなんですか?

田中:枠管理はあらかじめ何枠と決まっているので、それは例えば30枠あって10枠が第三者配信になるかどうかというのはあまり問題じゃないですね。

有園:ということは、変な広告は出したくないというところの確認は人間がしなければならないのでしょうけれど。

田中:はい。でもそれはベンダーとメディアさんでちゃんと紳士的にやれば解決します。全部事前に可否をとっておくとか。あとは第三者配信でやると全部見えてしまうということがあったりします。

有園:全部見えるんですか?全部見えるというのは、クリック数とかインプッション数とかという話ですか?

田中:それもそうですし、例えばフリークエンシーとかもわかるので。ただ多いフリークェンシーが駄目だというわけでもないので、そこはちゃんと言えばいいですし。なので、間接コンバージョン見て、もっと価値上げていきましょうよという話をして、第三者配信をしましょうと言うと、まあ90%は大丈夫です。

有園:そうですか。なるほど。では、見えてしまうということよりも効果を見せる方が大事だという風に媒体社さんの意識も変わってきているわけですね。

田中:かなり変わってきています。

有園:媒体社さんによって反応はまちまちだけれども増えてきていると。例えば、10社に話をするとどのくらいですか?

田中:9社はOKです。

有園:なるほど。それで間接効果を出していきましょうというのも皆その方向で動いていると。

田中:そうですね。

有園:大手も結構そうですか?

田中:大手もそうですね。

有園:新聞社さんであったりとか、日本で一番大きなYahoo!さんとかはまた違うかもしれませんが。

田中:Yahoo!さんとかはまだですけれども、他の媒体社さんはもうほとんどOKじゃないですかね。あまり駄目と言われたことがないんですよ。ポリシー的にまだ受け入れていないというところはありますけれども「ここだけだったらどうですか」という話をすると「それはOKです」と言われます。

有園:それは中面みたいな話ですか?

田中:そうですね。「中面だったらいいですよ」というのは出てきてますね。なので、今は拒否されることがない状態ですね。

有園:実は、私もとある媒体社さん、大手のニュースペーパーなんですけど、アトリビューションの勉強会をしてほしいと言われてお話をさせていただいたことがあります。そういう意味では、媒体社さん側でも温度が上がってきていますね。

田中:そうですね。

有園:媒体社さんとしてもアトリビューションをやることで広告の間接効果をきちんと出せるようになり、売り上げを上げていけるんじゃないかという思いが出てきているんでしょうね。

間接効果と直接効果はどっちが偉い?

田中:ところで、方法論とかそっちの方に入っちゃうかもしれないんですけど「直接コンバージョン」っていうとめちゃくちゃ偉い感じがするじゃないですか。「間接コンバージョン」「間接効果」っていうと、あんまり偉くない感じですよね。

有園:あははは。それは、「所詮、間接的でしょ」「あんた最後に力発揮してないじゃん」みたいなことですか?

田中:そうです。そうです。日本語の印象では、直接よりも間接の方が弱いと思われることってあるんじゃないかなと思って。

有園:たしかに。

田中:たとえば、バーナーを見て実際にクリックする人ではなく、バナーを見て、後から他の経路で、たとえば、サーチとかでアクセスする場合をビュースルーアクセスというのですが、計測してみるとクリック数の二倍から十倍のアクセス数が出ます。直接のクリック数が100だとすると、200から1000ぐらいアクセス数が出るんです。純広告で良い枠だと、そりゃあ広告を見たでしょうね。そうじゃないとなかなかサーチってしませんよね。

有園:はい。

田中:ということを考えると、純広告をCPC換算で300円で買ってました、という場合、トータルの流入数はまた違うわけです。二倍でも実は150円でした。アクセスを誘発しているので。十倍だったらCPCってあれ何だったっけとなる。

有園:なりますね。

田中:だから純広告ってアクセス稼ぐだけにしても単純に直接のクリック数だけ見たのではだめだなと。ビュースルーだけ見てみても、二倍から十倍に増えているじゃないですかと、アクセスめちゃくちゃ増えていますよと。それでも間接効果って言うんですかね?って気がしてしまうんです。

有園:なるほどね。

田中:何かいい言葉ないかと思ってます。間接って言葉のインパクトが弱くて。間接効果っていうと、たまたま流れ弾にあたったみたいじゃないですか。

有園:流れ弾って(笑)田中さんの会社の資料に「迂回コンバージョン」って書いてあるのは、そうゆう理由からですか?

田中:そうそう。間接って言葉が嫌いだから、自分で考えてつけたんです。

有園:そうでしたか、正直「迂回ってなんだよ。間接でいいじゃん」って思っていました(笑)いま納得です。

田中:流れ弾って言ったら語弊があるかもしれないですが、「たまたま効果があった」みたいに思われるのが悔しいんです。

有園:たしかにね。

田中:アシストってあったじゃないですか?あの概念。あれも、すごくショボイネーミングな気がするんですよね。ゴール前でちょろっとパスしましたみたいな。

有園:しょせんアシストだろう?と。アシスタントみたいな感じですね。主役ではないと。なるほどね。じゃあ、「リードジェネレーション」とかどうでしょう?ちょっと違うかな?

田中:どうなんですかね。多分、アトリビューションっていった時に「間接効果を明らかにして予算配分を変えましょう」と話をすると、間接とかアシスト効果って言うと軽くちょろっとしかやっていない感じがしちゃうので、実際はすごく重要なことなのにその大切さが伝わらないような気がして。それがネックです。

有園:おもしろいですね。言葉に関してはそこまで敏感には考えていなかったのですが、田中さんがおっしゃりたいことは理解できます。

田中:よかった(笑)

松井とイチローはどっちが偉い?

有園:じつは、先日、Attribution.jpに投稿したのですが(http://www.attribution.jp/000069.html)、その中で、松井とイチローの例を使っています。最後に刈り取るのが得意なのはリスティング広告になるわけですが、野球でいうと、リスティング広告は打点をあげているようなものです。そうすると、松井はリスティング広告。最初にウェブサイトにランディングさせる施策は一塁ベースに出ていくことに似ています。シングルヒットを打つイチローです。バナー広告はイチローだと。

田中:おもしろい例えですね。

有園:そういったときに「松井とイチローはどっちが偉いんですか?」と聞けば、現状で評価が高いのっておそらくイチローの方ですよね。あれだけシングルヒットを打つイチローには高い評価がある。

田中:そうですね。

有園:ウェブサイトにランディングさせるためには、たくさんのビュースルーが必要です。そのビュースルーを評価しないということは、イチローを評価しないのと同じですよってことを言いたかったのです。田中さんのいう、間接効果を評価しなくてもいいのか、みたいに。

田中:うんうん。

有園:サッカーに例えた「アシスト」と「ゴール」と言う説明は使い古された感があるので、あえて野球に例えてみました。イチローって偉大だろうと。

田中:偉大ですね(笑)一塁に出れないと点数は入らないですからね。間接っていうとバントだけしているみたいに聞こえます。

有園:そうそう。イチローは一塁にも出るし、盗塁だってするんだぞと。さらに先に進塁するのは、ある意味で、態度変容を引き起こしているみたいなもんですよ。イチローを評価するならバナー広告だって評価しないとダメですよってことが言いたくて。

田中:おっしゃるとおりですね。きっかけは何ですかって話ですよね。

有園:そうなんですよ。

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コンバージョンのきっかけは何か

田中:商品名とか知らない人が、いきなり指名買いワードで検索してくるわけないですよ。知るきっかけが必要で、それがバナー広告だってことはよくあります。もちろん、記事広告やタイアップ広告などいろいろありますが、きっかけを評価しましょうってことを強く言いたいですね。

有園:そうですね。

田中:アシストを評価する、間接効果を評価するって言うと響かないのかもしれませんが、コンバージョンとなるきっかけを評価しましょうって言うと少しは違うのかなぁと。きっかけがないとコンバージョンしませんからね。

有園:ごもっともです。広告の言葉で言うと、アテンションとかインタレストとかAISASでいうやつですね。購買サイクルの中での認知。認知していないと指名検索はないじゃないですか。だから、アトリビューションは認知を評価しましょうって言っているのに近いと思うこともありますね。いかがですか?

田中:どうなんでしょうね。いわゆる、AISASとかはマーケティング的には正しいと思いますよ。ただ、おもしろいことに、バナーを一回見ただけでコンバージョンする人もいるんです。

有園:へぇ〜。

田中:ダイエット食品のバナー広告を見ただけで「痩せたいから買おう!」即クリック、即購買と。いきなりAIDMAのAからAまでボーンと飛んでしまうんです。

有園:おもしろいですね。

田中:そう考えると、AさんとBさんとCさんにとってバナー広告の果たす役割は違うんですよね。Aさんにとっては認知。Bさんにとっては即コンバージョン。Cさんにとっては検討するきっかけになってサーチに結び付くことはあります。そう考えると「認知」だけではないのかなって思っています。

有園:認知だけではないと思います。きっかけとおっしゃったので、そこでいうと認知かなと。

田中:コンバージョンパスの中にある認知ならそうですが、単なる認知ならちょっと違うのかなと思いますね。

聞き役: 有園 雄一(Yuichi Arizono)
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3/4に続く(2011年7月28日公開予定)】

第1部(2011年7月26日公開予定)
第2部(2011年7月27日公開予定)
第3部(2011年7月28日公開予定)
第4部(2011年7月29日公開予定)

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